ホンダが「カブ」「ダックス」「ズーマー」の電動2輪車を中国で発表。日本での発売はある?

■ホンダの名車がモチーフの電動2輪車

ホンダの中国現地法人・本田技研工業(中国)投資有限公司は、2023年1月10日(現地時間)に中国・上海で開催されたオンライン発表会で、新型の電動2輪車「Honda Cub e:(ホンダ・カブ・イー)」「Dax e:(ダックス・イー)」「ZOOMER e:(ズーマー・イー)」の3モデルを発表しました。

ホンダが中国で電動二輪車3モデルを発表
Dax e:

中国の電動2輪車区分でEB(Electric Bicycle)というジャンルに入るというこれら3モデルは、いずれも長年大きな支持を受けている、「スーパーカブ」や「ダックス」「ズーマー」といったホンダの名車をモチーフとしたスタイルを持つのが特徴。

ベースとなったモデルたちは、日本にも多くのファンがいるので、国内発売されれば人気がかなり出そうですが、果たして国内販売はあるのでしょうか?

●最高速度25km/h以下のコミューター

新しく発表された3モデルは「Electric Evolution, Colorful Future」をテーマに、ホンダが新しく展開する電動2輪車ブランド「Honda e:」に属するモデルたちです。

ホンダが中国で電動二輪車3モデルを発表
ZOOMER e:

いずれも、前述の通り、中国の電動2輪車区分ではEBというジャンルに入るといいます。ちなみに、中国でEBは最高速度が25km/h以下という規定がありますから、いわゆる低速で走るシティコミューター的モデルですね。

また、走行時は一般的なバイクのように、右ハンドルにあるアクセルをひねって走るフル電動タイプのようです。仮に日本でも発売されるとしたら、きっと原付バイク扱いになるでしょうね。当然、その場合は日本の法規に適合させる必要がありますけどね。

スタイルは、これも前述の通りガソリンエンジンを搭載した「スーパーカブ」や「ダックス」「ズーマー」がモチーフ。

ホンダが中国で電動二輪車3モデルを発表
ズーマー

ズーマーは残念ながら排気ガス規制の影響で生産終了となってしまいましたが、60年以上の歴史を誇るビジネスモデルのスーパーカブは、現在も50cc〜125ccまで豊富なラインアップを誇るほか、「CT125・ハンターカブ」や「クロスカブ110」などアウトドアにもマッチする派生モデルも人気。

ホンダが中国で電動二輪車3モデルを発表
スーパーカブC125

また、ダックスも1969年の初代モデル「ダックスホンダ」から続く人気車で、2022年に125cc単気筒エンジンを搭載した「ダックス125」として復活し、大きな話題となっています。

ホンダによれば、これら3モデルは中国国内のZ世代(ジェネレーションZ)の若いユーザーがターゲット。EBが「単なる移動手段ではなく、生活を共有し、自分を表現するための重要な乗り物となっている」ユーザー向けなのだそうです。

ホンダが中国で電動二輪車3モデルを発表
ダックス125

そして、これら3モデルは、スーパーカブやダックス、ズーマーといった従来から世界的に人気が高いバイクの特徴的なデザインをモチーフとした上で、先進的な機能・装備などを加えることにより、「新しい価値観を提供し、中国の若いユーザーへさらなる驚きと選択肢をもたらすことを狙い」としているそうです。

●日本での発売は「予定なし」

では、これら3モデルは日本での発売はあるのでしょうか?

ホンダが中国で電動二輪車3モデルを発表
Honda Cub e:

まず、ホンダによれば、これらEB3機種は、同社が2022年9月に発表した「二輪事業の取り組み」という事業目標の一環だといいます。より具体的には「2025年までに電動二輪車を合計10モデル以上、グローバルで投入する計画」の先駆けとなるモデルなのだそうです。

また、ホンダは、同じく事業目標として「中国・アジア・欧州・日本で、2022年から24年の間に、コミューターEM(最高時速26km/h以上〜50km/h以下の電動モペット)やEBの5モデルを投入する」ことを公表していますから、これらひょっとして3モデルの日本導入もありうるかも?

ところが、ホンダのプレスリリースでは、はっきりと「これら3モデルの日本での販売は予定していません」との記述が。

街中などで、手軽に乗れそうなので、日本での販売がないのはとても残念。ですが、仮に中国で大きな人気となりヒットすれば、開発コストなんかも下がりますから、日本でも販売しやすくはなりそうです。もちろん、その場合は、前述の通り、日本の法規に適合させる必要はありますが。

ともあれ、将来的な可能性に期待したいところです。

(文:平塚直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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