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■NSX R発表から30年の節目にサーキットレースデビュー
●4WD優勢のST-2クラスに一石を投じるFF最速マシン「シビック タイプR」
11月26日(土)、27日(日)に鈴鹿サーキットで開催された「ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook 第7戦 SUZUKA S耐」。
この最終戦鈴鹿に、なんと市販が始まったばかりのFL5型ホンダCIVIC TYPE Rが早くもスーパー耐久デビューとなっています。
決勝日である11月27日は1992年に初代TYPE RとされるNSX Rが発表された日で、ちょうど30周年の節目にもあたります。
予選タイムではAドライバー予選で2分17秒980というタイムを出し、ライバルが全て4WDというST-2クラスでFF車ながらなんとAドラ予選ST-2クラス最速。さすが市販車の鈴鹿ラップFF最速を謳うだけのことはあります。
参戦するチームはHonda R&D ChallengeとしてホンダR&Dの社内有志が集まったチーム。ドライバーは新型タイプRの開発責任者を担う柿沼秀樹さん、ホンダR&D社員の石垣博基さん、木立純一さんが務め、今回の最終戦鈴鹿ではDドライバーにSUPER GTでARTA NSX GT3をドライブし最終戦もてぎで優勝した武藤英紀選手も加わって、決勝レースでもかなりの速さを見せました。
そして5時間走り切った順位はなんとST-2クラスで2位表彰台!
シェイクダウン程度の走行しかしていない状態で鈴鹿入りしたにもかかわらずのこの成績はまさに驚愕と言えるでしょう。
●S耐マシンに装着されるエアロは市販の可能性も
スーパー耐久のST-2クラスからST-5クラスではエアロパーツに「公道走行が可能なこと」という条件が付きます。つまり、あまりに過激なサイズのエアロパーツは装着できません。
今回走ったHonda R&D Challenge FL5にはフロントスポイラーとリアウイングが市販車とは違うものが装着されています。それもMUGENのステッカーが貼ってあることからMUGENブランドで開発されているようです。
スーパー耐久の場で実践的にエアロパーツを開発した上でゆくゆくはスーパー耐久マシンと同じ形状、材質のエアロパーツが発売される可能性は非常に高いと思われます。
新型CIVIC TYPE Rを購入された方、これから購入しようという方はスーパー耐久仕様のエアロパーツも要チェックかもしれません。
(写真・文:松永 和浩)