全長4.7m台の3列7人乗りミドルサイズSUV、新型「ジープ・コマンダー」が新登場

■ラングラー人気に追いつけるか。新たな中型ジープが受注スタート

ラングラー(主にラングラー・アンリミテッド)がジープ人気を牽引しています。そんな中、ディーゼルターボエンジンを積むした7人乗りの新型SUV「Jeep Commander(ジープ・コマンダー)」の受注が、2022年10月24日から開始されました。

●グランドチェロキーLの系譜に連なる最新世代デザイン

新世代のミドルサイズSUVであるコマンダー(コマンダーの車名は2代目)は、ジープが誇るオフロード性能を確保しながら、3列7人乗りというシート配列、快適性や安全性を高める充実した機能や装備、多彩なシートアレンジや積載性が美点になっています。

ジープ コマンダー
新型ジープ・コマンダーが上陸

エクステリアは、フラッグシップモデル「Grand Cherokee L(グランドチェロキーL)」の系統に連なり、同ブランドの特徴である「7スロットグリル」がヘッドライトと一体化されています。

これにより、安定感のある印象を与えるとともに、ヘッドライトには、オートハイビームシステム、視認性の高いシーケンシャル式のターンシグナルランプが備わるなど、最新技術が導入されています。

ジープ・コマンダー
新型ジープ・コマンダーのリヤビュー

目を惹くルーフは、ブラックペイント仕様となっており、高級感も醸し出しています。

一方、リヤまわりには、日本未導入のプレミアムモデル「Grand Wagoneer(グランド・ワゴニア)」からインスピレーションを得たリヤコンビネーションランプ、リヤバンパーデザインが採用されています。

ほかにも、台形のホイールアーチ、荒れた路面と車体との干渉を低減する十分な地上高など、ジープとひと目で分かる意匠が与えられています。

ジープ・コマンダー
新型ジープ・コマンダーのエクステリア

用意されるボディカラーは、「パールホワイトトライコート」「ヴェルヴェットレッド」「ブリリアントブラッククリスタル」「グレーマグネシオメタリック」の4色です。

なお、前者2色には「エンペラドールブラウン/ブラック」のコンビ内装が、後者2色にはブラック内装が組み合わされます。

●10.1インチタッチパネル付オーディオナビゲーションを用意

ジープ・コマンダーには、先述したように、シックでスポーティなブラック、あるいは、上質なブラウン系の「エンペラドールブラウン」が外装色に応じてコーディネイトされています。さらに、レザーシートのサポート部に施されたダイヤモンドキルティング処理がインテリアの上質感を高めるとともに、アクセントになっています。

ジープ・コマンダー
新型ジープ・コマンダーのインパネ

運転席には、10.25インチのフルデジタルクラスターが備わるほか、インパネの中央に「Apple CarPlay」「Android Auto」に対応する10.1インチタッチパネルモニター付オーディオナビゲーションが配置されています。さらに、スマホを置くだけで充電できるワイヤレス充電も装備。

広々したキャビンは、1列目と2列目の余裕のあるタンデムディスタンスに加え、2列目と3列目の間にも十分なスペースが確保されています。

各シートにはリクライニング機構も備わっており、快適な乗車姿勢が取ることができそうです。また、最大80度まで開く大開口ドアにより、乗降性にも配慮されています。

柔軟なシートアレンジがもたらす高い積載性も美点です。2列目はワンタッチで格納できるタンブルが備わり、荷室容量は5名乗車時で481L、7名乗車時で170Lとなっています。

搭載されるパワーユニットは、2.0Lの直列4気筒ディーゼルターボで、最高出力170ps・最大トルク350Nmを発揮。1750〜2250rpmという低回転域で最大トルクが発生するため、「トルクが瞬時に立ち上がり、優れたドライバビリティを実現する」と謳われています。

トランスミッションは9速ATで、電子制御4×4システム「Jeepアクティブドライブ」が組み合わされ、高い走破性だけでなく低燃費も両立しているそう。さらに、排出ガス後処理装置として尿素SCRシステムが積まれていて、排出ガス内の窒素酸化物(NOx)が大幅に低減されます。

●新世代アーキテクチャーを採用し、最新安全装備を完備

ジープ自慢の「セレクテレインシステム」も搭載されています。「SAND/MUD(砂・泥)」「SNOW(雪)」「AUTO(オート)」の3つのドライブモードを状況に応じて選択することで、高い悪路走破性や高効率な走りを享受できます。

もちろん、急な下り坂を一定の低速で安全に走行できる「ヒルディセントコントロール」も備わり、滑りやすい下り坂でも安心・安全です。

ジープ・コマンダー
新型ジープ・コマンダーのキャビン

足まわりは、新世代アーキテクチャーに、4輪独立懸架式サスペンションが組み合わされ、悪路からオンロードまで高い追従性、快適な走りを実現するそう。

この新世代アーキテクチャーは、全体の63%が高強度、超高強度鋼で構成され、高いボディ剛性を確保。万一の際には高い衝撃吸収性を発揮します。

運転支援機能も充実していて、「アダプティブクルーズコントロール」をはじめ、ドアミラーの死角にある車両の存在を警告する「ブラインドスポットモニター」、駐車場から出庫の際に側方からの車両の接近を警告する「リヤクロスパスディテクション」、高速道路での運転負荷を軽減する「ハイウェイアシストシステム」、車線からの逸脱予防や車線変更時の安全確保に寄与する「アクティブレーンマネジメント」、駐車時の安全性を高める「サラウンドビューカメラシステム」、歩行者、サイクリスト検知機能付の衝突被害軽減ブレーキなど、最新の運転支援機能が網羅されています。

新型コマンダーの発表と同時に、Jeepオフィシャルウェブサイトでは、プロダクトページが公開されています。同ブランド初のアクセサリー装着イメージをはじめ、内外装のカラーコンフィギュレーターを360°から、しかも3Dで展開・確認ができる「3Dコンフィギュレーター機能」が導入されています。

今後、このシステムはすべてのモデルに展開予定で、バーチャル上でジープ・モデルの選択が容易にできるようになります。

●ジープ・コマンダー諸元

ボディサイズ:全長4770×全幅1860×全高1730mm、ホイールベース2780mm
エンジン:総排気量1956cc
直列4気筒ディーゼルターボ
最高出力:170ps/3750rpm
最大トルク:350Nm/1750〜2500rpm
車両重量:2255kg
駆動方式:オンデマンド4輪駆動
トランスミッション:9速AT
サスペンション:前マクファーソン 後マルチリンク
ブレーキ:前ベンチレーテッド 後ソリッド
タイヤ&ホイール:前後235/55R18

●車両価格

ジープ・コマンダー Limited:597万円
サンルーフ仕様:+16万円
パールコート仕様:+5万5000円

塚田勝弘

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる