目次
■Q1からコースレコード!
11月5日(土)、6日(日)に栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催の2022 AUTOBACS SUPER GT 第8戦(最終戦)「MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL」。5日(土)には公式予選が行われました。天候は晴れ渡る快晴といえますが気温は17℃と低めで、路面温度もQ1A組開始時では27度となっていました。
GT300クラスの予選はノックダウン式で行われます。Q1では第7戦オートポリスまでのランキングによってA、B組と2つの組に分けられて行われ、各組の上位8台、計16台のマシンがQ2へ進出しポールポジションを争います。
まずA組が14時20分から始まりました。各チーム3周ほどウォームアップをしてのアタックとなりますが、ここで10号車 TANAX GAINER GT-Rの富田竜一郎選手がいきなりコースレコードまで0.3秒という1分45秒939を叩き出します。
ライバルもこのタイムを破ろうと必死にアタックをしていきますが、結局A組でこのタイムを上回るチームはなく、A組トップを守り通してQ2進出となります。
2番手はランキングトップの56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R、3番手には55号車 ARTA NSX GT3と続きます。
またギリギリ8番手でQ2進出となったのはグッドスマイル 初音ミク AMG。第6戦SUGOの予選ののちに虫垂炎などで緊急入院し、第7戦オートポリスには参戦するもその後に再入院となった谷口信輝選手の、復活の狼煙ともいえるQ2進出といえるでしょう。
B組は14時38分から行われました。61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが果敢にアタックを行い、1分45秒863を出すと、9号車 PACIFIC hololive NAC Ferrariが1分45秒886でこれに続きます。
しかしこの2台のタイムを上回った、というよりもコースレコードを叩き出したのが18号車 UPGARAGE NSX GT3の小林崇志選手。コースレコード1分45秒351でQ1をトップで通過しました。
また2番手は他力ながらチャンピオンの可能性を残している65号車 LEON PYRAMID AMGが入り、SUBARUは3番手、Ferrariは4番手となっています。
●NSX GT3の新人ドライバーによるコースレコード合戦
GT500クラスのQ1をはさみ、15時13分より10分間で行われたGT300クラスのQ2。路面温度が25℃と少し下がったため各チームは入念にウォームアップを行います。
そして最初にアタックラップに入ったのはSUBARU BRZ R&D SPORT。今季4回のポールポジションを獲得しているSUBARU BRZ R&D SPORTは5回目の、そしてチャンピオンとして2連覇を目指すためにもポールポジションを取りたいところ。そんな中セクター3までをコースレコードのペースで駆け抜けていきました。しかし最終コーナーの出口、アウト側の縁石外側にタイヤがかかると車体が跳ねてストレートでスピン。
ピット側のコンクリートウォールにリア部分が激突するクラッシュとなってしまいます。山内選手は無事でしたが、ここで車両回収のために赤旗中断となります。
赤旗原因となったSUBARU BRZ R&D SPORTはQ2進出の中での最下位からのスタートとなってしまい、チャンピオンが遠のいてしまうこととなりました。
残り時間5分で再開されたQ2。ここで2台のNSX GT3が速さを炸裂させます。まずUPGARAGE NSX GT3の太田格之進選手が1分45秒121というコースレコードのトップタイムを出してきます。
その直後、55号車 ARTA NSX GT3の木村偉織選手は1分45秒904で2番手をだしての翌周もアタックを行ない1分44秒938までタイムを上げてきました。
これは2021年に18号車 UPGARAGE NSX GT3の名取鉄平選手が記録した1分45秒654を大幅に更新する新レコードタイムとなります。
GT300のポールポジションはARTA NSX GT3、2番手はUPGARAGE NSX GT3、そして3番手にはグッドスマイル 初音ミク AMGが入りました。
なお、ランキングトップのリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは7番手。ランキング3位のNo.10 TANAX GAINER GT-Rは8番手で予選を終えており、チャンピオン争いの展開が再び混とんとしてきています。
そんなシリーズチャンピオンが決定する決勝レースは6日(日)の13時から63周で競われます。
なお、87号車 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3はペナルティのため予選順位7位ではありますがスターティンググリッドは8番グリッドとなり、リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが6番グリッド、10号車 TANAX GAINER GT-Rが7番グリッドに変更となりました。
【SUPER GT2022 第8戦 もてぎ GT300 予選結果】
順位 ゼッケン 車名 ドライバー タイム
1 55 ARTA NSX GT3 武藤英紀 木村偉織 1’44.798 R
2 18 UPGARAGE NSX GT3 小林崇志 太田格之進 1’45.121 R
3 4 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口信輝 片岡龍也 1’45.170 R
4 65 LEON PYRAMID AMG 蒲生尚弥 篠原拓朗 1’45.217 R
5 88 Weibo Primez ランボルギーニ GT3 小暮卓史 元嶋佑弥 1’45.757
6 56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R 藤波清斗 J.P.デ・オリベイラ 1’45.985
7 10 TANAX GAINER GT-R 富田竜一郎 大草りき 1’46.204
8 87 Bamboo Airways ランボルギーニ 松浦 孝亮 坂口 夏月 1’45.887
9 52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT 吉田広樹 川合孝汰 1’46.547
10 6 Team LeMans Audi R8 LMS 片山義章 R.メルヒ・ムンタン 1’19.271
11 2 muta Racing GR86 GT 加藤寛規 堤 優威 1’46.759
12 5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 冨林勇佑 平木玲次 1’47.081
13 9 PACIFIC hololive NAC Ferrari 木村武史 ケイ・コッツォリーノ 1’47.534
14 7 Studie BMW M4 荒 聖治 アウグスト・ファルフス 1’54.031
15 96 K-tunes RC F GT3 新田守男 高木真一 1’59.124
16 61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人 山内英輝 1’45.863
17 20 シェイドレーシング GR86 GT 平中克幸 清水英志郎 1’46.760
18 360 RUNUP RIVAUX GT-R 青木孝行 田中篤 1’46.646
19 Syntium LMcorsa GR Supra GT 吉本大樹 河野駿佑 1’46.902
20 11 GAINER TANAX GT-R 安田裕信 石川京侍 1’46.805
21 31 apr GR SPORT PRIUS GT 嵯峨宏紀 中山友貴 1’47.229
22 30 apr GR86 GT 永井宏明 織戸 学 11’46.991
23 50 Arnage MC86 加納政樹 阪口良平 1’47.246
24 244 HACHI-ICHI GR Supra GT 佐藤公哉 三宅淳詞 1’47.137
25 48 植毛ケーズフロンティア GT-R 井田太陽 田中優暉 1’48.886
26 25 HOPPY Schatz GR Supra 松井孝允 野中誠太 1’47.558
20 22 アールキューズ AMG GT3 和田 久 城内政樹 1’48.777
(写真:吉見 幸夫、松永 和浩/文:松永 和浩)