三菱が初代デリカを発表。ジープを源流に持つ本格4WDミニバン【今日は何の日?6月17日】

■ロングランヒットを続けるデリカは、今から54年前に誕生

1968(昭和43)年6月17日、三菱自動車(当時は、三菱重工)が初代「デリカ」を発表、7月1日から発売を始めました。デリカは三菱の中で最も長い歴史を持つモデルで、現行のデリカD:5も、唯一無二の本格4WDミニバンとして高い人気を誇っています。

1968年に発売された初代デリカ。最初は小型トラックでデビュー。(C)Creative Commons
1968年に発売された初代デリカ。最初は小型トラックでデビュー。(C)Creative Commons

●ジープの技術を商用車に展開

ジープのライセンス生産で自動車生産を本格化させた三菱。「三菱ジープ」は、その優れた耐久性と信頼性が認められ、自衛隊の前身である警察予備隊が使う制式車両として採用されました。その実績もあり、市販のオフロード車としても、圧倒的なシェアを獲得しました。

1956年に発売された三菱ジープ(J37B) (C)Creative Commons
1956年に発売された三菱ジープ(J37B) (C)Creative Commons

その三菱ジープの生産で培われた技術を生かすため、三菱はオフロードに強いトラックやバンなどの商用車の展開を図ります。こうして登場したのがデリカであり、後に登場するパジェロなのです。

●多目的キャブオーバー・トラックとしてデリカが誕生

初代デリカは、ラダーフレームにキャブオーバーの3人乗りキャビンを組み合わせた小型トラックでした。ライバルとしてはトヨタの「ハイエース」や「トヨエース」、日産の「ダットサン・キャブ」、マツダの「ボンゴ」などがありました。アピールポイントは、ライバルよりも2割程度多く積める積載量、クラス初の前席3名乗車、そしてクラス最強レベルのエンジンでした。エンジンは実績のある乗用車「コルト1100」の1.1L直4OHVが搭載されました。

1969年3月発売の9人乗りの乗用モデル・初代デリカコーチ
1969年3月発売の9人乗りの乗用モデル・初代デリカコーチ

三菱はデリカのシェアを拡大するためシリーズ化を進めます。翌1969年4月、リアに上開きドア、左側面にスライドドアを設けたワンボックス型の商用車と、9人乗りの乗用ワゴン「デリカ・コーチ」、「デリカ・ライトバン」を発売します。

●三菱の屋台骨になったデリカ

バリエーションの充実によって、デリカの生産台数は1968年度に6639台、1970年度には1万5239台と倍増して、三菱を支える主力モデルとなりました。

本格4WDミニバンとして人気の最新のデリカD:5
本格4WDミニバンとして人気の最新のデリカD:5
1979年に発売された2代目デリカ・スターワゴン(C)Creative Commons
1979年に発売された2代目デリカ・スターワゴン(C)Creative Commons

乗用ワゴンのデリカ・コーチは、その後の2代目(1979年)と3代目(1986年)で「デリカスターワゴン」、4代目(1994年)で「デリカスペースギア」、5代目(2007年)で「デリカD:5」へと進化し続け、現在も本格4WDのミニバンの唯一無二の存在として高い人気を獲得しています。


デリカの名はデリバリー(配達)とカーを組み合わせた造語です。名が表すように、商業車としてデビューしたデリカですが、54年の間にそのイメージは人気のミニバンへと変貌しました。姿は変わりましたが、三菱ジープで培われた4WD技術と高い耐久信頼性は、長く継承されていますね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

この記事の著者

Mr. ソラン

Mr. ソラン 近影
某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きなクルマで、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。