東京モーターサイクルショーの注目度MAX!ホンダとヤマハのニューモデルが話題【バイクのコラム】

■ホンダのブースは人が多すぎて撮影できず

スクランブラースタイルの「CL250/CL500」は市販間近ということで細かくチェックしている来場者も多かったようだ。
スクランブラースタイルの「CL250/CL500」は市販間近ということで細かくチェックしている来場者も多かったようだ

2023年3月24日(金)~26日(日)の3日間、東京ビッグサイトにて「第50回東京モーターサイクルショー」が開催されました。

自動車メディアに関わるようになって30余年、近年は自動車コラムニストという肩書で活動している筆者ですが、恥ずかしながら東京モーターサイクルショーを訪れたのは初めて。

過去の東京モーターショーでは二輪メーカーのブースも取材していましたので、似たような雰囲気なのかと思いきや、モーターサイクルショーのブースは完全に別物といった印象を受けました。

モーターショーというのはメーカーが出展していますが、モーターサイクルショーは国内販売会社が主役でブースを展開しています。そうしたスタンスの違いが、ショー全体のイメージを作り出しているといえば伝わるでしょうか。

モーターショーは設計者の発表会といった部分もありますが、モーターサイクルショーは完全にセールス視点でブースが作られているといった印象でした。

軽二輪となるYZF-R15のほか、原付二種のXSR125、YZF-R125、MT-125の3兄弟がヤマハ・ブースの主役だった。
軽二輪となるYZF-R15のほか、原付二種のXSR125、YZF-R125、MT-125の3兄弟がヤマハ・ブースの主役だった

具体的にいえば、モーターサイクルショーは「欲しい」と思っているライダー目線のショーになっています。跨りの機会が多く設けられているのも、そうした意識が感じられます。

そんなモーターサイクルショーで、来場者が殺到していたのがホンダのブースでした。

半導体不足などによる納車遅れは二輪でも発生しています。そうなると、販売店へ展示車や試乗車が配置されることも遅れがちです。

だからこそショー会場で気になるニューモデルをチェックしたいという気持ちが、ホンダ・ブースの集客力につながっていたのかもしれません。

ホンダのブースではスクランブラースタイルのニューモデル「CL250/CL500」や、アドベンチャースタイルの「XL750 TRANSALP」といった話題のモデルを、目前でチェックできるのですから当然です。

今回、ホンダ・ブースではここで公開している2枚の写真しか撮影できなかったのですが、それは来場者の圧に負けて、遠くから眺めることになってしまったからです…。

●個人的なイチオシモデルはヤマハMT-125

ヤマハのストリートファイター「MT」シリーズの末弟として125版が登場する。
ヤマハのストリートファイター「MT」シリーズの末弟として125版が登場する

また、国内の二輪メーカーとしては、ホンダに次ぐポジションとなっているヤマハ発動機のブースも、多くの来場者が訪れているのが確認できました。

ヤマハは、水冷エンジンを積んだ原付二種のスポーツモデル3台を出品。インフレ時代にピッタリのニューモデルとして大注目ですから、来場者が集まるのも納得です。

二輪の国内販売会社にはほとんどコネクションがない筆者の力不足ですが、今回の取材では、ヤマハの原付二種3モデルの価格帯や発売時期などの具体的な情報を得ることはできませんでした。

それでも写真を見ればわかるように、いずれのモデルも原付二種とは思えない、軽二輪のような雰囲気をまとっています。お金がないから原付二種で我慢するというのではなく、自分の力量にあったモデルがたまたま原付二種だった…、そんな風に感じられるのです。

原付二種のフルカウルモデルYZF-R125はサーキットユースでも楽しめそうだ。
原付二種のフルカウルモデルYZF-R125はサーキットユースでも楽しめそうだ

フルカウルのスポーツモデル「YZF-R125」、ストリートファイターの「MT-125」、クラシカルな雰囲気の「XSR125」という3モデルを眺めて、もっとも積極的に選びたいと個人的に思ったのはMT-125でした。

展示されていたのが、鮮やかなグリーンが印象的なカラーリングだったのも影響していますが、このニュー原付二種3台の中で、もっとも原付二種のピンクナンバーが、ポジティブな意味で似合いそうと感じたのが、その理由です。

というのは冗談としても、ストリートファイターの軽快なイメージが、この車格に似合っていると感じたのです。

いずれにしても、50万円を切った手ごろな価格でリリースされれば、どのモデルも大ヒットすることは間違いないでしょう。

●フルサイズ原付二種がブームになりそう

XSR125はリターンライダーが選びたくなる懐かしいルックス。写真はカスタマイズ仕様。
XSR125はリターンライダーが選びたくなる懐かしいルックス。写真はカスタマイズ仕様

ここ数年は、ホンダのモンキー125、ハンターカブ、ダックス125といった「懐か新しい」モデルが、国内の原付二種マーケットでは注目を集めていた印象があります。

原付二種のスポーツモデルにおいても、ホンダ・グロムやカワサキZ125PROといった、小径タイヤのミニバイク的なモデルが中心でした。いわゆるフルサイズと呼ばれる、250cc並みの車格を持つ原付二種は、マーケットの中ではレアな存在という印象もありました。

しかし、ヤマハが3台の原付二種を市販することになれば、一気にフルサイズ原付二種のマーケットが盛り上がること確実です。

プロトが輸入するベネリ・レオンチーノ125。250の車格を持つ原付二種だ。45万3200円の価格も魅力。
プロトが輸入するベネリ・レオンチーノ125。250の車格を持つ原付二種だ。45万3200円の価格も魅力

今回の東京モーターサイクルショーでも、複数の輸入ブランドが水冷エンジンを積んだフルサイズ原付二種を展示していました。

たとえば、プロトが輸入するイタリアのメーカー「Benelli(ベネリ)」は、250ccモデルと同等の車格となる原付二種モデル「レオンチーノ125」を展示していました。

パッと見には原付二種とは思えないムードでありながら、メーカー希望小売価格は税込み45万3200円というのですから、今の時代にバイクライフを送るにはピッタリのモデルといえます。

筆者は、憧れのモデルとしてホンダのリッタースーパースポーツCBR1000RR-Rを所有してはいますが、身の丈にあったバイクライフのパートナーとして、カワサキZ125PROにも乗っています。

実際、原付二種のほうが思う存分ライディングテクニックを磨くことができると感じることも多く、原付二種のマニュアルトランスミッション車は、純粋にライディングを楽しむのであれば最適だと感じています。

ヤマハのニューモデルが、どのようなタイミングで、どんな価格帯で販売されるのかはわかりませんが、YZF-R125/MT-125/XSR125の3台が原付二種マーケットをけん引、盛り上がることは確実でしょう。

空前の原付二種ブームが来るかもしれません。

自動車コラムニスト・山本 晋也

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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