■ポルシェ史上、最大級のアップデートを受けるカイエン
2023年春にワールドプレミアされる予定の、新型ポルシェ・カイエン。ポルシェAGはテストの様子を明らかにしました。
なお、今回の改良は、タイミング的にも写真からもビッグマイナーチェンジになると思われます。
ポルシェは高い品質基準を満たすべく、プロトタイプとプリプロダクションを使った厳しい耐久試験を行っています。
2017年に現行モデルである3代目がデビューして以来、パワートレインやシャーシ、デザイン、装備やコネクティビティなどをアップデートしてきました。
ビッグマイナーチェンジを受ける新型カイエンは、ポルシェ史上でも最大級のアップデートを受けるそうで、カイエンにおける駆動方式の再構築に加えて、シャーシシステムにも大幅な見直しを受けたそう。
ポルシェならではのオンロード性能をはじめ、ロングドライブ時の快適性、オフロード性能をさらに高めることを目指し、カイエンには新しいセミアクティブシャーシも採用されます。
さらに、新しいディスプレイと操作コンセプトも備わるほか、HDマトリックスLEDヘッドライトの革新的な照明技術により、快適性と安全性の両方を向上させるそうです。
また、新型カイエンに採用される多くの新技術の大半が新開発になるそう。精度が高まっているバーチャルシミュレーションと並んで、実際のテストもポルシェにとって依然として高い優先度になっています。こうしたテストが、新型車の発売準備が完了したか否かを判断する基準になるとしています。
完全車両試験と呼ばれるテストでは、ユーザーが体験する状況をはるかに超えた状況で、すべてのコンポーネントとシステムが相互作用する際の動作の安定性、機能性を確保することを目的として掲げています。
耐久試験では、ユーザーが実際に体験することはほとんどないような厳しい条件下で、車両のライフサイクルをシミュレート。日常の条件下のもとに、市街地や郊外、高速道路を、数ヵ月にわたって20万kmをはるかに超える走行をしているそうです。
また、プロトタイプは、さまざまな気候帯で品質と耐久性をテストすることを目的として世界中を旅し、極限状態をシミュレート。新型カイエンのテストは、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、北米で行われ、合計で400万km以上を走破したそうです。
カイエンのプロトタイプの組立およびテストチームを率いるディルク・レルシュは、「スペインでの過酷なオフロードテスト、モロッコの過酷な砂丘、フィンランドのアイスバーンやニュルブルクリンクのノルドシュライフェでのダイナミックな走行など、新しいカイエンに求められるものは、多くのユーザーが体験することとは異なるかもしれません。しかし、ポルシェを購入される顧客には、走行する路面に関係なく、非常に高い負荷に耐えることができたということをお伝えしたいです」と、新型カイエンの手応えを語っています。
(塚田 勝弘)