バイクも「禁煙」? 2ストを整理して、電動キックボードの到着を待つ【バイクのコラム】

■いよいよ臭いが気になるようになってきた

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年間1000km強の利用だった2ストエンジンのスクーター、スズキ・アドレスV100

つい先日まで2スト(2サイクル)エンジンの原付二種スクーターを乗っていました。そのマシンとはスズキのアドレスV100(CE13A型)、かつては通勤快速の名を欲しいままにした2スト・スクーターの名車です。

じつは新車時から持っていたわけではなく、主に買い物用途としてメットインタイプのスクーターが欲しくなり、数年前に入手しました。2020年代には希少な2ストエンジンの鼓動を楽しめることに魅力を感じて、年間1000kmペースで乗っていたものです。

そんなこんなで2スト・キャブエンジンのスクーターの走行パフォーマンスには不満はなかったのですが、さすがに排ガスの煙や臭いが気になるといいますか、気が引けるように感じるようになってきました。

周りを走っているスクーターは4スト・インジェクションばかりで排ガスもクリーンならエンジンも静かですし、四輪車にいたってはハイブリッド主流となっています。その中で2ストエンジンは悪目立ちしてしまうという実感がありました。

●バイクも禁煙を意識する時代かもしれない

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買い物でも、ちょっと足を延ばしたくなるのが原付二種スクーターの魅力

エンジンが冷えている状態など、盛大に白煙を噴き出すこともありましたが、そうしたときに後ろを走っているクルマがスーッと距離を置くのをバックミラーで確認するたびに、申し訳ない気持ちになっていたというのもあります。

こういうことを言うと、2ストエンジンを愛するライダーの方からは怒られてしまうかもしれませんが、どこか2ストエンジンの白煙が路上喫煙と印象が重なってきたというのが個人的な印象です。喫煙したい人の権利は否定しませんが、自分としては禁煙派のマインドに近い部分があり、乗り続けることを躊躇するという気持ちが生まれてきました。

2ストエンジンを入手することが難しい時代になっていますから、手元で大事に保管しておくということも考えましたが、バイクでも禁煙を考えないといけない時代感覚を考えると、保管しておいても乗ることはなくなるでしょう。

過去にホンダのDJ-1Lという珍モデルを保管していたことがあるのですが、キャブ車は乗らなくなるとあっという間に傷んでしまい、いざ動かそうとすると結構な手間がかかることも経験しています。

というわけで、乗らないバイクは他の人に乗ってもらうが吉とばかりに中古ショップで処分してきたのでした。

●原付バイクは自然に増える?

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新しい移動体験を求めて、電動の小型モビリティを予約。ただいま納車待ち

ところで、バイク好きの間では「バイクは自己増殖する」という話をすることがあります。

四輪車であれば、買い替えることが多いでしょうが、バイク好きは置き場さえあれば増車してしまうという傾向を示した金言(?)です。

たしかに原付バイクというのは20~30万円で買えますし、一方で下取りに出してもせいぜい数万円です。四輪車の金銭感覚でいえば、増車することに何の疑問も持たないというわけです。

実際には、バイクが増殖していくと自賠責保険や税金の負担は増えていくのですが、四輪車の任意保険にファミリーバイク特約をつけておくと原付バイクの場合はランニングコストが増えて感じないという部分も、増車しやすいマインドを生んでいるのでしょう。

じつは2スト・スクーターを手放した筆者も、新しい電動モビリティの納車待ちです。それは電動キックボード的な小型モビリティで、ホンダからスピンアウトしたストリーモ社が開発している3輪のニューモデルを予約済みだったりするのです。

将来的には特定小型原動機付き自転車となってノーヘルで乗れることになる電動キックボードですが、現時点では原付バイクとしてナンバーをつけないと公道を走ることはできません。

結果的には、原付バイクを1台手放しても、台数的にはすぐに元に戻ってしまうわけで、バイクの自己増殖力には抗えないのかもしれません。

自動車コラムニスト・山本 晋也

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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