■今回は勢力図が大きく変わる、かも?
2022年9月6日(火)~10日(土) の「学生フォーミュラ日本大会2022」本大会開催に向けて、「2022年度支部合同試走会」が8月8日(月)~11日(木)に本大会と同会場のエコパのP9およびP10駐車場で開催されました。
学生フォーミュラは、学生自らが企画して製造する小型フォーミュラマシンを使い、そのアイデアや性能を競う競技。世界各国でほぼ同一のルールで開催されています。
その始まりは、1981年にアメリカで開催された「Formula SAE」が始まり。日本大会は2003年から開催されており、今大会が20回目の大会となります。
この学生フォーミュラ日本大会は、コロナ禍で2020年から2年にわたって開催ができていません。4年制大学のチームは、前回参加した主力メンバーの多くが卒業してしまっていて、進学など大学に残っているメンバーがサポートに入っているというような状況で、実際の大会経験がないメンバーがほとんどなのです。
今回、その本大会直前に、実際の開催場所となるエコパ(小笠山総合運動公園)の同会場を使用しての試走会では、模擬技術車検やドライバー脱出テスト、ブレーキテスト、そして、本大会と同じコースを使用してのアクセラレーションやスキッドパッド、オートクロスにエンデュランスといった動的審査が行われることもあって、北海道から九州まで、参加したのはエントリー数は37チームとなりました。
今回のこの試走会にやってきた車両は、チームによって完成度はまちまち。中にはまだ試走ができる状態ではない車両も多く、現場に入って実際と同じ車検を受けながら、現時点での車検不通過のポイントや指摘を受けるであろうポイントの確認をしたりして、本大会に向けた車両製作の進め方をチェックする等、それぞれの進行具合によって各チームはそれなりに準備を進めていくこととなります。
●自動車大学校系チームの活躍やいかに?
中でも今回注目すべきは、日本自動車大学校(NATS)やトヨタ東京自動車大学校といった、自動車大学校系のチームだと筆者は考えています。
4年制大学の部活的な活動とは異なり専門校であるので、カリキュラムとして学生が携わることができ、進行も異なります。もちろん、単年で学生フォーミュラに取り組むこととなってしまう場合が多いのですが、自動車好きが集まる学校だけに、チームに選出されるドライバーのレベルも高いという特徴が挙げられます。
また、単年活動が主なので、毎回新人メンバーで参戦することになるのですが、これについても今回4年制大学もほぼ新人メンバーで臨むこととなったので、ここはイーブンとなることを考慮すると、自動車大学校に注目しておくのもいいかもしれません。
EVクラスでは、トヨタ東京自動車大学校が真っ先に高電圧テストに合格し、今回の合同試走会で唯一の走行確認までこぎつけたEVとなります。参戦6年目となるこのチーム、まずは走行を終えたということで、このあと1ヵ月を掛けてマシンの熟成を徹底的にやる予定だということです。
日本自動車大学校は、これまでもシングルゼッケンをつけるなど、2010年の参戦から好成績を残してきています。過去最高位は2016年、2017年の5位です。
今回、フォーミュラ・ファクトリー・ナッツのマシンコンセプトは、「Less is More」、減らせられるものは減らし、良いものはよりよくしていくというマシンづくりをしています。
具体的には、ホイールを小径化し軽量化に注力し、ドライバーからは曲がりやすくなった、というコメントをもらっているということです。チームリーダーである自動車研究科の河西航太朗さんは、「これまでプレゼンテーションなどの静的審査のポイントが低くあと一歩ということが多かったので、試走会が終わったら、静的審査に向けて力を入れていきたいと思っています」とコメントしてくれました。
公益社団法人自動車技術会が主催の「学生フォーミュラ日本大会2022-ものづくり・デザインコンペティション-」は、2022年9月6日(火)~10日(土) の5日間にわたって、静岡県袋井市と磐田市にあるエコパ(小笠山総合運動公園)を会場に開催されます。
(文・写真:青山 義明)
【関連リンク】
学生フォーミュラ 公式サイト
https://www.jsae.or.jp/formula/jp/
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