アウディe-tronシリーズがアップデート。「Q8 e-tron」「Q8 Sportback e-tron」に改名し2023年夏以降に発売

■航続距離を延長、エクステリアデザインも変更

2023年3月1日(水)、アウディ初の新世代バッテリーEVであるe-tron(イートロン)、e-tron Sportback(イートロン スポーツバック)がアップデート受けました。

車名には電動SUV、クロスオーバーシリーズの頂点に立つ「Q8」が付き、新型アウディQ8 e-tron、アウディQ8 Sportback e-tronとモデル名を一新。

車名だけでなく、一充電あたりの走行距離と急速充電性能を向上させるとともに、前後エクステリアデザインもリフレッシュされました。なお、発売開始は、同年夏以降の予定になっています。

改名されたAudi Q8 e-tron / Q8 Sportback e-tron
改名されたAudi Q8 e-tron / Q8 Sportback e-tron

改名前のアウディe-tron、e-tronスポーツバックは、世界全体で約16万台(2022年末時点)を販売したそう。

今回、車名も新たに発表されたSUVタイプのQ8 e-tronは「50」と「55」、Q8 スポーツバック e-tronは「55」が設定されています。

エクステリアデザインも刷新された
エクステリアデザインも刷新された

「50 e-tron quattro S line」は、総容量は95kWh(先代比+24kWh/正味エネルギー容量は89kWh)のバッテリーを搭載。

一充電走行距離は、WLTCモードで424km(先代比+89km)を達成。

一方の「55 e-tron quattro S line」は、総容量114kWh(先代比+19kWh/正味エネルギー容量106kWh)というより大きなバッテリーが搭載され、WLTCモードで501km (先代比+78km)まで延ばされています。

精悍な顔つきが目を惹く
精悍な顔つきが目を惹く

「50」「55」両仕様ともに、バッテリーの総容量に対して使用可能な正味エネルギー容量を増加させ、空力性能やモーターの効率をアップすることで、一充電あたりの走行距離が向上したそうです。

なお、「55 e-tron quattro S line」では、従来のバッテリー製造工程で生まれる電極材の隙間を、スタッキング方式と呼ばれる折り重ねるように配置する方法に変更することで、隙間を極力小さくしたそう。

バッテリーサイズやモジュール数を変更するのではなく、エネルギー密度の向上を可能としたことで、バッテリー容量を増加。また、セル内の化学物質の配合が変更され、エネルギー密度の向上を実現したとしています。

充電イメージ
充電イメージ

さらに、充電性能は、両モデル共通で150kWまでの急速充電に対応することで利便性を向上。

アウディ ジャパンがポルシェ ジャパン、フォルクスワーゲン ジャパンと事業展開している「Premium Charging Alliance(PCA)」サービスや、アウディe-tron店が設置を進めている150kW急速充電器を使用できることになります。

ひと目でアウディのバッテリーEVと分かるエクステリアデザインは、開口部の小さいシングルフレームグリルをブラックのマスクで囲む新しい顔つきが目を惹きます。新しいCI(コーポレートアイデンティティ)として、2次元デザインのアウディのフォーリングス、Bピラーにモデル名も配置されています。

Audi Q8 e-tron / Q8 Sportback e-tronのインテリア
Audi Q8 e-tron / Q8 Sportback e-tronのインテリア

また、ペットボトル由来のリサイクル原料などを使うダイナミカを素材とするシート、混合プラスチック廃棄物が革新的な工程で再利用されたシートベルトバックルカバーが採用されたことで、環境にも配慮されています。

シートベルトバックルカバーは、アウディが安全関連のコンポーネントに初採用するリサイクル素材。こうした素材を使うことで、コンポーネントに使用される資源の量を削減し、サステナビリティに寄与する狙いです。

電動化を推進するドイツ本社のAUDI AGは、電動化戦略「Vorsprung 2030」においてロードマップを策定しています。2026年以降に新たに発表される新型車はすべてBEVになり、2033年以降は全モデルの販売をBEVとする計画を発表しています(中国市場を除く)。

また、車両生産工場のカーボンニュートラル化が同時に推進されていて、2025年までにすべてのアウディ工場をカーボンニュートラルにすることも計画。

アウディQ8 e-tronが生産されるベルギーのブリュッセル工場では、すでに工場で使用される電力を2012年にグリーン電力へ切り替えていて、工場敷地内に地域最大級の太陽光発電システムを設置することで、持続可能なエネルギーが供給されています。

Audi Q8 e-tron / Q8 Sportback e-tronが新登場
Audi Q8 e-tron / Q8 Sportback e-tronが新登場

さらに、日本でもユーザーがEVを検討しやすい環境作りを進めるため、2023年は、全国のアウディe-tron店にすでに設置されている50基の50kW-90kW急速充電器を150kW急速充電器に置き換え、150kW急速充電器を全国合計で102基にすることで、急速充電ネットワークの拡充も図られることになります。

なお、新型の今年夏以降の発売に先駆け、2023年3月4日(土)より東京、大阪を起点として「Audi Q8 e-tron Roadshow」が開催されます。いち早くAudi Q8 e-tron/Sportback e-tronを見ることができます。なお、開催場所などは下記のサイトでチェックできます。

●価格
「Audi Q8 50 e-tron quattro S line」:1099万円
「Audi Q8 55 e-tron quattro S line」:1275万円
「Audi Q8 Sportback 55 e-tron quattro S line」:1317万円

(塚田 勝弘)

【関連リンク】

Audi Q8 e-tron Roadshow
https://www.audi.jp/e-tron/special/q8_e-tron_roadshow/

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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