開発者に聞く!SUBARU新型「インプレッサ」と、完売必至の限定車「レヴォーグSTI Sport♯」のすべて【東京オートサロン2023】

■話題席巻! カスタマイズド新型インプレッサがセンセーショナルなデビュー!

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STIパーツ満載で華々しくアンベールされた

東京オートサロン2023のSUBARU×STIブースにおいて、もっとも観衆の注目を集めていたのは新型インプレッサでした。

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歴代インプレッサにも用意されていたSTIパフォーマンスマフラー

ブースのセンターに展示された鮮やかなオレンジのボディカラーをまとった新型インプレッサは、1月13日(金)が日本での初お披露目。東京オートサロンらしく、全身にSTIのカスタムパーツ(開発中)が装着されていました。ボディパーツだけでなく、リヤには歴代インプレッサでおなじみのセンター出しデュアルマフラーも装着されていました。

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17インチ✕7Jホイールも参考出品

刷新されたベースボディのディテールを目視できるのに加え、納車後の発展性をもイメージでき、新型インプレッサをお目当てにしていた皆さんにとって、一粒で二度も美味しい展示になっていました。

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STIサイドアンダースポイラー等ボディパーツはすべて参考出品

展示車両の写真をカメラにおさめるのはもちろんのこと、着座した感触を確かめたり、ドアの開閉音を確認したりと、車両をくまなくチェックするギャラリーの姿からは、クルマの出来に対しての厳しい目線も感じます。それだけ、新型を本当に待ち焦がれていた方々の熱意が伝わってきます。

●SUBARUの屋台骨を支える、真剣勝負の6代目

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一見キープコンセプトに見えるが、知るほどに味わい深いスタイリング

このたび6代目へとフルモデルチェンジされるインプレッサは、歴代にわたり世界中で愛されているSUBARUにとって、とても大事な基幹車種です。

ラリーを代表とするモータースポーツでの輝かしい実績とリンクしたドライバーズコンパクト、というイメージづくりからスタートした初代インプレッサ。その系譜は、30年という時間を経て時代の潮流に合わせ変化を遂げてきました。

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直噴+モーターのe-BOXERを継承

その間、エンジン型式や排気量展開、AWD形式、ボディタイプのバリエーションやユーティリティは、世代によってその姿を変えてきました。

また、アイサイトに代表される支援デバイスの進化に伴い、安全性も飛躍的に向上していきました。

しかし、長き歴史を通して、一貫して変わらぬぶれない軸があります。

それが水平対向エンジンを核としたシンメトリカルなディメンションです。

そして、それらがもたらす最大の魅力が「運転する愉しさ」です。新型インプレッサは、あらためてそこにフォーカスし、全性能が磨かれているといいます。

●新型クロストレックとの絶妙な棲み分けを実現

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ひと足早く発表された兄弟車、新型クロストレック

2022年秋には、兄弟車である新型クロストレックが発表されたばかり。骨格や基本デザインを新型インプレッサと共用しながら、まったく異なるキャラクターへと仕立てられていることがわかります。

似て非なる部分について、両車の開発を手掛けたSUBARU商品企画本部の毛塚紹一郞PGM(プロジェクトゼネラルマネージャー)にうかがってみました。

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LAショーに続き、二度目のお披露目を行ったSUBARU商品企画本部 毛塚紹一郞さん

「クロスオーバーSUVというカテゴリーに属する新型クロストレックは、悪路でも頼もしい走破性と、それを補完するタフで頼もしいエクステリアに仕上げています。

新型インプレッサはご覧のとおり、ベーシックな5ドアハッチバックスタイルを踏襲しています。加飾が少ないぶん、日常の中に溶け込みやすいデザインとしています」。

クロストレックほど活動的なイメージは必要ないけれども、日常を過ごす相棒としてスポーティさは外せない。新型インプレッサはそんなオーナーを想定しているとのことです。

●ボディサイズを変えることなく精悍な塊感を表現

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ヘッドランプとグリルを結ぶ彫刻的ラインも毛塚PGMのこだわり

フロントでは、薄くシャープな造形のフルLEDヘッドランプ。そしてルーフ後端をなだらかに下げ、かつリヤコンビランプ周辺を大胆に絞り込んでいる振り切ったデザインに、スポーティさを訴求する要素が存分に表現されています。凡庸な買い物グルマには決して見えない、新世代SUBARUらしいエッジの効いたデザインです。

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実用を犠牲にすることなくエモーションを盛り込んだ

シャープなフロントから塊感あるリヤへと続くみなぎる躍動感は、クロストレック比で65mm低くなった全高により、さらに強調されています。

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絞り込まれたボディが、テールのコの字を強調

ちなみにスタイリングを優先したにもかかわらず、ラゲッジ容量は犠牲にはなっておらず、先代モデル同様の積載性が確保されているとのことです。

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数値だけでなく、リアルワールドでの使いやすさを考慮

会場で目を惹いていたオレンジのボディカラーは「サンブレイズ・パール」という新色。元気をもらえるビタミン系のカラーでありながら、実車は落ち着きのある雰囲気で、世代を問わずカーライフを彩ってくれそうです。

先行して発表された北米仕様では7色のボディカラーが発表されていましたが、そのなかにはサンブレイズ・パールはありませんでした。もしかしたら、日本のオーナーだけに与えられる専用色かもしれませんね。

●目的地まで「ワクワク」が続く乗り味。高いボディ剛性と澄んだ操舵感

ボディ剛性については、第二世代というべきSGP(スバルグローバルプラットフォーム)が採用されています。そのキーワードは「接着剤」です。

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ルーフ部材の工夫で乗員にとって不快となる要素を取り除く

ボディ骨格を一体化して構築するフルインナーフレーム構造ですが、新型インプレッサでは構造用接着剤の適用を拡大。さらに、ルーフパネルとブレースのあいだに高減衰マスチックと呼ばれる弾性接着剤が流し込まれています。

これは実際、毛塚PGMが実演したくれたのですが、ルーフパネルを指先でコンコンと叩くとすっきり澄んだ打響音が響いていました。実際にセンサーで計測すると、その接着剤の有無は走行時の振動低減に大きく寄与するそうです。

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ステアリングを切ったぶんだけ素直に曲がる
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モーターアシストを駆動軸と分離した(写真は新型クロストレック)

そして、操舵系の刷新も澄んだ走りの実現に一役買っています。レヴォーグで定評のある2ピニオン電動ステアリング機構を上位互換。モーターによるアシスト部を操作軸と別体することで、フリクションに邪魔されない、すっきりとした意のままに操れるステアリングフィールを実現したそうです。

11.6インチセンターインフォメーションディスプレイを核に据えるインテリアは、コネクテッドサービスも完備。

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視野角が劇的に拡大したアイサイト。レンズにもフードを装備

ステレオカメラも画角を拡大し、広角単眼カメラを加え3眼となりアイサイト史上最高の安全性能を提供しています。

●産学協同による、人体を研究した未知なるホールド性への挑戦

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群馬における産学共同研究の成果がこのシート

シートはもともと、人間工学に基づき設計される主たるパーツですが、新型インプレッサはその思考を一層、深めています。群馬大学医学部と共同研究した、仙骨(脊椎の末端部)を押さえて骨盤を支えるという、医学的見地のアプローチが構造に反映されています。

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仙骨(赤い部分)を押さえるというという新発想で、骨盤をサポートする

ロールや路面のうねりで身体が大きく揺さぶられたときでも、頭部に嫌な揺れを伝えないという魔法のようなシート。早く試してみたいです。またマテリアルにはレッドの差し色がさりげなく織り込まれています。

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モーターとの協調もよりリニアにアップデート

先代と比べボディサイズは大きく変わらず、2リッターハイブリッドのe-BOXERパワートレーンを継承することから、進化の幅を心配されているユーザーもいらっしゃると思いますが、新型インプレッサはその中身にこそ真価があるのです。

言うまでもありませんが、エンジンとモーターの協調制御やCVTのマネジメントは最新版にアップデートされています。

●春よ来い、新型インプレッサも早く来い!

同時期に開発を進められたことで、新型クロストレックと新型インプレッサ、それぞれの個性・魅力を再確認しながら、作り分けを進めることができたといいます。

なにより、毛塚さんというひとりのPGMが2車を俯瞰し組織を指揮できたからこそ、振り幅の大きな差別化が実現できたということでしょう。

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パワートレーンはe-BOXERのみの構成

なお、この新型GU型インプレッサには、先代GT型インプレッサでは5ドアを指す「スポーツ」というサブネームは付かないようです。車名もシンプルに「インプレッサ」となり、その意味でも原点回帰です。

毛塚さんによると、「スタッフ一丸となり全身全霊で開発の仕上げを行っており、春頃には皆さんの前に正式発表できるよう進めております」とのことです。

長らくのインプレッサファンの方も、この新型で初めて触れる方も、生まれ変わった新型インプレッサを体感できるまでもう少しの辛抱です。

●カリスマエンジニアが手塩に掛けた特別なレヴォーグ

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展示車両のカラーはオフショアブルー・メタリック(3万3000円高)

そしてもう1台、ファンをうならせる市販車の展示がありました。

それが、レヴォーグSTI Sport♯(スポーツシャープ)でした。1月13日(金)の東京オートサロン2023開幕と同時に正式発表された特別仕様車です。

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走り一徹のキャリアにファンも多いスバルテクニカインターナショナル 高津益夫さん

こちらの開発を指揮したのが、スバルテクニカインターナショナルの開発副本部長・高津益夫さんです。

高津さんといえば1983年からSUBARU(富士重工業)でキャリアをスタートさせた、サスペンション設計や運動性能に関するベテランカリスマエンジニアです。

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Sシリーズの有終の美を飾ったS209も高津さんが開発をまとめた

STIに籍を移してからは、先代VAG型WRX S4 STI Sport#を手掛けており「#」シリーズはこれで2作目になります。

操舵と車両応答性に関しての高津さんの高度な知見が存分に注入され、チューニングされているのが、レヴォーグSTI Sport♯なのです。

●「しなり」を活かす新テクノロジーは、技術集団STIならでは

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即完が予想されるレヴォーグ初のSTIコンプリートモデル

それは、わずか500台という限定台数でありながら、専用設計のアフターパーツがおごられていることが証明しています。

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エンジンには手を入れず、操舵の正確性と官能性を上げた

もっともトピックスなのが、「フレキシブルドロースティフナー」の思想をストラットタワーバーへと発展させた、「フレキシブルドロータワーバーフロント」の存在です。

本来なら強固に補剛するタワーバーの中央に、ピロボール機構を採用。これにより、横方向の剛性と路面からの突き上げをしなやかに吸収してくれます。

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中央のジョイント部に内蔵されたピロボールとスプリングがプリロードを掛ける仕組みだ

構造上、どうしても車体に発生するわずかな遊びが、ハンドリングに悪影響を及ぼすことを昔から見抜いてきた高津さんのノウハウ、ここに極まれり!という効果的なパーツなのです。

「フレキシブルドロースティフナー」も前後に装着しており、「レヴォーグSTI Sport♯は、微少舵角でもリニアに反応する操舵感を目指しました。ドライバーの思い通りに操舵が効かないと、微妙に切り足したり戻したりといった補正する操作が必要になります。それは同乗者にとっても、とても不快な動きとなってしまいます」。

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ツーリング性能における気持ちよさも徹底して磨いた

スポーツ性能の表現としてありがちな、ゲインを上げるという過敏なセッティングではなく、「遅れを最小にしていく」(高津さん)というリニアさを追求するという制御は、結果としてファミリーツアラーのキャラクターとも充分に両立する操安性を実現しているとのことです。

●細部にわたり、隙のないこだわりが発露したディテール

所有する満足感にアプローチするプレミアムな装備も多数インストールされているのが、レヴォーグSTI Sport♯です。

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専用マテリアルで仕立てられたRECAROシート。ルーフライニングもブラックとなる

WRX S4 STI Sport R/STI Sport R EX登場時に、新たにオプション設定されたRECAROシートに歯がゆい思いをしたレヴォーグオーナーもいらっしゃたことと思います。レヴォーグSTI Sport♯は、専用表皮のRECAROシートが標準装備となりました。リヤシートも同素材でコーディネートされています。

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ドアトリムやダッシュボードの一部にスエード調素材が配される

RECAROシート表皮のウルトラスエードに合わせて、ドアトリム等にもスエード調を採用。ピラートリムとルーフトリムをブラックで統一し、ステアリングホイールを含めてステッチ、シートベルトをシルバーの共色とすることで、大人っぽいスポーティな空間を演出。車名エンブレム、ドアミラー、シャークフィンアンテナ等もブラックでトータルコーディネートすることで、細部までぬかりなく、視覚と触感に訴求しています。

装備面では、“全部乗せ”というリッチさあふれる内容となっています(展示車両装着のLEDアクセサリーライナー、STIフロントアンダースポイラー、STIサイドアンダースポイラー、STIリヤサイドアンダースポイラー、STIリヤアンダースポイラー、STIルーフエンドスポイラー、STIセキュリティホイールナットはオプション)。

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特殊塗装のBBSに組み合わされるタイヤは最新のミシュラン・パイロットスポーツ5

STI製BBS鍛造19インチホイールは、光の当たり方で表情を変えるスーパーブラックハイラスター塗装が施され、妖艶な魅力を放っています。

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ブラックを多用し引き締め効果を狙う。グリル奥にはトランシミッションオイルクーラーを標準装備

出展車両のボディカラーは、レヴォーグ初採用となるオフショアブルー・メタリックです。そのほか、クリスタルブラックシリカ、セラミックホワイト、WRブルー・パールを合わせた全4色となります。基準車レヴォーグが7色展開ですから、レヴォーグSTI Sport♯のキャラクターに合わせた、絞り込んだカラー展開となっています。

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展示車両装着のボディパーツはすべてオプションだ

ジェントルなアピアランスの内実を、モータースポーツからフィードバックされた技術が支えるという、両輪の魅力で牽引されるSTIのコンプリートモデル。576万4000円という堂々たる車両価格のレヴォーグSTI Sport♯ですが、歴代のSTIモデル同様、瞬殺で完売となる伝説モデルになることでしょう。

(文:畑澤 清志/写真:畑澤 清志、SUBARU)

【関連リンク】

SUBARU 新型「インプレッサ」(日本仕様車・プロトタイプ)を初公開
https://www.subaru.co.jp/news/2023_01_13_170612/

SUBARUオフィシャルWebサイト 特別仕様車「レヴォーグSTI Sport♯」
https://www.subaru.jp/levorg/stisportsharp/

SUBARUオートサロン特設Webサイト
https://www.subaru.jp/tas/

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