メルセデス・ベンツBクラスがマイナーチェンジ。最新「MBUX」にアップデートし、タッチパッドを廃止

■スポーティで安定感のあるエクステリアに刷新

メルセデス・ベンツのAクラス・Bクラスは、同じプラットフォームを使うコンパクトモデルです。2023年2月27日(月)にマイナーチェンジを受け、同日発売されました。

Bクラスの初代は2006年1月に上陸し、2代目は2012年4月、現行型の3代目は2019年6月に日本デビューを果たしています。

新型メルセデス・ベンツBクラスのイメージ
新型メルセデス・ベンツBクラスのイメージ

現行型は、Aクラスと同様に対話型インフォテイメントシステムの「MBUX」を搭載し、先進安全装備を用意。さらに、Aクラスよりも全高が125mm高いこともあり、頭上まわりに余裕があり、ファミリーニーズにも対応するMPVのようなキャラが与えられています。

新型Bクラスのエクステリア
新型Bクラスのエクステリア

新型Bクラスも新型Aクラスと同様に、内外装のデザインがリフレッシュされ、最新世代の「MBUX」や「MBUX ARナビゲーション」「アダプティブハイビームアシスト」「アドバンスドサウンドシステム」などが標準化されています。

マイナーチェンジを受けたメルセデス・ベンツBクラス
マイナーチェンジを受けたメルセデス・ベンツBクラス

Bクラスのユーザーは、平均年齢58歳、男性が66%、女性が34%だそうで、平均年齢はAクラスセダンと同じ。

主な購入理由は、インテリアの広さや高い安全性、運転のしやすいボディサイズなどで、ライバルである輸入車、国産車からの買い替えもあるなど、Aクラス(ハッチバック)と同様に、新規ユーザーの獲得にも貢献しているとのこと。

エクステリアは、Aクラスと同様に、躍動感あふれるデザインが目を惹きます。中でも写真の「AMGライン」は、マットクローム仕上げの小さなスリーポインテッドスターが無数に配されたシングルルーバータイプの「スターパターンフロントグリル」になります(標準仕様はブラック仕上げ)。また、シャープな造形のヘッドライトを採用。

新型Bクラスのリヤビュー
新型Bクラスのリヤビュー

リヤまわりは、新デザインのリヤディフューザーにより、スポーティで安定感のある新デザインに刷新されています。さらに、2ピース構造のLEDリヤコンビネーションライトがワイド感を演出。リヤウインドウの両端には、空力性能を高めるスポイラーも備わっています。足元をスポーティに仕立てる新デザインのアルミホイールも見どころ。

新デザインのアルミホイールを用意
新デザインのアルミホイールを用意

標準仕様とAMGラインに、ブラックペイントが配されたアルミホイールを用意。標準仕様は、17インチの5ツインスポークアルミホイール、AMGラインは、18インチの5ツインスポークアルミホイールが装着されます。

●静電容量式センサーを備え、アダプティブクルーズコントロールの利便性が向上

インテリアでは、タッチパッドが廃止され、すっきりしたセンターコンソールになるとともに、「MBUX」が最新世代にアップデート。さらに、新世代のステアリングホイールが備わり、オプションの「AMGラインパッケージ」を選択すれば、3本のツインスポークによる未来的なムードになります。

マイナーチェンジを受けたBクラスのインパネ
マイナーチェンジを受けたBクラスのインパネ

タッチパッドが廃止されたことで、「MBUX」の音声操作の進化に加え、ナビやインストルメントクラスター内の各種設定や、安全運転支援システムの設定をステアリングで完結できるようになっています。

最新世代のステアリングホイールなどを装備
最新世代のステアリングホイールなどを装備

さらに、従来はタッチコントロールボタンへの接触や、ステアリングホイールにかかるトルクで判定されていた「ディスタンスアシスト・ディストロニック」使用時のハンズオフ検知機能のために、新たにリムに静電容量式センサーを備えたパッドを用意。これにより、軽くステアリングを握っていれば、アダプティブクルーズコントロールの作動が続きやすくなり、利便性の向上が図られています。

Bクラスのフロントシート
Bクラスのフロントシート

ほかにも、助手席前に新デザイン(スターパターン)のインテリアトリムが施され、スタイリッシュなインテリアデザインになっています。さらに、オプションの「AMGレザーエクスクルーシブパッケージ」を選択すれば、シートの素材として設定がなかった本革ブラックにすることができます。

機能面でのトピックスは、Aクラスと同様に、Cセグメント初の拡張現実の「MBUX AR」ナビゲーションの採用。新型では、従来型の案内に加えて、車両前面に広がる現実の景色がナビ画面の一部に映し出され、進行方向が矢印で表示されます。

Bクラスのリヤシート。ブラックの本革もオプションで選択できる
Bクラスのリヤシート。ブラックの本革もオプションで選択できる

安全装備では、ハイビームとロービームを切り替え、ヘッドライトの照射範囲を自動で調整し、シーンを問わず最大限の視界を確保できる「アダプティブハイビームアシスト」が標準装備されています。そのほか、音響装備も合計10スピーカー、225W出力の「アドバンストサウンドシステム」も標準化され、臨場感あふれるサウンドを楽しめます。

搭載されるパワーユニットは、Aクラスと同様に、1.4L直噴ガソリンターボ、2.0L直噴ディーゼルターボ。前者は幅と重量を小さくすることが可能になり、軽量化、省スペース化に寄与するそう。後者は、ターボに可変タービンジオメトリーが採用され、低回転域から高回転域まで、全域でトルクフルな加速を可能にするとしています。

写真は2.0L直噴ディーゼルターボ
写真は2.0L直噴ディーゼルターボ

そのほか、マルチパーパスカメラとレーダーセンサーにより、周囲の状況を正確に把握できる先進安全装備を用意。「インテリジェントドライブ」として、ACCである「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」、衝突回避も行う「アクティブブレーキアシスト」、標識を読み取り表示する「トラフィックサインアシスト」、車線維持機能の「アクティブレーンキーピングアシスト」、ドアを開ける際に後方からの接近車両も知らせる「ブラインド・スポットアシスト(降車時警告機能付)」、ペダル踏み間違い防止に寄与する「ドライブアウェイアシスト」「アクティブパーキングアシスト」が用意されています。

●価格
「B 180」:537万円
「B 200 d」:573万円

(文:塚田 勝弘/写真:塚田勝弘、メルセデス・ベンツ)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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