■スポーツカーのような流麗なラインと金属から削り出したようなフォルムが特徴
急速に電動化を推進しているアウディは、ドイツ本国で「Audi A6 Avant e-tron concept」を公開しました。アウディのEV「e-tron」シリーズで初となるアバント(ステーションワゴン)のコンセプトカーになります。
「Audi A6 Sportback e-tron」と「Audi A6 Avant e-tron concept」は、アウディのリーダーシップの下でポルシェAGと開発された「PPE(プレミアムプラットフォームエレクトリック)」が初めて採用されたモデルです。
セダン版の「Audi A6 e-tron concept」は、2021年に発表されていて、アバントも「PPE」をベースに、専用の電気駆動システムが搭載されています。なお、ディメンションもセダン版と同じで、プレミアムラグジュアリーにふさわしい風格を備えています。
ボディサイズは、現行のA6/A7シリーズと同一です。エクステリアは、アウディの最新のデザイン言語に基づいていて、クローズドシングルフレームをはじめ、ワイドなリヤライトストリップなどの主なデザイン要素は、アウディのEV「e-tron」シリーズとの関係性が強調されています。
最も目を惹くのは、22インチの大径ホイールとショートオーバーハングで、フラットなキャビンやダイナミックなルーフラインが、スポーツカーのような流麗なラインを描いています。また、緩やかなスロープを描くリヤサイドウィンドウのデザインと寝かされたDピラーは、アバントならではの特徴。
フロントまわりの見どころは、ドライブトレイン、バッテリー、ブレーキを冷却するためのエアインテークを左右に備えた大型クローズド(閉じられた)シングルフレームグリルです。
リヤビューも印象的。アッパーまわりは、空気の流れを切り裂くようなデザインが採用されています。リヤスポイラーは、水平基調のシルエットが強調されていて、エアロダイナミクスの面でも重要な役割を担っています。
ロアまわりは、大型リヤディフューザーのエアアウトレットをバンパーエリアに統合されています。風の流れを整えながら、空気の流れが車両下に導かれ、空気抵抗が低減し、リフトの最小化に寄与しています。
アウディらしく最新のライトシステムが用意されています。フラットな前後ライトは、スリムなデザインが特徴です。デジタルマトリクスLEDとデジタルOLEDテクノロジーにより、少ない表面積でも最大の明るさと幅広い機能を実現しているそう。
●一充電航続距離は最長で700km
メカニズムの面をチェックすると、電動車両向けのプラットフォームをベースに、前後アクスル間に搭載された約100kWhの容量のバッテリーが搭載されています。比較的フラットなバッテリーレイアウトを実現するため、車高の高いSUVだけでなく、Audi A6 Avant(Audi A6 Avant e-tron concept)をはじめとする、車高の低いモデルにも適用できるのが特徴。
また、トランスミッションのトンネルがなくても、quattroドライブシステムを選択することもできます。「PPE」プラットフォームモデルには、フロント、リヤアクスルにそれぞれ1基のモーターが搭載されたバージョンを設定。モーターを制御することで、ドライビングダイナミクスとエネルギー効率のバランスを取りながら、オンデマンド式4WDシステムを実現したそう。
さらに、エネルギー消費量と航続距離が最適化されたベースバージョンも用意。このベース仕様は、1つのモーターがリヤアクスルに搭載されます。
なお、2モーター仕様は、350kWのシステム出力と800Nmのトルクを発生。800Vの充電テクノロジーが採用されていて、急速充電時は、最大270kWの出力で、短時間で充電することが可能としています。航続距離300km以上に必要な充電時間はわずか10分間。
また、25分以内でバッテリー容量を5%から80%まで充電することができます。 駆動システムと出力により異なるものの、一充電航続距離は700kmを超えるためロングドライブにも対応するのも見逃せません。
同時にハイパフォーマンスも与えられていて、0-100km/h加速は7秒未満で、最上級のハイパフォーマンスモデルは、0-100km/h加速を4秒未満でクリアする俊足を誇ります。
※スペックや数値は欧州仕様です。
(塚田 勝弘)