売れに売れているシトロエン ベルランゴが「2CV」に変身!「ドゥーシボ」顔のMPVってどんなクルマ?

■大人気のベルランゴをコーチビルダーが2CVに「着せ替え」

イタリアのカロッツェリア・カゼラーニが提案する「ベルランゴ 2CV フルゴネット」。フロントビュー
イタリアのカロッツェリア・カゼラーニが提案する「ベルランゴ 2CV フルゴネット」

シトロエンの国内販売をぐいぐい引き上げている人気モデルが、ベルランゴ。正面からみると「ほぼ正方形」のタテヨコ比が与えられた個性的なフォルム、独創的な収納空間づくり、フレンチカーらしい優しい乗り心地、トルクフルで燃費に優れたディーゼルエンジンなど、全方位で高い商品力を備える1台です。国産ミニバンに食傷気味だったユーザーにも、新しい選択肢として注目を集めています。

●ヴィンテージなバンに生まれ変わったベルランゴ

シトロエン 2CV AUのパンフレット
シトロエン 2CV AUの当時のパンフレット。使い勝手に優れた前輪駆動バンは、1951年から1978年まで124万台以上が生産された

今回、イタリアのコーチビルダーが大人気のベルランゴをベースとしたカスタムモデル「ベルランゴ 2CV フルゴネット」を提案。なんと、シトロエン往年の名車「2CV(ドゥーシボ、ツーシーブイ、2馬力などとも呼ばれます)」をモチーフに、ヴィンテージルックのMPVとして生まれ変わらせてしまいました。

1948年から40年以上にわたり、累計386万台以上を生産したフランス大衆車のアイコン、2CV。「ベルランゴ 2CV フルゴネット」は、2CVのフルゴネット仕様である2CV AU、そして2CV AZUがデザインのベースになっています。フルゴネットは、フランスでいうライトバン。お花屋さんや郵便局の配達などで活躍するお馴染みの存在です。

●波板パネルや角丸のリヤウィンドウも再現

イタリアのカロッツェリア・カゼラーニが提案する「ベルランゴ 2CV フルゴネット」。フロントビュー
イタリアのカロッツェリア・カゼラーニが提案する「ベルランゴ 2CV フルゴネット」

ベルランゴにフルゴネット風スタイルを架装したのは、カゼラーニというコーチビルダーです。フロントグリルやバンパー、ホイールアーチ、リヤドア、ルーフなどはファイバーグラス製パーツで構成。ホイールアーチ上部に設けられた2CV独特の溝パターンや、当時は強度確保のために採用されていた波板パネルも継承しています。リヤドアに設けられた角丸デザインの長方形ウィンドウも、オリジナルをモチーフにした懐かしい意匠です。

イタリアのカロッツェリア・カゼラーニが提案する「ベルランゴ 2CV フルゴネット」。リヤビュー
「ベルランゴ 2CV フルゴネット」は波板デザインや角丸の小さなリヤウィンドウなど様々なモチーフをオリジナルから継承している

さらに、ヘッドライト交換時に使用するハウジング上のフックも再現。ホイールのハブキャップには、現在もなお製造されているオリジナルのパーツを使用しています。

「ベルランゴ 2CV フルゴネット」はシトロエンの公式ライセンスモデルとして、カロッツェリア カゼラーニが販売。2022年10月1日より注文を受け付け、2023年1月から製造をスタートする予定ということです。

(三代 やよい)

【関連リンク】

カロッツェリア カゼラーニ公式ウェブサイト(英語、イタリア語、フランス語)
https://www.typeh.eu/

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三代やよい 近影

三代やよい

自動車メーカー勤務後、編集・ライティング業に転身。メカ好きが高じて、クルマ、オートバイ、ロボット、船、航空機、鉄道などのライティングを生業に。乗り継いできた愛車は9割MT。ホットハッチとライトウェイトオープンスポーツに惹かれる体質。
生来の歴女ゆえ、名車のヒストリーを掘り起こすのが個人的趣味。
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