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■トヨタの先進技術を結集してハイソカーの火付け役に
1981(昭和56)年2月27日、トヨタから「ソアラ」がデビューしました。
トヨタを代表するイメージリーダーとして、欧州車にも負けない高級スペシャリティカーを目指して開発されたソアラ。1980年代のスポーティな高級セダン“ハイソカーブーム”の火付け役となった、時代を象徴するクルマです。
●先端技術を結集した高級スペシャリティカー誕生
日本がバブル景気に向かっていた1981年、トヨタから高級スペシャリティカーのソアラ(Z10系)がデビューしました。
クリーンノッチバックと呼ばれたシャープなエッジを持った上品かつスポーティなフォルムと、多彩なエレクトリック技術を採用した豪華なインテリアが大きな注目を集めました。
具体的には、デジタルスピードメーターやバーグラフのタコメーター、マイコン式オートエアコン、エア式のランバーサポート、メモリ機能付きリクライニングシート、ブロンズガラスなどです。
エンジンは、新開発の国内最高出力170PSを誇る2.8L直6 DOHCと 2.0L直6 SOHCエンジンを搭載。足回りも、コイルスプリングを用いた4輪独立懸架、4輪ディスクブレーキなどが採用され、優れた走りと上質な乗り心地が実現されました。
もっとも高価な2800GTの4ATで275万円(東京地区)と、当時の国産車としては高価格で、ターゲットは40歳代以上のハイステータス層でしたが、高級車ながらスポーティなイメージが強調されたソアラは多くの若者にも支持され、特にスーパーホワイトと呼ばれた白いソアラは大人気となり、一大旋風を巻き起こしたのです。
●バブル景気の勢いでハイソカーブームをけん引した2代目
ハイソカーブームの火付け役となったのは初代のソアラですが、バブル景気の勢いに乗ってハイソカーブームをけん引したのは、2代目(Z20系)ソアラです。
2代目は、初代のキープコンセプトながら、より洗練されたスタイリングを採用。パッと見の印象は大きく変わりませんでしたが、初代にも増して最新技術を積極的に投入していることが特徴でした。
新技術は、カラー液晶パネル、4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンション、豪華なスウェード調のグランベールインテリアなど、多岐にわたります。
エンジンは、当時最強の3.0L直6 DOHCインタークーラー付ターボ、および2.0L直6 DOHCツインターボエンジンを搭載して、圧倒的な走りを発揮しました。
初代に続いて先進技術満載の2代目ソアラは、バブル期と重なったこともあり販売台数は初代を超え、400万円を超える最上級モデルが飛ぶように売れたのです。
●名車ソアラもバブル崩壊とともに幕を下ろす
大ヒットした初代と2代目に続いた3代目(Z30系)ソアラは、1991年に登場し、北米市場を狙ったV8エンジンを搭載した上級の3ナンバークーペとなりましたが、日本ではバブル崩壊とともに販売は一気に右肩下がりになりました。
さらに、2001年に登場した4代目(Z40系)ソアラは、電動格納式メタルトップのコンパーチブルモデルとして登場。
先代同様、海外では「レクサスSC」として販売されましたが、2005年に日本でレクサスブランドがスタートしたことを受け、歴史の1ページを飾ったソアラの歴史に終止符が打たれました。
ソアラは、スタイリッシュなデザインと優れた走行性能、さらには先進的なデジタル装備と、まさに次世代のクルマのあり方を象徴するようなクルマでした。個人的見解ではありますが、あんなに白いボディが似合うクルマは、今でもお目にかかりませんね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)