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■ディオ110・ベーシックは3万5200円安い価格設定
ホンダは、スタイリッシュな外観と扱いやすい特性が人気の原付二種スクーター「ディオ110(Dio110)」に、カラーリング設定を変更し最新の排気ガス規制にも適合させた2023年モデルを発表しました。
エンジン始動時などに便利な「Honda SMART Keyシステム」を未設定にするなどで、リーズナブルな価格を実現した新タイプ「ディオ110・ベーシック」も追加。いずれも2023年3月16日に発売されます。
●スクーター・ブームをけん引したロングセラー
ディオ110は、初代モデルが2011年に登場した原付二種スクーターです。昔からのバイク好きならご存じの通り、元祖は1988年に登場した原付一種の50ccモデル「ディオ(Dio)」。
1980年代後半から1990年代に一世を風靡し、当時の原付スクーター・ブームをけん引した立役者ともいえるモデルです。
なかでも、排気量49ccの空冷2スト単気筒エンジンを搭載したモデル群は、スポーティなスタイルと実用性が高いシート下のメットイン・スペースなどにより、当時の若者を中心に大ヒットを記録(2001年以降は4ストエンジンに変更)。
現在、50cc版はラインアップから外れていますが、1990年登場のスーパーディオ(2代目)や1994年発売のライブ・ディオ(3代目)など、さまざまな名車を生んだホンダを代表するブランドのひとつだといえるでしょう。
●軽快な走りを生む空冷109cc単気筒エンジン
そんな名車のネーミングを受け継ぐのがディオ110。現行モデルの3代目は2021年に登場。
スタイリングは、ダイナミックなボディーラインでアクティブさを表現しつつ、マフラーカバーやフロアステップなどに幾何学模様を施すことで、上質感も演出しています。
エンジンには、軽快な走りと燃費性能を両立した排気量109ccの空冷4ストローク単気筒「eSP」を搭載。最高出力8.7psを発揮するこのエンジンは、圧縮比を高めたコンパクトな燃焼室の採用で、燃焼効率と低中速域の出力を向上し、軽快な走りを実現します。
また、高剛性と軽量化を追求した独自の「eSAF」フレームや、前後14インチの大径ホイールの採用などによる、安定性と快適性を両立した走りも魅力。
ほかにも、低燃費走行をサポートするECOインジケーターを装備する多機能メーター、容量約18Lのシート下収納スペースなど、通勤・通学や普段の買い物など、さまざまなシーンで使い勝手がよく、実用性の高い装備を誇ります。
●ディオ110とディオ110・ベーシックの違いは?
そんなディオ110の2023年モデルでは、ボディカラーに高級感を演出する「マットディムグレーメタリック」を新設定し、全1色で展開します。
また、リーズナブルな価格を実現した新タイプのディオ110・ベーシックも新しく追加。都会的な印象の「パールジュピターグレー」、上質感を感じさせる「パールジャスミンホワイト」、精悍な印象の「マットギャラクシーブラックメタリック」といった、全3色のボディカラーで展開されます。
ディオ110とディオ110・ベーシックの大きな違いは、Honda SMART Keyシステムの有無。これは、スマートキーをポケットやカバンなどに携帯していれば、キーを取り出さなくてもエンジン始動やハンドルロックの施錠・解錠ができる機能のこと。従来からディオ110には設定されている便利なシステムのひとつです。
一方、新タイプのディオ110・ベーシックではこのシステムを未設定とし、代わりにシャッター付きキーシリンダーを採用。スマートキーと違い、エンジンのオンオフなどではキーをシリンダーに差し込む必要がありますが、駐車中は鍵穴を保護するシャッターを閉じることができ、盗難抑止の効果を生みます。
また、キーシリンダーには、シートオープナーやハンドルロック機構なども集約されていますから、さまざまな操作が簡単にできるようになっています。
こうした装備の違いにより、価格(税込)は、ディオ110が25万3000円なのに対し、ディオ110・ベーシックは21万7800円で、3万5200円安い設定となっています。
ほかにも、両タイプは、最新の平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合させることで環境にも配慮。燃費性能も、従来モデルのWMTCモード値54.9km/Lから、WMTCモード値55.6km/Lに若干アップされています。
(文:平塚直樹)