Mr. ソラン 
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■MRレイアウトの軽ガソリン車i（アイ）をベースにEVを開発
2009（平成21）年6月5日、三菱自動車が軽の電気自動車「i-MiEV（アイミーブ）」を発表しました。軽のガソリン車「i」をベースにしたモデルで、同年7月から法人・自治体向け、2010年4月から一般ユーザー向けに販売を開始するという内容でした。
●ベースとなったのはガソリン軽自動車i
i-MiEVのベースとなったのは、2006年にデビューしたガソリン軽自動車iです。iと言っても、ピンとくる人は少ないかもしれませんが、近未来的なフォルムとレーシングカーやスーパーカーで採用されるMR（ミッドシップエンジン・リアドライブ）を採用した、技術的には革新的な軽自動車でした。しかし、軽自動車としては贅沢な技術で価格も高かったことから、販売は奮いませんでした。
●エンジンの代わりにモーターを搭載して量産初の電気自動車は誕生
iはMRレイアウトなので、iをベースにしたi-MiEVがエンジンの代わりに搭載する駆動モーターもミッドシップ。モーターはエンジンより小さいので室内スペースを犠牲にすることはありませんでした。
モーターの出力は、47kW（64PS）/3000～6000rpm、最大トルクは18.4kgmを発揮。200kgを超える16kWhのリチウムイオン電池はキャビンの床下に配置されました。トルクバンドが広いモーターではトランスミッションが必要なく、モーター回転を減速するギアとディファレンシャルギアを一体化したギアボックスが装備され、後輪駆動で走行しました。
●評価されるも、課題はコストと航続距離
i-MiEVは、優れたレスポンスと力強い加速でガソリンターボ車を上回る動力性能を発揮しました。量産初のEVということで高い評価を受けた一方で、課題は価格と航続距離が短いことでした。
車両価格は459万9000円ですが、最大138万円程度の補助金を受けることができ、さらにエコカー減税によって重量税と取得税が免税されます。実質的には300万円前後ですが、低価格を求める軽自動車のユーザーにとっては許容できる価格ではありませんでした。また満充電時の航続距離は160km（10・15モード）ですが、エアコンを使用したり、高速運転を続けると100kmを切ることが多く、実用面での不満の声が上がってきました。
一定のユーザーを獲得しましたが、累計販売台数約2万3700台で、残念ながら2021年3月に販売を終えました。
しかし、三菱は軽のEVを諦めていませんでした。i-MiEV生産終了から約1年経つ今夏、日産・三菱が共同開発した軽EVの三菱「ekクロスEV」/日産「SAKURA（サクラ）」が発売されることになりました。航続距離180kmで価格は実質100万円台後半と公表されています。どれだけ進化しているか、楽しみですね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。
（Mr.ソラン）
