■日本人社員と外国籍社員とのコミュニケーションでの気づきを発見するコンテンツ作り
ヤマハ発動機の広報グループが発信している「ニュースレター」は、同社グループの多様な活動がレポートされています。
今回のテーマは、グローバル企業としての外国籍社員とのコミュニケーションと、新企画である「YAMAHAで働くワタシタチ」というコンテンツ。
ヤマハ発動機には、世界中から優秀な人材を求めるグローバル採用の制度があります。直近10年間では、毎年平均15人前後の外国籍社員(一部、海外の大学を卒業した日本人を含む)が入社。国や地域もさまざまで、20ヵ国以上から入社している実績があります。
グローバルな人材活用は、同社が掲げている中期経営計画のテーマのひとつ「ダイバーシティ&インクルージョン」の一環でもあります。
2020年秋入社で、タイ出身のタンヴィタヤー・タッサポンさんは、「私の同期だけでも10人以上います。スペイン、インド、トルコ、ベトナムなど、様々な国から入社しました。グローバル採用の外国籍社員は年々増えていて、社内の各部門で活躍しています」と、現在の外国籍社員の事情を説明しています。
同僚の土井春奈さんは、「私たちもそうですが、どの部署でも外国籍社員の皆さんと共に働く機会が増えています。より良い職場環境を築くためには、互いの文化を理解し合うことが大切。そのきっかけとなるプラットフォームをつくりたいと考えました」と、コミュニケーションの重要性を肌で感じていたそうです。
ヤマハ発動機のイントラネットでスタートした新企画「YAMAHAで働くワタシタチ」は、タンヴィタヤーさんと土井さんが協力して企画、運営する人気のコンテンツ。各職場で活躍する外国籍社員にインタビューをし、日々の仕事や週末の過ごし方、日本でのユニークなエピソードや母国の文化などについて紹介されています。
タンヴィタヤーさんは、「外国籍社員の多くは、それぞれ仕事にやりがいを持ち、さらに、日本での暮らしを楽しんでいます。一方で、文化の違いから少なからず違和感を覚えたりしています」と、同コンテンツを制作したきっかけについて振り返っています。
体験したことや感じたことを忌憚なく話してもらい、相互の理解につなげていこう、というのが「YAMAHAで働くワタシタチ」の目的のひとつ。土井さんも登場した社員から声をかけられることが増え、インタビューに出た社員からは、出て良かったというポジティブな感想を聞くことが多く、手応えを得ているとのことです。
また、「YAMAHAで働くワタシタチ」は、一緒に働く日本人社員たちにも新たな気づきを与えています。
たとえば、「日本人はTOEICのスコアは高いが、英語の能力は得点ではない。実際に使えるかどうかが重要」と指摘したのは、1回目のゲスト、ネパール出身のギミレ・マニスさん。
「ですから私は、職場でイングリッシュカフェを開いて、みんなが英語でコミュニケーションができるようサポートしています」と、同企画から発展した活動についても説明しています。
先述のタンヴィタヤーさんは、「グローバルという言葉の定義は、人それぞれ異なります。この企画を発案した背景には、そもそもグローバルって何だろう?というのを、社員の皆さんに改めて考えてほしい、という願いがありました。企画を通じて外国籍社員のことをもっと知り、社内コミュニケーションのきっかけにしてもらえたらうれしいです」と、やりがいを感じているそうです。
(塚田 勝弘)