第3戦鈴鹿のGT500予選はWedsSport ADVAN GR Supraが2戦連続ポールポジション【SUPER GT 2022】

■あの大クラッシュから復活した3号車 CRAFTSPORTS MOTUL Z

5月28日(土)、29日(日)に三重県の鈴鹿サーキットで開催の2022 AUTOBACS SUPER GT第3戦「たかのこのホテル SUZUKA GT 300km RACE」。5月28日は公式予選が行われました。

CRAFTSPORTS MOTUL Z
CRAFTSPORTS MOTUL Z

15時28分にスタートしたGT500の予選Q1。

午前中のフリー走行でトラブルに見舞われた38号車 ZENT CERUMO GR Supraの修復が間に合わず、予選参加を断念。そのためQ1は14台の参加により10分間で争われました。

ZENT CERUMO GR Supra
ZENT CERUMO GR Supra

開始2分後あたりから各チームがコースインし、2周のウォーミングラップでアタックを始めます。

前戦の第2戦富士決勝でクラッシュし、マシンをほぼすべて組み立てなおして鈴鹿に臨んだ3号車 CRAFTSPORTS MOTUL Z。タイムアタックで叩き出した1分44秒230は、2018年から更新されていないコースレコードを更新してのトップタイムとなります。

CRAFTSPORTS MOTUL Z
CRAFTSPORTS MOTUL Z

1分44秒台はその後も記録されますが、CRAFTSPORTS MOTUL Zのタイムを抜くことはできず、このままCRAFTSPORTS MOTUL ZがQ1をトップ通過。

DENSO KOBELCO SARD GR Supra
DENSO KOBELCO SARD GR Supra

2番手は39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra、3番手は37号車 KeePer TOM’S GR SupraとGRスープラ勢が続き、14号車 ENEOS X PRIME GR Supraと未出走のZENT CERUMO GR Supra以外のGRスープラは、全車Q2進出となります。

カルソニック IMPUL Z
カルソニック IMPUL Z

またNISSAN Z勢はほかに12号車 カルソニック IMPUL ZがQ1突破しています。

●圧巻のアタックを決めた19号車の国本は10年目にして自身初のポールポジション

GT300クラスのQ2を終え、GT500クラスのQ2は16時06分から10分間で行われました。

CRAFTSPORTS MOTUL Z
CRAFTSPORTS MOTUL Z

CRAFTSPORTS MOTUL Zが速さを見せ、Q1のトップタイムには及ばなかったものの、1分44秒425でトップ。そして17号車 Astemo NSX-GTが追いかけますが、CRAFTSPORTS MOTUL Zには届かず、これで決まりかのように思われました。

WedsSport ADVAN GR Supra
WedsSport ADVAN GR Supra

しかし、そのチェッカーラップでとんでもないタイムアタックを決めたのが、前戦富士でもポールポジションを獲得した19号車 WedsSport ADVAN GR Supra。

WedsSport ADVAN GR Supra
WedsSport ADVAN GR Supra

国本雄資選手はQ1でCRAFTSPORTS MOTUL Zが出したコースレコードをさらに縮めた1分44秒112という驚愕のタイムでトップに浮上。また、一度アタックを失敗しながらも再度のアタックにチャレンジした37号車 KeePer TOM’S GR Supraの宮田莉朋選手もコースレコードとなる1分44秒269で、2番手。

これまで鈴鹿が苦手だったGRスープラ勢が予選ワン・ツーとなりました。

KeePer TOM'S GR Supra
KeePer TOM’S GR Supra

WedsSport ADVAN GR Supraは初の2戦連続のポールポジションで、国本選手はGT500クラスでは10年目にして自身で獲った初の予選1位となりました。

ポールポジションをもぎ取った国本選手
ポールポジションをもぎ取った国本選手

予選2位KeePer TOM’S GR Supra、3位はCRAFTSPORTS MOTUL Z、4位には16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTとなり、ヨコハマ、ブリヂストン、ミシュラン、ダンロップと、タイヤ4種がポジションを奪い合う壮絶な予選となりました。

ポールポジションを喜ぶWedsSport ADVAN GR Supraのドライバーと監督
ポールポジションを喜ぶWedsSport ADVAN GR Supraのドライバーと監督

5月29日(日)の決勝レースはもっと気温が上がると予想され、過酷なレース展開が予想されます。そんな決勝レースは14時30分にスタートします。

【SUPER GT2022 第2戦 富士 GT300 予選結果】

順位 ゼッケン 車名 ドライバー タイム
1 19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本雄資 阪口晴南 1’44.112 R
2 37 KeePer TOM’S GR Supra サッシャ・フェネストラズ 宮田莉朋 1’44.269 R
3  3 CRAFTSPORTS MOTUL Z 千代勝正 高星明誠 1’44.425
4 16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT 笹原右京 大湯都史樹 1’44.457
5 17 Astemo NSX-GT 塚越広大 松下信治 1’44.653
6 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 関口雄飛 中山 雄一 1’44.925
7 12 カルソニック IMPUL Z 平峰一貴 ベルトラン・バゲット 1’45.662
8 36 au TOM’S GR Supra 坪井 翔 ジュリアーノ・アレジ 1’46.137
9 14 ENEOS X PRIME GR Supra 大嶋和也 山下健太 1’45.219
10 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木大樹 平手晃平 1’45.293
11 64 Modulo NSX-GT 伊沢拓也 大津弘樹 1’45.293
12 23 MOTUL AUTECH Z 松田次生 ロニー・クインタレッリ 1’45.360
13 100 STANLEY NSX-GT 山本尚貴 牧野任祐 1’45.360
14 8 ARTA NSX-GT 野尻智紀 福住仁嶺 1’45.640
- 38 ZENT CERUMO GR Supra 立川祐路 石浦宏明 出走せず
※ R:コースレコード(従来のレコード 1’44.319)

(写真:吉見 幸夫、松永 和浩/文:松永 和浩

この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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