■国内レクサスブランド第1弾=レクサスGSに待望のハイブリッド投入
2006(平成18)年3月16日、前年の8月にデビューした「レクサス GS」に、ハイブリッドモデル「レクサスGS450h」が追加されました。
国内レクサスブランドの第1弾であるレクサスGSに、リダクション機構付THS IIを搭載して、優れた走りと低燃費の両立を図ったモデルです。
●レクサスGSは、アリストの北米向けとして誕生
レクサスGSは、国内で「アリスト」として販売されていたモデルを、北米市場に向けレクサスGSの車名とし1993年から販売を始めました。
日本国内では、2005年8月のレクサスブランド開業と同時に、3代目アリストが新型車レクサスGSとしてデビューとなりました。すなわち日本で初代となるGSは、グローバルでみれば3代目、初代と2代目は日本ではアリストの車名で販売されたのです。
アリストは、9代目クラウンのシャシーやエンジンをチューンナップして、スポーツセダンに仕立て1991年に誕生。全体に丸みを帯びたスタイリングのベースは、ジウジアーロのイタル・デザインが担当しました。
エンジンは、3.0L直6 DOHCの標準エンジンと3.0L直6 DOHCインタークーラー付ツインターボの2機種で、高性能エンジンはメーカー自主規制値280PSを発揮。そして2年後1993年には、前述のように北米でレクサスGSとしてデビューしたのです。
●3代目から日本でもレクサスGSを名乗り、ハイブリッドを追加
2005年、日本でレクサスブランドが開業し、その年にレクサスGSは3代目にモデルチェンジして、日本でもレクサスGSを名乗りました。レクサスGSは、国内レクサスブランドの第1弾であり、フラッグシップサルーン「レクサスLS」より、やや小型の上級スポーツセダンという位置付けでした。
そして翌年の2006年、レクサスブランド初のハイブリッドモデルGS450hが追加されました。3.5L V6直噴エンジンに“2段リダクション機構付THS II”を組み合わせたFRハイブリッド。エンジンの最高出力196PSにモーター出力が加わり、システム全体の最高出力は345PSに達し、4.5L V8エンジンに匹敵する性能を発揮したのです。
レクサスGS450hは、大型車セダンのFR車にハイブリッドを採用したことで、世界的にも大きな注目を集め、人気モデルとなりました。
●優れた走りと低燃費を目指したレクサスGSも、2020年に生産終了
リダクション機構付THS IIは、高回転型モーターの回転をリダクションギアで減速してトルクを向上させ、低速から高速域まで高いトルクを得て、燃費重視のTHS IIシステムのパワー不足を解消することを狙ったシステムです。
狙い通り、燃費とハイパワーを実現したレクサスGSは、国内では人気を獲得しましたが、欧州ではライバルのメルセデス・ベンツ EクラスやBMW 5シリーズなどに、販売面ではおよびませんでした。
また、同クラスにはハイブリッド専用車として人気のあったカムリベースの「レクサスES」が存在していたので、レクサスGSはその役目を終えて2020年に生産を終えました。
レクサスESは、FFのため車室空間が広く、デジタル装備が充実して価格が安い(ハイブリッドGS:616万円、ES:580万円)ということもあり、レクサスESに一本化されたようです。最近は、スポーティなモデルにはFRが必須ということはなく、走りにこだわって乗ってみてもFRとFFの違いは判らないほどの出来栄えですから。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)