ホンダ新型シビックに新開発2.0L直噴ガソリンエンジンを積むe:HEVが登場

■待望のハイブリッド仕様は「爽快スポーツe:HEV」を名乗る

ガソリンエンジン車から先行して発売されていたホンダの新型シビックに、待望のハイブリッド仕様の「e:HEV」が加わりました。新型シビックe:HEVが、2022年7月1日(金)から発売されることで、2022年内にも加わるタイプRとともに、商品力の向上が大きく図られたことになります。

ホンダ シビック
シビックに追加されたe:HEV

新型シビックe:HEVは「爽快スポーツe:HEV」という開発コンセプトを掲げ、現行シビックの仕上がりのいいシャーシなど、美点はそのままに、進化した「スポーツe:HEV」による爽快な走りを新たな価値としてアピールすることになります。

ホンダ シビック
シビックe:HEVのイメージ

注目のパワートレーンは、新開発となる2.0L直噴エンジンを搭載。熱効率に優れるアトキンソンサイクルに加え、燃料をシリンダー内に直接噴射する直噴システムが新たに採用されています。なお、トランスミッションは、電気式無段変速機のみ。

燃料を無駄なく燃焼させることで、従来の「e:HEV」用2.0Lエンジンに対して、高トルク化とエンジンモードでの走行可能領域の拡大を実現したとしています。

これにより、低回転から高回転まで幅広いエンジン領域でエミッション(燃焼ガス中の有害物質)を抑制することが可能になり、燃費や排出ガスクリーン性能、静粛性を向上。さらに、ホンダらしく、ドライバーの操作にリニアに応える爽快な加速感を引き出せるそうです。

ホンダ シビック
新型シビックe:HEVのフロントマスク

エンジンとともに、ハイブリッドの心臓部である「PCU(パワーコントロールユニット)」も軽量化と高出力化が図られていて、力強い駆動に寄与するそう。また「IPU(インテリジェントパワーユニット)」は、内蔵されるリチウムイオンバッテリーに、低全高の新しいセルを採用。バッテリーモジュールの重量あたりエネルギー密度を高め、パッケージ効率の向上も盛り込まれています。

電動車の開発で培われたノウハウも投入され、バッテリーの耐用年数を考慮しながら使用領域を拡大。これらにより、さまざまなシーンでトルクのある加速を実現しているそう。

「スポーツe:HEV」を謳う新型シビックe:HEVは、ハンドリングにも磨きが掛けられているようです。重量物である「IPU」の配置が工夫され、車体の低重心化とボディの高剛性化に寄与。さらに、ダンパーの専用設定やバネ下重量比率の低減により、一体感のあるハンドリング、挙動にぶれのない安定感のある走りを披露してくれるようで期待が高まります。

ホンダ シビック
ボディカラーは「クリスタルブラック・パール」

「IPU」は、リアシート下に配置されていて、シビックの長所である居住性と積載性の高さも犠牲になっていないそうです。

エクステリアデザインは、フロントアッパーグリルとドアガラスまわりのサッシュのグロスブラック化に加えて、ドアミラーもブラック化することで、上質で爽快な走りが表現されています。

インパネなどの内装は、ガソリンエンジン車に準ずるはず。ただし、e:HEV専用の10.2インチデジタルグラフィックメーターが備わります。加減速をわかりやすく表現するため、パワーメーターを配置。パワー(加速)は指針で表示され、百分率の目盛りを設けることで、タコメーターのような直感的なわかりやすさも実現しているそう。

チャージ(減速)はバーで表現。減速セレクター使用時は、バーの色を変更するとともに、減速セレクターのポジションが表示され、選択中の減速度が把握しやすくなっています。

ホンダ シビック
ハンドリングの良さも期待できる

ほかにも、走行モードに日本向けとしてホンダ初となる「INDIVIDUAL(インディビジュアル)」モードが追加されています。パワートレインやステアリング、メーターを個別に設定可能で、状況やドライバーの好みに応じたセッティングができるようになっています。

先進安全装備も充実していて、「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を標準装備。広い範囲と高い精度で対象物を検知するフロントワイドビューカメラ、ガラスや外壁など非金属も高い精度で検知する前後ソナーセンサーが採用されています。

ボディカラーは、「プラチナホワイト・パール※1」「クリスタルブラック・パール」「ソニックグレー・パール※1」「プレミアムクリスタルレッド・メタリック※2」「プレミアムクリスタルブルー・メタリック※2」の5色展開です(※1:3万8500円高、※2:6万500円高)。

ホンダ シビック
ボディカラーは「ソニックグレー・パール」

若い層からも多くの支持を集めているという現行シビック。人気パワートレーンのハイブリッドが加わったことで、さらに幅広い層や、多くのホンダやシビックのファンから注目を集めるのは間違いありません。

●価格:394万200円

塚田 勝弘

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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