■筑波サーキット50秒切り!のランサー EVO9
2023年2月18日(土)に筑波サーキットで開催された「Attack筑波2023」。筑波サーキットTC2000を舞台に、ベストラップを競うタイムアタックの大会です。
筑波サーキットでは様々なタイムアタックイベントがあり、その都度タイムを更新していますが、ここ数年のラップタイムのトップは、ファイヤー安藤さんがタイムアタックをする「ESCORT EVO9」。
毎年12月から2月までがタイムアタックのシーズンですが、2021~2022年シーズンで、ESCORT EVO9は50秒台前半というチューニングカーとしては最速のタイムを叩き出しており、2023シーズンで目下の注目は50秒を切るかどうか?というところ。
そんな中、2023年1月27日に筑波サーキットTC2000で行われた走行会イベントで49秒897を叩き出し、筑波サーキット50秒切りを達成したマシンとして世界にその名を轟かせたのです。
さらなるタイムアップを狙ってのAttack筑波2023出場でしたが、ESCORT EVO9が走行する前に他の出場者がエンジンブローなどでコースにオイルをまき散らすなど、路面状態は大荒れ。注目されたタイムは50秒1となりましたが、順位で言えばこのAttack筑波2023の中では文句なくトップタイム。次元の違う速さを見せつけていました。
●異形ともいうべき強烈なエアロ
見た目はなんとなくランサーEVO9の形をしていますが、よく見るといろいろなところがかなり違っています。
まず灯火類は全てプリントフィルムで作られています。つまり、シールが貼られているだけで、ヘッドライトのその下はカーボンのエアロバンパーとなっています。
エンジンはランサーEVO9の4G63型をベースに2.2リッター化してのターボチューン。燃料はインディカーなどにも使われるエタノール燃料。
エンジンの前方はインタークーラー、オイルクーラー、ラジエーターが重なり合うように配置されています。
強力なダウンフォースで前後左右からクルマを押さえつけるために異形となったエアロ類。特にリアウイングとフロントウイングは圧巻の一言です。
1周のタイムを削り取るためだけに構築された造形は、異形と言えども説得力があり、見る者を納得させるだけの力があります。
今回見に行ったAttack筑波2023では、50秒切りを直接見ることがかないませんでしたが、撮影ポイントのあった第1ヘアピンでのコーナーリングスピードは今まで見たことのないスピード。迫力などという言葉ではなく、見とれてしまうような美しさすら感じるものでした。
もう、このタイムがギリギリ限界なのか、それともまだタイムアップが出来ていくのか。来年の冬のタイムアタックシーズンにも期待が膨らんでしまいます。
(写真・文:松永 和浩)