アプリリアの新型「トゥオーノ660ファクトリー」登場。よりパワフルで軽いスポーツネイキッドの上級モデル

■パワーアップなどで走りがよりダイナミックに

イタリアのバイクブランド「アプリリア」を扱うピアッジオグループジャパンは、ミドルクラスのスポーツネイキッド「トゥオーノ660」の上級バージョン、「トゥオーノ660ファクトリー」を国内導入することを発表!

アプリリア新型トゥオーノ660ファクトリー登場
トゥオーノ660ファクトリーのフロントビュー

新型は、スタンダード仕様のトゥオーノ660をベースに、エンジン出力を95HPから100HPにアップしたほか、軽量なリチウムイオンバッテリーの採用、サスペンションや電子制御システム「APRC(アプリリア・パフォーマンス・ライド・コントロール)」などのアップデートを実施することで、ストリートからサーキットまで、よりダイナミックな走りを体感できる仕様となっています。

●高性能とストリートの軽快性を両立

トゥオーノ660は、ミドルクラスのスーパースポーツ「RS660」をベースに、街乗りでも快適なバータイプのアップハンドルなどを装備した、アプリリアがスポーツネイキッドと呼ぶオンロードモデルです。

フルカウル仕様のRS660に対し、トゥオーノ660では小型ながら高速道路などでの快適性も生むフロントカウルを採用。アップライトなライディングポジションと相まったストリートでの軽快な走りなど、このモデルが持つ個性を具現化した独創的フォルムに貢献します。

アプリリア新型トゥオーノ660ファクトリー登場
アプリリア・RS660
アプリリア新型トゥオーノ660ファクトリー登場
トゥオーノ660ファクトリーのリヤビュー

エンジンは、RS660と共通の659cc・並列2気筒を搭載。270度クランクを採用することで、Vツインエンジンのような爆発タイミングやパワー特性、心地よいエンジンサウンドを実現します。

また、ライド・バイ・ワイヤ電子制御スロットルや独自の電子制御システムAPRCなども採用することで、高いパフォーマンス性能と優れた安全性能も両立しています。

●ファイナルドライブもショート化

トゥオーノ660をベースに、装備をアップデートした上級バージョンとして登場するのがトゥオーノ660ファクトリーです。

ちなみにアプリリアでは、1099ccのV4エンジンを搭載するスーパースポーツのフラッグシップとして「RSV4ファクトリー」を設定。また、そのスポーツネイキッド版には「トゥオーノV4ファクトリー」の名称を付与しています。

つまり、ファクトリーはアプリリア製マシンにおける「最も高性能なモデル」を意味する称号なのです。

アプリリア新型トゥオーノ660ファクトリー登場
トゥオーノ660ファクトリーのサイドビュー

トゥオーノ660のハイパーフォーマンス版であるトゥオーノ660ファクトリーでは、前述の通り、エンジンの最高出力を95HPから100HPにアップさせています。また、ファイナルドライブは、トゥオーノ660より1丁少ない16丁のドライブスプロケットを装着。ファイナルドライブのショート化により、さらに優れた加速力を発揮します。

加えて、電子制御システムAPRCもアップデート。調整可能なトラクションコントロール「ATC(アプリリア・トラクションコントロール)」、発進時などに前輪が浮くウィーリーを制御する「AWC(アプリリア・ウィーリーコントロール)」、スロットルを操作しなくても一定の速度を維持する「ACC(アプリリア・クルーズコントロール)」、スロットルを閉じたりクラッチ操作なしで変速を可能にする「AQS(アプリリア・クイックシフト)」などを装備します。

また、スロットルを閉じている時、エンジンブレーキの制御を調整する「AEB(アプリリア・エンジンブレーキ)」、エンジン特性やパワーデリバリーのマッピングを変更可能な「AEM(アプリリア・エンジンマップ)」など、さまざまな電子制御が盛りだくさんです。

アプリリア新型トゥオーノ660ファクトリー登場
サーキットにも対応するトゥオーノ660ファクトリー

ほかにも、走行状況などに応じ、コーナリング時のブレーキ操作とABSの介入度合いを最適化する「マルチマップコーナリングABS」も採用することで、優れた制動性能に貢献。

これらにより、ストリートからサーキットまで、よりダイナミックな走りを実現する仕様になっています。

●フル調整が可能な前後サスペンション

足まわりでは、41mm径のKYB製倒立フロントフォークを装備することで、コンプレッション&リバウンドダンパーおよびスプリングプリロードのフル調整が可能。リヤショックには、別体型リザーバーを備えたザックス製を採用し、同じくコンプレッション&リバウンドダンパーおよびスプリングプリロードの調整が可能です。

アプリリア新型トゥオーノ660ファクトリー登場
トゥオーノ660ファクトリーのリヤサスペンション

また、軽量リチウムバッテリーの採用により、装備重量をトゥオーノ660の183kgから181kgと2kg軽量化。エンジンパワーの向上との組み合わせで、より俊敏な走りを実現します。

ほかにも、ファクトリーでは、シングルシートカバーを標準装備し、より攻撃的なスタイルを演出。タンデムライダー用のリヤシートとフットペグも付属するため、2人乗りにも対応しています。

アプリリア新型トゥオーノ660ファクトリー登場
トゥオーノ660ファクトリーのハンドルやメーター類

車体カラーはファクトリーダークの1色展開で、価格(税込)は145万2000円。受注は2022年4月25日からすでにスタートしており、出荷開始時期は2022年6月下旬の予定。取り扱いは全国のアプリリア正規販売店です。

(文:平塚直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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