子どもの本の日/自らのチームでF1チャンプとなったジャック・ブラハムとクライスラー社を創業したウォルター・クライスラー生まれる【今日は何の日?4月2日】

■子供たちに童話に親しんでもらう「国際子どもの本の日」

今日は、数多くの童話を残したクリスチャン・アンデルセンの誕生日であり、それにちなんで「国際子どもの本の日」に制定されています。アンデルセンは「マッチ売りの少女」「みにくいアヒルの子」「はだかの王様」「人魚姫」「おやゆび姫」など、誰でも知っている童話を残しましたね。

4月2日には、ミュージシャンの忌野清志郎、ゴルフの岡本綾子、小学館・集英社創業の相賀武夫、レーシングドライバーのジャック・ブラハム、童話作家のクリスチャン・アンデルセン、クライスラー創業者のウォルター・クライスラーなどが生まれています。本日紹介するのは、ジャック・ブラハムとウォルター・クライスラーです。

●自ら創ったチームでF1を制した唯一のドライバージャック・ブラハム生まれる

ジャック・ブラハム(1966年) (C)Creative Commons
ジャック・ブラハム(1966年) (C)Creative Commons

ジャック・ブラハムは1926年4月2日、オーストラリア・シドニー郊外のハーストビルで生まれました。幼いころから機械いじりや自動車に夢中になり、15歳で機械工学の学校を卒業。一時期オーストラリア空軍に籍を置きましたが、退役した1948年、22歳でレースを始めます。オーストラリアのレースで活躍の後、1955年に欧州に進出して1957年よりF1にレギュラー参戦。1959年にモナコGPで初優勝を飾ると、1959年と1960年にはチャンピオンに輝きます。

1966年オランダGPのジャック・ブラハム (C)Creative Commons
1966年オランダGPのジャック・ブラハム (C)Creative Commons

1961年、同郷のロン・トーラナックとともにコンストラクター「MRD(モーターレーシング・デベロップメント)」を設立し、自らもドライバーとして参戦します。1964年にダン・ガーニーがチームとして初優勝すると、1966年にはジャック・ブラハムが3度目のチャンピオンに輝き、自分の設立したチームで初めてF1を制した歴史的なドライバーとなります。1970年、40歳で現役を引退、MRDを売却してオーストラリアに戻りますが、なんと1981年と1983年には、飛行機レースで世界タイトルを獲得したそうです。

●GMを辞めてライバルのクライスラー社を創立したウォルター・クライスラー誕生

ウォルター・クライスラーは1875年4月2日、米国カンザス州ウェイミーゴウの鉄道技師の家庭に生まれました。学校を卒業後、父親の勤めていた工場の整備工見習いとして働き始めます。優秀な技術者であったクライスラーは、鉄道会社を転々としてステップアップしながら、最後はシカゴの鉄道会社にスカウトされて、1909年、34歳の若さで機関車部門の最高責任者に抜擢されます。

ウォルター・クライスラー(1937年) (C)Creative Commons
ウォルター・クライスラー(1937年) (C)Creative Commons
世界初のミニバン1984年登場のボイジャー(C)Creative Comonns
世界初のミニバン1984年登場のボイジャー(C)Creative Comonns

ちょうどその頃モーターショーを訪れたクライスラーは、自動車に魅了され、すぐに借金してクルマを購入。しかしクルマに乗るのではなく、クルマを徹底的に分解して仕組みを勉強します。その後、彼の優秀さを聞きつけたGMの社長からスカウトされ、1911年にビュイックの生産工場の工場長に抜擢。すぐにその才能を発揮して生産の効率化に成功し、とんとん拍子で1916年にはビュイックの社長に昇格します。しかし社長と意見が合わず、1920年、45歳の時にGMを退社します。

代表的な高級セダンの2004年登場の 300C (C)Creative Commons
代表的な高級セダンの2004年登場の 300C (C)Creative Commons
日本でも人気の高かった2006年登場のPTクルーザー (C)Creative Commons
日本でも人気の高かった2006年登場のPTクルーザー (C)Creative Commons

その後、破産寸前のマックスウェル自動車を再建させて1935年にクライスラー社を創立。フォード、GMとともに米国ビッグ3と呼ばれるまでに成長させました。しかし1990年代に入るとクライスラー社は経営状況が悪化。1998年にダイムラー・ベンツに買収され、2009年には実質的に倒産。現在は、PSAとFCAの合併会社ステランティスの傘下に収まり、再建を進めています。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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