■LSはソフトウェアのアップデートで走行性能を向上させ、ハイレスポンスかつパワフルな走りを実現
従来の自動車メーカーは、整備などを担う販売店のビジネスとは異なり、サービスキャンペーンやリコールなどの対応などを除き、「売って終わり」といわれていました。
テスラが無線通信のOTA(Over The Air)などを活用し、ソフトウェアをアップデートさせることで既存ユーザーの所有満足度を高める施策などにより、従来型のビジネスから転換点を迎えているのは間違いないでしょう。
日本勢で先行するのはトヨタとKINTOで、ソフトウェアのアップデートを含めて既存モデルを進化させるサービス、「KINTO FACTORY」を展開しています。
2023年2月14日(火)、同サービスの立ち上げから2年目に入ったのを機に、トヨタとKINTOは「トヨタアップグレードセレクション」にトヨタ・ハリアーを追加。さらに「レクサスアップグレードセレクション」に、最上級セダンであるレクサスLSを追加し、レクサスUXのアイテムも拡充させました。
ハリアーでは、ユーザーニーズに応えるべく、ブラインドスポットモニターやパワーバックドア用のハンズフリー機能(リヤバンパー下でキック動作をすることで、電動テールゲートが自動で開閉する)が後付けできるようになりました。
一方のLSは「レクサスアップグレードセレクション」として初めて、ソフトウェアの更新を通じて、アクセル操作時のレスポンスと加速フィーリングを高める「POWERTRAIN SOFTWARE UPGRADE」を用意。
LSのハイブリッド仕様では、街中などの使用頻度が多い走行域でのバッテリーアシスト量が増加し、余裕のある加速を実現するそう。同時に、発進時のエンジン最高回転数を低めに設定することにより、静粛性の向上も図ることができます。
ガソリン車でも同じく、使用頻度が多い走行領域でのエンジントルクの立ち上がりを高め、加速時のレスポンスを向上。さらに、シフトスケジュールが変更され、各ギヤ段で加速できる領域を拡げることで、加速時のシフトダウン頻度を低減し、余裕のある力強い走りに貢献するそうです。
また、UXでは、年次改良で追加してきた3つのハードウェアのアイテムが、改良前のモデルに後付けできるようになっています。
こうした装備の追加や性能向上は、一部改良やマイナーチェンジなどにクルマを買い替えることでしか享受できませんでしたが、ソフトウェアのアップデートも含めた付加価値の向上により、ユーザーの満足度が高まるはずです。また、ディーラーにとっても「入庫」の機会増加になるメリットもありそうです。
●ハリアー「トヨタアップグレードセレクション」
ブラインドスポットモニターの後付け:9万9000円
対象グレード:G“Leather Package”、G、S
パワーバックドア用のハンズフリー機能の後付け(挟み込み防止機能・停止位置メモリー機能付):3万3000円
対象グレード:G“Leather Package”、G
初年度登録:いずれのサービスも2020年6月~2022年10月。
施行対応エリア(販売開始時期):両サービスともに大阪、愛知、福岡、千葉、静岡(いずれも2023年2月14日より)、東京(2023年春以降)
●レクサスLS「レクサスアップグレードセレクション」
POWERTRAIN SOFTWARE UPGRADE:13万2000円~
対象グレード:全グレード
初年度登録:LS500/2017年12月~2020年9月、LS500h/2017年10月~2019年8月
施行対応エリア(販売開始時期):大阪、福岡(いずれも2023年2月14日より)、東京(2023年春以降)
●レクサスUX「レクサスアップグレードセレクション」
F SPORT専用のオレンジキャリパーの後付け:11万9900円
対象グレード:F SPORT、F SPORT Style Blue、F SPORT Emotional Explorer
初年度登録:2018年11月~
充電用USBをType-AからType-Cへ変更:9,900円
対象グレード:全グレード
初年度登録:2018年11月~2020年10月
F SPORT専用のアルミフットレストの後付け:1万9800円
対象グレード:F SPORT、F SPORT Style Blue
初年度登録:2018年11月~2022年6月
※レクサスUXの施行対応エリア(販売開始時期)は、上記3アイテムいずれも大阪、福岡(いずれも2023年2月14日より)、東京(2023年春以降)
(塚田 勝弘)