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■ヒントは独特なデザインのマフラー
1960年代の昭和に生まれたバイク好きの多くが、バイクに興味を持つキッカケとなったのが、1971年から放映されたテレビドラマの「仮面ライダー」。
本郷 猛の1号ライダーや、一文字隼人の2号ライダーが乗るサイクロン号は、筆者を含めた当時の男のコにとって、変身ベルトと共に憬れの的でした。
そんな当時の仮面ライダーをオマージュした映画「シン・仮面ライダー」が、2023年3月18日より公開され話題となっています。「シン・ゴジラ」など、数多くの大ヒット作を手掛けた庵野秀明氏が監督を務めたこの映画には、昔のサイクロン号をオマージュした「新サイクロン号」も登場し、あの6本マフラーが復活。当時を知るファンなどに注目されています。
第50回 東京モーターサイクルショー(2023年3月24日〜3月26日・東京ビッグサイト、通称「東京MCショー」)では、その劇中車も展示され、多くのギャラリーが集結。
人だかりに紛れ、筆者もしげしげとそのマシンを見ていましたが、ギャラリーの多くから聞こえて来たのが「ベース車はなに?」との声。
筆者も、最初はよく分かりませんでしたが、よ〜く細部をのぞくと、「あっ、あのバイクだ」と分かるポイントを発見。では、どこを見れば分かるのか、早速紹介しましょう。
●6気筒のはずが実は7気筒?
車体のフロントやサイド、シート後方などには、オリジナルのカウルが装着され、前述の通り、ベース車の正体が不明な新サイクロン号。
ホワイトのボディに赤いラインが入った外装は、昔のサイクロン号を彷彿とさせ、なかなかグッときます。
特に、車体後部には、これも先述した6本マフラーが突き出ていて、とっても速そうな雰囲気を醸し出していますね。
また、メーターも「CYCLONE」の文字が刻まれたカバーを装着。燃料タンクですら、フロントカウルと一体型のカバーが付いていて、これらからベース車を判断することは不可能です。
ふと気づいたのが、エンジン下の後部に、なぜか7本目の黒いマフラーがあること。新サイクロンは、6気筒のはずが実は7気筒? でも、カウル内側から見えるエキパイは4本、つまり4気筒です。
そして、このエキパイの形状や黒いマフラーのデザインには、思い当たるバイクがあります。また、スイングアームやホイールの形状なども、よく知るバイクのものに似ています。
これは、まさしくホンダの650ccモデル、フルカウルの「CBR650R」か、ネイキッドの「CB650R」ではないでしょうか? 特に、CBR650Rは、筆者の愛車であるため、細部はよく分かります。
また、CB650Rは、CBR650Rの兄弟車であるため、カウルレスですが、ホイールやマフラー、スイングアームなどは共通です。
●ゴールドのホイールが決め手
そして結論。ホイールのカラーがゴールドなので、これはCB650Rです。ネイキッドモデルに、オリジナルの外装を装着したのが、新サイクロン号だったのですね。そう言えば、フロントの倒立フォークも全く同じですね。
ちなみに、CB650Rはバーハンドルですが、新サイクロン号のハンドルはセパレートタイプ。これは、CBR650Rのハンドルを移植したのでしょう。
また、ベース車のマフラーはステンレスのカバーが付いていますが、新サイクロン号はそれを目立たないようにブラック塗装しているようです。
ちなみに、ショー後に、シン・仮面ライダーの公式ホームページを見ると、公開前の2022年8月19日(バイクの日)に、ブログでベース車がCB650Rであることは、ネタばらしされていました。
つまり、筆者をはじめ、一緒に見ていた多くのギャラリーが、それを知らなかっただけのようです。
なお、今回展示された新サイクロン号は変形後の姿で、変形前はオフロードバイクなのだとか。そして、そのベース車はホンダの250ccネイキッド「CB250R」なのだそうです。
ともあれ、昔からのバイク好きにとっても、かなり気になる映画がシン・仮面ライダー。筆者はまだ観ていないので、できるだけ早く新サイクロン号の勇姿や仮面ライダーの活躍を楽しみたいと思います。
(文:平塚 直樹)
【関連リンク】
シン・仮面ライダー公式ホームページ
https://www.shin-kamen-rider.jp/news/201/