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■「GR YARIS Rally1」にインスパイアされた「GR COROLLA RALLY CONCEPT」
Toyota Motor North America(TMNA)は、2022年11月1日からアメリカのラスベガスで開催中のSEMAショーにおいて、多彩なカスタマイズモデルを出展しています。
TOYOTA Motorsport Garage Teamとコラボで制作された「GR COROLLA RALLY CONCEPT」「GR SUPRA ’10-SECOND TWINS’」、Larry Chen氏制作のドリフトコンセプトカー「GR86 DAILY DRIFTER」のほか、TOYOTA GAZOO Racing North America(TGRNA)が2023年から開催するワンメイクレース「GR Cup」参戦用カップカー「GR86 CUP CAR」も発表されています。
TOYOTA GAZOO Racingは、レースやラリーでの挑戦と勝利の積み重ねから得た知見を活かし、「もっといいクルマづくり」を推進しています。こうしたモータースポーツ由来の知見が市販車やコンセプトモデルの開発に反映された「GR」ラインアップを、北米最大規模のカスタマイズ・イベントであるSEMAショーで提案しています。
「GR COROLLA RALLY CONCEPT(2023 TOYOTA GR COROLLA CIRCUIT EDITION )」は、TOYOTA GAZOO Racingの世界ラリー選手権レースカー「GR YARIS Rally1」にインスパイアされたというカスタマイズカー。
2023年型の「GR Corolla Circuit Edition」がベース。Toyota Motorsports Garage Teamとの協業により制作され、アグレッシブで機能的なボディワークでダウンフォースの最大化を実現したそうです。ラリーのための装備に特化されていて、不要な部品を取り外され、軽量化が図られています。
主な装備とメカニズムは、20 gauge steel製の3インチフェンダーフレア、カーボン製のサイドスカート、4.5インチ フロントスプリッタ、専用リヤウイングにより軽量化されています。
さらに、3Dプリントの専用リヤクオーターウインドウを用意。足元は、OZ Racing製17×8インチホイール、215/60R17 Continental VikingContact 7タイヤ、TEIN製Gravel Rally coilovers、14×1.1インチ ベンチレーテッド&スロットディスクブレーキ(4ピストンアルミキャリパー)、Wilwoodサイドブレーキで強化されています。
そのほか、車内にOMP Racing製シート/シートベルト、カスタムロールケージが配置されています。搭載されるパワートレーンは、1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジン(補助オイルクーラー、カスタムマフラーTRDエアボックス付)で、シングルスクロールボールベアリングターボチャージャーを装備。組み合わされるトランスミッションは、6速MT。
●10秒台でドラッグストリップを駆け抜ける
「10-SECOND TWINS(2020 GR SUPRA 3.0)」は、TOYOTAとToyota Motorsports Garage teamが、1万ドルの予算で制作したという双子のカスタマイズモデル。
10秒台でドラッグストリップ(直線コース上で停止状態から発進し、ゴールまでの時間を競うドラッグレースを行う4分の1マイルの直線コース)をクリアするのが狙い。30~40%の馬力向上を目指し、CSF高性能インタークーラー、高性能ラジエター、トランスミッションクーラー、リヤアクスルの改良などによって、発進時に最大の駆動力を発揮するとしています。
足元には、フロントホイールにWeld Racing Belmont Drag(18×5インチ)、リヤホイールにWeld Racing Belmont Beedlock(17×10インチ)が備わります。
フロントタイヤは、26×6.00R18LTのMickey Thompson Sportsman S/R radials。リヤタイヤは、P305/45R17 Mickey Thompson ET Street S/S radials, R2 compound。さらにフロントブレーキは、13.7インチディスクブレーキ・4ピストンキャリパー、リヤブレーキは、13インチディスクブレーキ・シングルピストンフローティングキャリパーとなっています。
車内には、G-Force Racing Gear 6点式シートベルトを用意。パワートレーンは、3.0L直列6気筒エンジンで、Pure Turboターボチャージャー、CSF高性能インタークーラーを搭載。組み合わされる8速AT(パドルシフト)となっています。
●フォトグラファーの自宅工房で制作された「GR86 DAILY DRIFTER」
市販車GR86をベースに、フォトグラファーであるラリー・チェン氏が自宅の工房で制作したという「GR86 DAILY DRIFTER(2022 TOYOTA GR86 )」。
フォーミュラ・ドリフトの参戦車両のような、1000馬力のレーシングカーを彷彿とさせながらも、クルマ好きの誰もが製作、維持できるような車両を目指したそうです。アメリカのガレージ製作(文化)の本領発揮といえるようなカスタマイズカーになっています。
エクステリアには、Seibon製カーボンフードをはじめ、同じくカーボン製のHKS Type-S ZD8 F-Spoilerフロントスポイラー、HKS Type-S GR86 リヤウイング、HKS製サイドスカート、HKS Type-S ZD8リヤスポイラーを装備。そのほか、GR剛性アップパーツ(TCD製)も盛り込まれています。
インテリアは、Sparco製レーシングシート、6点式シートベルトをはじめ、Studio RSR ロールケージ、GRクイックシフトレバー、GRスポーツサイドバイザー(TCD製)で1000馬力に対応するイメージが構築されています。
足元は、フロントブレーキに、StopTech Racing製Big Brake kitを備え、リヤ補助ブレーキも用意。サスペンションはST製(調整式)で、ホイールは17×8-inch, +30 offsetのMotegi Racing MR154(Battle, white) 。タイヤは、225/45R17サイズのYokohama ADVAN NEOVA AD09です。
パフォーマンス向上策として、2.4L水平対向4気筒エンジンに、HKS GT2 Supercharger Pro ZD8 kit、MagnaFlow製エキゾーストシステム、CSFアルミ製ラジエターが搭載されています。
●ワンメイクレース参戦用「GR86 Cup Car」
ワンメイクレース「GR Cup」参戦用カップカーの「GR86 Cup Car(TOYOTA GAZOO RACING NORTH AMERICA GR CUP SERIES )」は、2023年からTOYOTA GAZOO Racing North Americaにより開始されるSROモータースポーツアメリカ公認のレースです。
モータースポーツを起点とした「もっといいクルマづくり」を推進するべく、「GR Cup」のレースから得られる知見は、市販車の開発にも活かされます。
エクステリアの主なメニューは、Stratasysカスタムボディ、TGRNA専用設計スプリッタ、カーボン製リヤウイング。足元には、245/620R18のContinental製スリックタイヤ、Alconブレーキが用意されています。さらに、TGRNA専用設計サスペンション(マクファーソンストラット)およびJRI Shocks調整式アブソーバーも装備。
そのほか、OMP安全装置およびロールケージ、22ガロン燃料タンクも備わります。エンジンは、2.4L水平対向4気筒エンジンで、Boschエンジンマネジメントが施され、SADEV6速MTが組み合わされています。さらには、Borla製専用エキゾーストシステムも搭載。
(塚田 勝弘)