トヨタ「クラウンマジェスタ」5代目デビュー。740万円を超えたマジェスタはトヨタ最上級モデルの座へ【今日は何の日?3月26日】

■クラウンを超える最高級車としてさらにレベルアップを図った5代目

2009年に登場した5代目クラウンマジェスタ
2009年に登場した5代目クラウンマジェスタ

2009(平成21)年3月26日、トヨタの最上級セダン「クラウンマジェスタ」の5代目がデビューしました。

5代目クラウンマジェスタ
5代目クラウンマジェスタ

1991年に登場した初代クラウンマジェスタは、クラウン以上・セルシオ以下を狙って発売されました。セルシオがレクサスLSに移行し、トヨタの最上級モデルとなった5代目マジェスタは、さらなる高級感をアピールしました。


●クラウンの最上級モデルとしてクラウンマジェスタ登場

1991年、9代目「クラウン」のモデルチェンジのタイミングで、最上級モデルとして初代「クラウンマジェスタ」は誕生しました。

1991年にデビューした初代クラウンアジェスタ
1991年にデビューした初代クラウンマジェスタ

9代目クラウンと同じような、丸みを帯びた面構成のモダンなスタイリングでしたが、クラウンよりもやや長くワイドになって、1ランク上の風格を印象付けました。

注目されたのは、クラウンが伝統的に採用していたフルフレーム構造でなく、軽量化や剛性、スペース効率に優れた防振サブフレーム付きのモノコック構造を採用したことです。

エンジンは、セルシオと同じ4.0L V8 DOHCと3.0L直6 DOHCに加えて、2.4L直4 SOHCディーゼルターボの3種。足回りは、4輪ダブルウィッシュボーン式電子制御エアサスペンション、ステアリングはラック&ピニオン式で、クラウンの最上級モデルに相応しい走りと乗り心地が実現されました。

●セルシオが消え、5代目からマジェスタがトヨタの最高級モデルに

2005年以前のトヨタの最上級モデルは、1989年から発売されていた「セルシオ(海外ではレクサスLS)」でした。

ところが、セルシオは2005年からセルシオの名称を止め、国内でもレクサスLSとしてレクサスブランドから販売されるようになりました。したがって、この時点からマジェスタがトヨタブランドの最上級モデルになったのです。

2003年に登場したセルシオ、2005年からレクサスLSとして販売
2003年に登場したセルシオ、2005年からレクサスLSとして販売

トヨタの最上級モデルとなった5代目マジェスタのアピールポイントは、前後座席間距離を延ばして、より広くなった豪華な室内空間、ステアリングやシフトノブの天然ウォールナット、国産牛の柔らかな本革シートなどの採用による快適性や安全性などの、さらなるレベルアップでした。

5代目クラウンマジェスタのリアビュー
5代目クラウンマジェスタのリアビュー

エンジンは、4.6L DOHCと4.3L DOHCのV8エンジンの2機種、足回りには全グレードに電子制御エアサスペンションを採用。また予防安全として、最新のプリクラッシュセーフティシステムが搭載されました。

すべてにおいて、最先端の技術と装備が採用され、トヨタの最高級車に君臨したのです。

●レクサスブランドの台頭によって、マジェスタも終焉を迎える

長い間クラウンは日本専用モデルだったので、日本の道路環境では、優れた走りと乗り心地、静粛性を発揮していましたが、アウトバーンのような超高速路では欧州高級車に劣っていました。しかしマジェスタは、日本専用モデルでありながら、欧州車に負けないワールドクラスの走りを誇りました。

2013年にデビューした6代目クラウンマジェスタ。2018年に生産を終え、マジェスタは終焉を迎えた
2013年にデビューした6代目クラウンマジェスタ。2018年に生産を終え、マジェスタは終焉を迎えた

その後もマジェスタは、クラウンの先を行く、トヨタの先進フラッグシップとして君臨し続けましたが、2018年をもって生産を終えました。その理由は、トヨタの高級ブランドとしてレクサスブランドが定着して、マジェスタのユーザーが「レクサスLS」や「レクサスGS」に流れたこともあるでしょう。


FFベースとなった新型クラウンクロスオーバーがデビューして、大きな注目を集めています。そのような中、FRの次期マジェスタが派生車として登場するのでは?と期待してしまいますが、現実味は…はてさて?ですね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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