新型ジープ「グランドチェロキーL」売れ筋は1000万円級の「サミット リザーブ」だが「リミテッド」との価格差211万円の価値は十分にあり!

■大人も座れるサードシートを備えた6人乗り、7人乗り仕様から日本上陸

2022年2月19日(土)に発売されたジープの新型グランドチェロキーは、まず3列シート(6人乗り、7人乗り)のグランドチェロキーLから日本に上陸しています。これは、米国でも同じで、2列5人乗り仕様は、2022年内にも日本にも入ってくるようです。さらに、プラグインハイブリッド(PHEV)も控えています。

10年ぶりにフルモデルチェンジを受けた新型グランドチェロキーLは、トヨタ・アルファードなどのミニバンからの買い替えニーズにも応えているそう。

●10年ぶりフルモデルチェンジで量感も突出

ジープ グランドチェロキーL
上級仕様の「サミット リザーブ」のエクステリア

エクステリアで印象的なのが、ロングノーズとロングホイールベース。全幅も2m近くあるため、ワイド感も十分でありながらも長さが際立っています。

ジープ グランドチェロキーL
「リミテッド」のリヤビュー

最小回転半径は6.3mで、長い鼻先もあって狭い場所での取り回しには気を使います。

一方のインテリアは、当然ながら広々しています。ワイド感をもたらす水平基調のインパネは、上質なインテリア素材を重ねたレイヤー状になっています。

中央には、10.2インチの大型タッチディスプレイを配置。ナビゲーションは最新のアイシン製で、スマホ連携(Apple CarPlay、Android Auto)にももちろん対応しています。

ジープ グランドチェロキーL
上位グレード「サミット リザーブ」のインパネ

操作系で特徴的なのが、ジープ初のダイヤル式シフト(ロータリーシフト)で、操作性の向上だけでなく、ギヤが切り替わったことが指先に伝わるフィードバック機能も備わります。

ジープ グランドチェロキーL
ダイヤル式シフトの左側に「セレクテレイン システム」のスイッチを配置

その左には、「ROCK」「SAND/MUD」「SNOW」「AUTO」「SPORT」からなる「セレクテレイン システム」を配置。さらに、上位グレードの「サミットリザーブ」には、「クォドラリフト エアサスペンション」が備わります。

よじ登るような乗降姿勢になる新型グランドチェロキーですが、「サミット リザーブ」ならエアサスペンションにより乗降時や積載時に車高が下がり、より乗り降りや荷物の積み降ろしが楽になります。

●「サミット リザーブ」は、エアサスペンションや豪華なキャプテンシート、先進安全装備がすべて標準装備で備わる

初期受注での売れ筋は「サミット リザーブ」だそうで、「リミテッド」との差額は、なんと211万円もあります。しかし、その装備は、確かに納得できるほど豪華。

ジープ グランドチェロキーL
「リミテッド」のフロントシート

「サミット リザーブ」に標準装備されるのは、この「クォドラリフト エアサスペンション」をはじめ、「フロント16ウェイパワーシート」「フロントマッサージ機能」「Mclntoshプレミアムサウンドシステム」「ワイヤレスチャージングパット」「ハンズフリーパワーテールゲート」、275/45R21 3シーズンタイヤ(グラナイトカラーアクセント付21インチアルミホイール)、「デラックスセキュリティーアラーム」「アクティブドライビングアシスト(車線維持支援機能)」「トラフィックサインレコグニション」「ドライバーアテンションアラート」「ParkSense縦列/並列パークアシスト・アンパークアシスト」「側面距離警報」「ナイトビジョン(歩行者、動物検知機能付)」などのセキュリティ、先進安全装備も全部のせ状態になっています。

ジープ グランドチェロキーL
「サミット リザーブ」の2列目キャプテンシート

そして、何より「サミット リザーブ」の2列目は、ゴージャスなキャプテンシートになり、ロングドライブでも快適な時間が楽しめるようになっています。

サードシートは身長171cmの筆者が座ると、膝を抱えるようないわゆる「体育座り」に近い姿勢になるものの、大人でも実用になる広さが確保されています。

ジープ グランドチェロキーL
「リミテッド」のサードシート

頭上には、こぶしが縦に1つ分入る空間が残り、2列目を少し前寄りにスライドさせれば、十分なフットスペースも確保できます。なお、2列目前席下には、つま先が入る程度で、姿勢の自由度はそれなり。

1列目から3列目までは、映画館のように、後方に行くほど高くなる設計になっていて、3列目の着座位置はかなり高く、バスのリヤタイヤ上にある座席に座っているかのような感覚(少し大げさかもしれませんが)を覚えます。

ジープ グランドチェロキーL
トノカバーを外した状態の最小時

荷室も3列目と2列目の背もたれを前倒しすれば、約2400Lもの大容量が確保できます。独身で荷物が少なければ引っ越しもできそう。通常時でも日常の買い物程度なら不足はなく、3列目を前倒しするだけでも十分な奥行きを確保できます。

ただし、シートやトノカバーなどの操作にはかなり力がいる印象で、とくに背もたれを起こす際には、力を込めて操作する必要があります。なお「サミット リザーブ」は、2列目と3列目が電動可倒式になります。

ジープ グランドチェロキーL
こちらは最大時

ライバルのキャデラック・エスカレードよりは「ひと回り」小さいものの、日本ではまさにフルサイズSUVになる新型グランドチェロキーL。

大人も座れるサードシート、格納すれば広大な荷室容量を確保できる積載性も備えていて、ミニバンではない多人数仕様を1000万円を切る価格設定で用意しているのが、新型最大の魅力といえそうです。

ジープ グランドチェロキーL
エアサスペンションで最も車高を下げた状態。この状態だと走行はできない
ジープ グランドチェロキーL
エアサスペンションで最も車高を高めた状態

●ボディサイズ:全長5200×全幅1980×全高1815mm(リミテッド。サミット リザーブの全高は1795mm)
●価格
「グランドチェロキーLリミテッド」:788万円
「グランドチェロキーLサミット リザーブ」:999万円

(文:塚田 勝弘/写真:小林 和久)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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