トヨタ「RAV4」3代目がデビュー。大型化し本格的な世界戦略SUVへと進化【今日は何の日?11月14日】

■日本より米国を中心とした海外で大ヒットした3代目

2005(平成17)年11月14日、トヨタの「RAV4」が2回目のモデルチェンジを行い、3代目RV4がデビュー。初代RAV4は1994年に登場、都会派のクロスオーバーSUVのパイオニアとして大ヒット。2代目ではボディサイズが3ナンバーに大型化、3代目ではさらに大きくなり世界戦略SUVへと変貌しました。

2005年に登場した3代目RAV4。日本では売れなかったが、海外では大ヒット
2005年に登場した3代目RAV4。日本では売れなかったが、海外では大ヒット


●クロスオーバーSUVのパイオニアとして大ヒットした初代RAV4

トヨタのクロスオーバーSUV「RAV4」がデビューしたのは、1994年のこと。1990年代前半は、三菱「パジェロ」やトヨタ「ランクル」に代表される本格4WDを備えたクロカンRVブームが市場を席巻していました。そのような中、乗用車をベースにした初代RAV4のデビューは、センセーショナルでした。

1994年デビューした初代RAV4、乗用車ベースの都会的なクロスオーバーSUVのパイオニアとして大ヒット
1994年デビューした初代RAV4、乗用車ベースの都会的なクロスオーバーSUVのパイオニアとして大ヒット

車高を上げたコンパクトなボディにオフロードでも街中でもフィットするアクティブなフォルムと立体的で開放感のある室内空間を実現。パワートレインは、135PSを発揮する2L DOHCエンジンと5速MTおよび4速ATの組み合わせ、駆動方式はもちろんフルタイム4WDです。

新しいジャンルを開拓したRAV4は、アクティブな若者を中心に人気が沸騰、大ヒットを記録。その後、2代目は海外市場からの要望に応えて3ナンバーボディに大型化し、海外でも人気モデルとなりました。

●さらに大型化して世界戦略SUVへと進化

そして3代目は、新しいプラットフォームを採用し、さらに大型化。その背景には、人気のRAV4も2000年を迎える頃には国内での人気に陰りが見え、一方で海外、特に米国では人気となったためにさらに海外を重視したクルマづくりが必要だったのです。

3代目RAV4の後ろ外観、初代に比べると大型化、海外向けにはロングも設定
3代目RAV4の後ろ外観、初代に比べると大型化、海外向けにはロングも設定

スタイリングも、海外で好まれる曲線を多用したダイナミックなフォルムに変貌。パワートレインは、VVT-i(連続可変バルブ機構)付2.4L直4 DOHCエンジンとCVTの組み合わせのみで、駆動方式は4WDとFFが用意されました。

注目されたのは、“アクティブトルクコントロール4WD”でした。“S-VSC(ステアリング協調車両安全制御)”とともに、“EPS(電動パワステ)”と“VSC&ABS(ブレーキ統合制御)”、“TRC(駆動力制御)”、前後輪トルク配分を行う“電子制御カップリング”をそれぞれ協調制御しながら、安定かつ安全な走行を実現させたのです。

コンパクトなSUVから、堂々たるボディの“世界戦略SUV”へと進化した3代目RAV4。国内では、人気が得られませんでしたが、米国や中国など海外では大ヒットしました。

●4代目は国内未投入も、5代目はSUVブームが追い風となり国内投入

2019年に登場した5代目RAV4。国内でも堅調な販売を継続中
2019年に登場した5代目RAV4。国内でも堅調な販売を継続中

ボディの大型化で国内の販売が落ち込む中、ついに4代目(2013年~)は国内への投入が見送られました。ところが、日本で販売されなかった4代目は、海外では大ヒット。これにより、大型化したクロスオーバーSUVの国内の需要があるとの判断から、5代目で再び2019年から国内での販売を始めました。

アクティブ感が増した大型SUVとして国内復帰を果たした5代目RAV4は、ハイブリッドとPHVを加えて、さらに4WD技術に磨きをかけて、現在堅調な販売を続けています。


かつては、海外向けに大型化したために日本市場から撤退したモデルが多くありました。ところが、最近は日本でも大型のグローバルモデルが受容されるようになっています。5代目RAV4が人気を獲得しているのは、SUVブームの追い風もありますが、日本市場の変化も大きいのではないでしょうか。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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