■アジアクロスカントリーラリーで日本ピックアップ勢が熾烈な戦い
コロナ禍により2年間開催できずにいたアジアクロスカントリーラリー。2022年もオミクロン株の流行で開催を危惧されていましたが、11月に延期されて、大会は無事スタートを切りました。
競技大会の拠点でもあるタイ国、その東北部ブリーラムから6日間の競技は11月21日に始まりました。チャーン・インターナショナルサーキットでのスーパーSSののちに、5レッグをこなして、最終的に隣国カンボジアの世界遺産「アンコールワット」がある地、シェムリアップにゴール(11月26日)となります。
エントリーは4輪が20チーム31台、2輪が16台、サイドカーが2台、そしてアドベンチャークラスの1台を加えて総勢50台、国籍も日本、カンボジア、韓国、マレーシア、タイ、台湾、ベトナムなど多岐と賑やかです。
●チーム三菱ラリーアートが参戦
東南アジアのタイの自動車市場では、とりわけピックアップトラックが大人気であることもあり、ラフロードを走破する競技車の勇姿は多くのクルマファンはもちろん誰もが憧れるものとなっています。それもあって今大会でも素晴らしさをアピールするべく参戦してくるメーカーワークスの戦いが一つの関心事となっています。
往年からアジア市場に強さを持っていた三菱のブランド「ラリーアート」を2021年に復活させた三菱は「チーム三菱ラリーアート」として、パリダカ制覇者でもある増岡浩さんを総監督に、トライトンを三台で乗り込んできました。
待ち受けるピックアップ勢は、このイベントで活躍を続けるいすゞ D-MAX勢やトヨタの人気車種、ハイラックスのレボ勢、さらにはフォード・ラプターや、トヨタ・ランドクルーザー勢など、迫力ある競技車も目白押しとなっています。
2輪ライダーで名を馳せるもアクシデントで障がい者となって現在車イスドライバーとしてル・マン24時間にも挑戦を続ける青木拓磨選手も、例年のようにこのイベントに参加しています。
と思えば、日本から参戦の横田正弘選手が、アジアのオフロード走行に、往年のサファリ・ラリーで偉大な優勝を遂げているフェアレディ240Zの趣を纏ったカラーリングで出場。アンコールワットの地までの1500kmほどに及ぶ悪路走破にかける並々ならぬ意欲は、そこここに点在しています。
競技は第1レッグから4輪のトップで ♯105 のチャヤポン・ヨーターが駆る三菱トライトンが抜けていきました。続く2、3番手は、いすゞ D-MAX、ハイラックス・レボ。これに青木拓磨のトヨタ・フォーチュナーが続くという展開。第2レッグで1番手を堅持していた三菱トライトンですが、いすゞの実力ドライバー、スワント・リムジラピーニャも速さを見せつけ始めてきた第3レッグ、上位陣争いは依然として3ワークス勢ですが、何があるか分からないラフロード。総合順位も熾烈になっています。そんな中、日本のベテラン塙郁夫選手や青木選手も3番手付近に食らいついている状況。長い最後のラフロード、カンボジア領域での結果が待たれます。
(写真:三菱自動車/アジアクロスカントリーラリー事務局)