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■往年の名車を継承する新型ロードスポーツ
ホンダが、2022年3月19日〜21日にインテックス大阪で開催される「第38回 大阪モーターサイクルショー2022」で、新型のロードスポーツモデル「HAWK 11(ホークイレブン)」を世界初公開することを発表しました。
ホークといえば、1970年代後半から1980年代初頭まで販売された400ccと250ccの大人気スポーツモデル。昔からのバイクファンには懐かしい名前です。
そんな往年の名車からモデル名を継承したホークイレブンとは、一体どんなバイクなのでしょうか?
●中免の導入で大ヒットしたのがホーク
ホンダのホークといえば、初代モデルが1977年に発売された空冷2気筒エンジン搭載のスポーツモデルです。
ラインアップには、排気量400ccの「ホーク-Ⅱ(CB400T)」と、同じ車体に250ccエンジンを搭載した兄弟車の「ホーク(CB250T)」を揃え、街乗りから高速走行まで、幅広い用途で楽しめるバイクとして一斉を風靡しました。
特に、当時は排気量400ccまでのバイクが乗れる中型限定自動二輪免許(いわゆる中免、今の普通自動二輪免許)が導入されたこともあり、ミドルサイズのバイクに注目が集まっていた時代。
難関といわれた限定解除の自動二輪免許(今の大型自動二輪免許)がないと乗れない401cc以上のバイクと比べ、免許の取得が比較的簡単だったこともあり、初心者をはじめ多くのライダーが中型バイクに集中。まさに成長市場となっていたのです。
そんな時代に投入されたホークは、最高出力が400ccのホークーⅡで40ps、250ccのホークで26psを発揮し、当時としては余裕ある動力性能などにより、大きなセールスを記録しました。
アメリカンバイクとヨーロピアンバイク(昔のスポーツバイクの呼び方)を融合させたような独特なスタイルも、当時は賛否両論がありましたが、今となっては懐かしいスタイルです。
●カフェレーサー的スタイルを採用?
そんなホークのネーミングを冠したのが新型のホークイレブン。詳細はまだ未公表で、ティザーサイトとイメージ画像が公開されたのみです。
ただし、画像を見る限りでは、フロントに、丸目1灯のLEDヘッドライトを装備したロケットカウルを装着していることから、カフェレーサー風のスタイルであることが伺えます。
カフェレーサーとは、1960年代に流行したカスタムバイクのスタイルで、当時のレーシングマシンのような先端が突き出たカウル、低いハンドルやバックステップなどでスポーティなフォルムを持ったバイクのことです。
現在は、そうしたレトロなテイストに人気が再燃し、ネオレトロ・スタイルなどと呼ばれ世界的に大きな支持を受けています。
ホンダの公式発表でも「経験豊かなベテランライダーを中心としたお客様に、新たな価値観と充実したバイクライフを提供する大型モーターサイクルをコンセプトに開発」といっています。
この文言から、新型ホークイレブンは、昔からのバイク好きに好まれるレトロなスタイルを採用していることが推測できます。つまり、カフェレーサーのスタイルを採っている可能性はかなり高いといえるでしょう。
●1100ccの2気筒を搭載?
一方、エンジンの排気量。「イレブン」という名前から推定すると、恐らく1100ccでしょうね。
ホンダの1100ccエンジンには、「CB1100」シリーズに採用されている空冷4気筒もありますが、排ガス規制の対応などで当シリーズは生産終了が決まっています。
そう考えると、搭載が濃厚なのは「CRF1100Lアフリカンツイン」などに採用されている水冷4ストローク直列2気筒。このエンジンは、やはりレトロなクルーザーモデルで、人気が高い「レブル1100」にも採用されており、扱いやすさなどに定評があります。
しかも、ホンダは、ホークイレブンについて「エンジンの鼓動と排気音を存分に感じながら、ワインディングなどでの操る楽しみを提案するモデル」といっています。
2気筒の大排気量モデルなら、鼓動感も満点ですし、独特の心地よい排気音を奏でることも可能です。
コスト面を考えると、全く新しいエンジンを開発することは考えにくいですから、アフリカンツインやレブル1100などと同系のエンジンを採用する可能性はかなり大きいでしょう。
ともあれ、3月19日からの大阪モーターサイクルショーで、実車が公開されるのが楽しみですね。
なお、ホークイレブンに関する情報は、今後、下記URLの「Hondaモーターサイクルショー2022」特設サイトでも順次公開の予定です。
(文:平塚直樹)
【関連リンク】
「Hondaモーターサイクルショー2022」特設サイト
https://hondago-bikerental.jp/bike-lab/mcs2022/