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■プラットフォームからエンジンまで一新した7代目
2006(平成18)年12月18日、ダイハツの「ミラ」が6回目のモデルチェンジを行い、7代目ミラがデビューしました。
ミラは、スズキの「アルト」に対抗して登場し、バブル期には国内通年最多販売台数を記録したダイハツを代表する軽自動車です。
●ダイハツ初の軽乗用車フェローの後を継いだミラ
ミラの先代にあたる「フェロー」は、ミゼットなどの商用車で実績のあったダイハツが1966年に初めて投入した軽乗用車です。日本初の角型ヘッドランプを装備した箱型ボディに、360ccの2気筒2ストロークエンジンを縦置きしたFR駆動で注目されます。
ところが、1967年に最高出力31PSを誇った「ホンダN360」が登場し、爆発的な人気を獲得。ダイハツは、対抗するため翌年1968年にフェローのスポーツモデルとして「フェローSS」を投入します。
フェローをベースに、圧縮比アップや冷却性能の向上などで最高出力を21PSから一気に32PSまで向上。N360を凌ぐフェローSSの走りは、当時は珍しかった本格的なスポーツモデルとして多くのユーザーを魅了しました。
●スズキのアルトに対抗して登場したミラ
ミラは、フェローの2代目「フェローMAX」の軽規格変更によって登場した「クオーレ」の商用車版「ミラ(当初はミラ・クオーレ)」として、1980年にデビューしました。
商用車として設定されたのは、1979年にスズキからデビューしたアルトに対抗するためでした。アルトは、軽ボンネットバンという新しいジャンルを開拓して大ヒットしていたのです。
軽ボンネットバンとは、乗用車ライクなスタイルながら物品税のかからない商用車とすることで、車両価格を安く設定できたのです。
その後、ミラとアルトは、それぞれダイハツとスズキを代表する永遠のライバルとして、軽自動車をけん引。ミラは、バブル期1991年には、軽自動車の国内通年最多販売台数28万6975台という大記録を達成しています。
●セダンながら広い室内空間をアピールした7代目
軽ボンネットバンで始まったミラですが、1993年にはスズキの背の高いハイトワゴン「ワゴンR」が大ヒット。ハイトワゴンが市場を席巻し、2000年以降はミラの販売は低迷します。
そのような逆風の中で登場した7代目ミラは、車高を少し上げたセミハイトワゴンに近いスタイルとし、さらにロングホイールベース化することで、セダンながら広い室内空間がアピールポイントでした。
エンジンは660cc直3 DOHCをベースに、カスタムにはインタークーラー付ターボエンジンを設定。トランスミッションは、5速MT、3速/4速AT、CVTと多彩、駆動方式はFFおよび4WDが用意されました。アイドルストップ機構が採用されるなどして、27.0km/Lという優れた燃費性能を達成しました。
とはいえ、ハイトワゴンブームの中では、ミラのようなセダンタイプの販売台数は限られていました。そのため、2011年に低燃費訴求モデルの「ミライース」の登場を受け、ミラはその座を引き渡して2018年に生産を終了しました。
ミラはダイハツ軽自動車の基礎を築いたクルマです。今はハイトワゴン全盛の時代ですが、ミラのような扱いやすく低燃費の軽乗用車は、エントリーモデルとしても今後も必要と思えるクルマですね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)