■50周年を記念した限定モデルと「iX M60」を設定
BMWの100%子会社であるBMW M社が、2022年5月24日に設立50周年を迎え、限定モデル「BMW X5 Edition Black Vermillion」、「BMW X6 Edition Black Vermillion」、「BMW M3 50th Anniversary Limited」が発表されるとともに、BMW iXにMモデルの「BMW iX M60」が追加されました。限定車と「iX M60」については別の記事でご紹介します。
BMW M社の前身となるBMWモータースポーツ社は、1972年5月24日、BMWの技術と情熱を結集し、モータースポーツ活動に本格的に取り組むべく設立されました。
50年前となる1972年には、初代「BMW 3.0CSL」を誕生させ、翌1973年にはニュルブルクリンク24時間耐久レースで勝利を収め、BMWのモータースポーツにおいて重要な役割を果たしてきました。
1977年には、BMW M社の主力事業のひとつでもある「ドライバー・トレーニング(現:ドライビング・エクスペリエンス)」を開校。運転技術の向上はもちろん、安全知識の普及を目指し、画期的なカリキュラムによる体験型セーフティトレーニングのパイオニアとしてスタートさせています。
具体的には、「急ハンドルを切る」、「急ブレーキを踏む」など、日常ではあまり体験することがない運転操作を参加者自らが安全な場所で行い、「その体験を通じて、未然に危険を回避する方法を知る」というプログラムをメインとして、日本を含む全世界30ヵ国以上で開催されています。
BMW M社といえば、「M」モデルの存在も世界のスポーティモデル中で際立っています。
1978年には、BMW Mモデルの起源ともいえる「M」の名の由来となった「BMW M1」を開発。同モデルを皮切りに「M」の歴史が本格的な幕開けを迎えています。BMW M1の後には、Mモデルとして現在も人気の「BMW M5」、「BMW M3」など、多くの「BMW Mハイパフォーマンスモデル」をリリース。モータースポーツ活動の域に捉われない市販車にも本格的に進出しています。
1993年には、社名をBMWモータースポーツ社から、BMW M社に改められ、現在に至っています。また、BMW M社には、3つの大きな事業の柱があります。
1つは、高性能マシンである「M」モデルの開発。同社が開発するハイパフォーマンスマシンである「M」モデルには、サーキットでの走行を可能とした「Mハイパフォーマンスモデル」、サーキットで培われた技術を余すことなく採用され、走行性能が引き上げられた「Mパフォーマンスモデル」という2つの仕様があります。さらに、「M」モデルの開発に加え、大人気の「Mスポーツ」モデルやMモデル専用アクセサリーとなる「Mパフォーマンスパーツ」の開発も行われています。
残る2つは、市販モデルに設定のない特殊なカラーや素材、装備などを使用した特別注文プログラムの「BMW Individual」による車両の製造と、先述の「ドライビングエクスペリエンス」です。
BMW M社の50周年を記念して設定される「BMW Mハイパフォーマンスモデル」、「BMW Mパフォーマンスモデル」、「Mスポーツモデル」には、1973年にBMWモータースポーツ社のレーシングカーで初めて使われた青、紫、赤の半円がシフトしたBMWロゴが「BMW M 50周年記念バッチ」として装着されます。青はBMWを、赤はレースを表し、紫は青と赤、BMWとレースの融合を模した色になります。
BMW M社の設立50周年を記念して、2022年9月2日(金)から9月4日(日)まで、六本木ヒルズでBMW Mの世界観、ブランドを体現できるイベントが実施される予定となっています。
(塚田 勝弘)