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■オジさんライダーが選んだベスト5
注目の新型モデルが続々と発表される春は、バイク好きにとって、一体どんなモデルが発売されるのかとか、それらはどのような乗り味を楽しめるのかなど、なにかと気になる季節です。
長年バイクに乗るオジさんライダーの筆者も、さまざまな新型バイクの情報を収集しては、いろいろと妄想を膨らませる「好き者」のひとり。
そんな筆者が、第50回 東京モーターサイクルショー(2023年3月24日〜3月26日・東京ビッグサイト、通称「東京MCショー」)で気になるニューモデルを実際に見てきて、自分が乗って楽しそうなバイクをチェックしてきました。
ここでは、そんな筆者が勝手に選んだ「乗って楽しそうな新型バイクのベスト5」を紹介します。
●1位:カワサキ・ニンジャZX-4RR
1980年代から1990年代半ばのレーサーレプリカ・ブームど真ん中に、青春時代を過ごした筆者的には、最も気になるのがやはりフルカウルのスーパースポーツ。中でも、カワサキが参考出品した「ニンジャZX-4RR」は、250ccベースの車体に、400ccクラスでは久々となる4気筒エンジンを搭載。しかも最大で80psものパワーを発揮するということで、やっぱりナンバー1に気になるバイクでした。
市販車ベースの世界最高峰レース「WSBK(スーパーバイク世界選手権)」で戦うワークスマシン、「ニンジャZX-10RR」を彷彿とさせるスタイルは、かなりアグレッシブ。外観だけでもグッときます。
車体のベースには、250ccのスーパースポーツ「ニンジャZX-25R」を使い、新開発の399cc・水冷並列4気筒DOHCエンジンを搭載します。しかも、このエンジン、国内仕様のスペックなどはまだ未発表ですが、欧米で先行発表された海外仕様では、最高出力77psを発揮。走行風を採り入れることでパワーを増大させるラムエアシステムも採用することで、最大80psを発揮するといいます。
しかも、車両重量は188kg〜189kgとかなり軽量。軽い車体に、ハイパワーなエンジンを搭載することで、きっと胸がすくような加速感が味わえることが予想できます。
また、250ccがベースということは、車体がかなりコンパクトであることも考えられ、たとえば、ワインディングなどでマシンを旋回させたり、連続するコーナーで切り返す際も、かなり俊敏に走れること間違いなし。
加えて、愛車のホンダ「CBR650R」で、サーキットのスポーツ走行も趣味にしている筆者としては、クローズドコースでも、楽しく走れそうな予感がビンビンします。
発売日や価格などもまだ未発表ですが、カワサキの担当者によれば、「2023年秋頃の発売に向けて準備中」とのこと。
250cc版の現行モデル「ニンジャZX-25R SE」でも価格(税込)は96万2500円ですから、ニンジャZX-4RRはおそらく100万円を超えるでしょう。でも、発売されれば、かなり人気が出そうな気がします。筆者も、お値段次第では悩んでしまいそうです。
●2位:BMW・M1000RR
4輪車では、BMWのハイパーフォーマンスモデル「M」はかなり有名ですが、その2輪版が「M1000RR」。
その新型が、東京モーターサイクルショーで国内初披露されたので、早速ブースへ見に行きました。
BMWの1000ccスーパースポーツ「S1000RR」をベースに、市販車ベースの世界最高峰レース「WSBK(スーパーバイク世界選手権)」で培ったテクノロジーを搭載し、サーキット走行などにも対応する高い動力性能を持たせたモデルがM1000RRです。
初代モデルは2021年に登場。新型の特徴は、カーボンパーツを多用していること。巨大なウイングを持つフロントやサイドのカウルはもちろん、フロントブレーキにもカーボンカバーを採用し、空力を向上するとともに、軽さにも貢献しています。
レース・トラックでも使用できるようにセッティングを施したという999cc・4気筒エンジンは、最高出力212psを発揮。最高回転数は1万5100rpmとかなり高回転まで回ることで、ワインディングはもちろん、サーキットでのスポーツ走行などでも、レーシーなエンジンサウンドや加速感が味わえそうです。
スポーツバイク好きの筆者としては、まさにレーシングマシンのようなスタイルだけでも、見とれてしまいます。
おそらく、筆者の場合、実際に乗ると、その高性能を扱いきれる自信はありません。ですが、ベースとなったS1000RRは、1000cc・スーパースポーツのなかでは、比較的乗りやすかった印象もあります。M1000RRが、オジさんライダーにもある程度は「優しい」バイクであることにも期待したいですね。
なお、価格(税込)は、384万9500円〜448万8500円と、お値段もハイパフォーマンス! 2023年3月24日(金)より予約を開始し、納車開始は2023年夏頃を予定しているそうです。
●3位:スズキ・GSX-8S
3位に選んだのは、スズキの新型ネイキッド「GSX-8S」です。
このモデルで注目なのは、新開発の776cc・並列2気筒エンジンを搭載すること。クランク軸に対して、90度に一次バランサーを2軸配置した「スズキクロスバランサー」という新機構を採用するこのエンジンは、振動を抑えながら軽量・コンパクト化を実現しているといいます。
また、低回転域から滑らかでコントロール性の良い出力特性と、高回転までスムーズに吹け上がることで、全域でバランスがいいことも魅力だといいます。
このマシンは、実際にショーでまたがってみたのですが、エンジンがコンパクトなだけでなく、フレームもかなりスリムなため、ニーグリップをしやすいのが印象的でした。装備重量も202kgと、このクラス的には比較的軽い方ですから、コーナーでも俊敏に走れることが予想できます。
また、アグレッシブなフェイスデザインやショートタイプのマフラーなどによる、スポーティなスタイルも魅力ですね。
きっとこのバイクなら、街乗りからツーリング、ワインディングまで、幅広いフィールドで気持ちよく走れることが期待できそう。80psという最高出力も、公道では「ちょうどいいパワー」ですし、路面状況などに応じ、出力を効率よく路面に伝える「STCS(スズキトラクションコントロールシステム)」など、最新の電子制御システムも採用。安全で快適なライディングが味わえることが期待できます。
なお、価格(税込)は106万7000円で、2023年3月24日(金)より発売中です。
●4位:ホンダ・CL250
ホンダが新しく発売を予定する、250ccの新型スポーツが「CL250」。1962年に登場した250ccの「ドリームCL72スクランブラー」など、オン・オフ両方のスクランブラーと呼ばれる往年の名車を復活させたネオクラシックなモデルです。
搭載するエンジンは、最高出力24ps/最大トルク2.3kgf・mを発揮する249ccの水冷4ストローク単気筒。低回転域から高回転域まで扱いやすい出力特性とすることで、オンからオフまで幅広いシーンに対応させています。
また、直径41mmの正立フォークにはフォークブーツも装備。クラシカルな外観に貢献すると共に、ダート走行ではフォークのインナーパイプを飛石や泥から守る役割も果たします。
前述の通り、筆者はフルカウルのスポーツバイク好き。650cc・4気筒のCBR650Rで、ツーリングからサーキットのスポーツ走行まで、主にオンロードでの走りを楽しんでいます。
一方、CL250なら、街乗りからツーリングまで対応する上、オフロードでもフラットなダートならこなせそうなことがポイント。さすがに、樹木が立ち並び、起伏も激しいハードな林道などは難しいでしょうが、ある度は道を選ばず、気軽にライディングできそうな感じですね。メインバイクのCBR650Rに加え、より軽くコンパクトなことで普段の足に使え、オフロードも走れるCL250をセカンドバイクに持てたら最高でしょうね。
価格(税込)は62万1500円。2023年5月18日(木)に発売される予定です。
●5位:ヤマハ・XSR125(市販予定アクセサリー装着車)
ヤマハが市販予定車として参考出品した原付二種のネイキッド「XSR125」も、セカンドバイク的に乗れれば最高だなと思う1台。
ショーでは、スタンダード仕様に加え、同じく市販予定のアクセサリー装着車も並んでおり、そのカフェレーサー的スタイルが楽しそうで選んでみました。
XSRは、レトロなスタイルに最新テクノロジーを融合した、ヤマハがヘリテージスポーツと呼ぶシリーズ。900ccの「XSR900」や700ccの「XSR700」がありますが、XSR125はそれらの125cc版となります。
国内仕様の詳細なスペック、価格や発売時期などは未発表ですが、シリーズ共通のクラシカルなスタイルは、かなりいい感じ。しかも、ビキニカウルやカスタムシートなどのアクセサリーを装着した仕様は、街中にかなりフィットしそうです。
これをベースに、自分好みのカスタムを施して遊ぶのも楽しそう。原付二種バイクならではの取り回しや小回りの良さも魅力ですし、お値段次第では欲しくなってしまいそうな1台です(結局、今回紹介した5台全部が欲しいんですけどね)。
いかがでしたか? 新型モデルって、実際に買えるかどうかは別として、こんな乗り方やあんな走りができそうなど、いろいろ妄想するだけでも楽しくなってしまうものですよね。皆さんも、自分流の新型ベストランキングを選んでみて下さい。
(文・写真:平塚 直樹)