新型GRカローラは、304ps/370Nmの1.6L直列3気筒インタークーラーターボを搭載。ドリフトのために手引き式パーキングブレーキを採用

■ワイド化された迫力あるエクステリアが目を惹く

2022年4月1日(金)、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、米国で新型GRカローラをワールドプレミアしました。

今回の世界初公開は、米国のカリフォルニア州ロングビーチで開催される「フォーミュラドリフト」開幕戦前日の現地時間3月31日に行われました。日本での発売は2022年後半の予定です。

GRカローラ
世界初公開されたGRカローラ

新型GRカローラのエクステリアは、ベースのカローラスポーツよりもフロントフェンダーが片側20mm、リヤフェンダーは片側30mm広がっています。ワイドなスタンスが強調され、走りの良さを予感させるスタイリングが与えられています。

GRカローラ
GRカローラのフロントマスク

リヤまわりでは、1.6Lの直列3気筒インタークーラーターボエンジンをさらに高出力化するため生まれたという3本出しマフラーが、力強さを印象づけています。

GRカローラ
GRカローラのリヤビュー

さらに、サーキットやダート、雪道などあらゆる道で冷却性能、空力性能を徹底的に鍛え上げた成果として、フロントバンパーにインテーク、フロントフェンダーとフードバルジにアウトレットが配置されています。

GRカローラ
3本出しマフラーを採用

インテリアもスポーティな仕立てになっています。ショートストロークのシフトレバーが採用され、ステアリングから自然に腕を下した位置に配置することで、素早いシフト操作が可能になるそう。

ドリフト走行など限界域での車両コントロール用途を視野に入れ、パーキングブレーキに手引き式が採用されています。

GRカローラ
GRカローラのインパネ

さらに、GR車両専用に開発されたFull TFTメーターが新たに採用され、レーシングカーを手本にプロドライバーの意見を取り入れ、スポーツ走行時の視認性を向上させたそうです。

注目のエンジンは、304PS/6500rpm・370Nm/3000-5550rpmの1.6L直列3気筒インタークーラーターボ。組み合わされるトランスミッションは、iMT(6速MT)です。

GRカローラ
GRカローラのアルミホイール

同エンジンは、GRヤリスに搭載された小型、軽量ハイパワーユニットのさらなる高出力化が盛り込まれ、エンジンの排気効率が向上。バルブ付き3本出しマフラーの採用により、排圧低減と消音性能を両立させたとしています。

これにより、圧倒的な加速と気持ち良い回転数の伸びがより感じられるエンジンに仕上がっているそうですから楽しみです。

駆動方式は、GRヤリスと同様に、電子式多板クラッチによる前後駆動力可変システムのスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」が採用されています。

GRカローラ
GRカローラのエクステリア

今回、駆動配分を制御する4WDモードと、アクセルのレスポンスやステアリングなどを制御するドライブモードが分けられたことで、ドライバーの好みや走行環境に応じた選択が可能になっています。

さらに、ブッシュのピロボール化、スプリング、アブソーバー、アライメントの最適化も盛り込まれていて、GR-FOURの最適駆動力配分を余すことなく路面に伝達。圧倒的な旋回性能を達成しているそうです。

GRカローラ
GRカローラの「GR FOUR」のロゴ

ドライバーの操作へ俊敏に反応する走りを目指し、ボディ剛性の強化も図られています。元町工場の「GR Factory」で生産することによる高剛性基本骨格に加えて、リヤホイールハウス間や床下トンネル、タンク前の床下にブレースを追加。これにより、高い操縦安定性能を実現しているそう。

また、GRヤリスと同様、形状自由度の高いSMC(Sheet Molding Compound)工法で成形されたCFRP素材のルーフパネルが備わり、剛性を高めるだけでなく、軽量化にも寄与。

GRカローラ
エアアウトレットを配置

ほかにも、安定した制動力とコントロール性を実現する対向キャリパーブレーキを搭載。サーキット走行を安心して楽しめます。

GRヤリスは3ドアということで、ある程度ユーザー層を選ぶ面もありますが、GRカローラは5ドアなのでより裾野が広がるはず。

※上記写真は、すべてプロトタイプです。

●ボディサイズ(北米仕様/開発目標値):全長4410×全幅1850×全高1480mm
●タイヤ:235/40R18 Michelin Pilot Sport 4
●アルミホイール:18インチ グロスブラック15スポークキャストアルミホイール

塚田 勝弘

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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