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■道を選ばずツーリングできる660ccバイク
イタリアのバイクブランド「アプリリア」の新型アドベンチャーバイク「トゥアレグ660」がついに日本上陸を果たしました!
国内への輸入販売を手掛けるピアッジオグループジャパンが、2022年2月18日(金)から発売を開始、2022年6月頃より順次出荷することを明かにしました。
欧州などでは、2021年秋頃からすでに販売され好評のこの新型は、80psを発揮する660cc・2気筒エンジンを、車両重量204kgという軽量な車体に搭載。
オンロードでの軽快かつ快適な乗り味と、卓越したオフロード性能を両立することで、道を選ばず街乗りから長距離ツーリングまで、幅広く楽しめる注目モデルです。
●1985年発売の名車が元祖
トゥアレグ660は、アプリリアが1985年に発表し、オフロード分野で伝説となったバイク「トゥアレグ」の名前を継承したモデルです。
名前の由来は、サハラ砂漠の住人であるトゥアレグ族。「自由」を愛する彼らの文化を投影したモデルとして、当時高い評価を受けました。
そうした伝統のバイクが持つコンセプトを受け継ぎつつ、現代のテクノロジーを投入することで、卓越したパワーウェイトレシオと優れたオフロード性能、オンロードでも快適な乗り味を実現したのが新型のトゥアレグ660です。
デザインは、ピアッジオグループのアメリカ・カリフォルニア州パサデナにある拠点、PADC(ピアッジオ・アドバンスト・デザインセンター)が担当。
ドゥカティの初代モンスターなどをデザインしたことで知られるミゲル・ガルーツィ氏が率いるグループにより、革新的で個性的なスタイルを考案しています。
最大の特徴は、ワイドなスクリーンのみで構成されているトップフェアリング。
ユニークかつ革新的な構造のこのフェアリングには、グラスファイバーを含んだ特殊テクノポリマー製の透明スクリーンを採用し、高い防風性能と視認性を実現します。
また、内側のインストルメントパネル(メーター)のサポートも兼ねることで、スタイリッシュながら、効率的に強度を持たせることにも貢献します。
さらに、フルLEDライトシステムにはDRLを備えたコンパクトな新型ヘッドライトユニットを装備し、夜間走行などでの見えやすさなども実現。
スーパースポーツのRS660などにも採用されているエアロパーツ、ダブルフェアリングも装備することで、優れた空力特性も実現します。
●2気筒エンジンはトルクを増大
心臓部となるエンジンには、スーパースポーツ「RS660」などにも採用されている排気量659ccの2気筒エンジンを搭載。
最高出力をRS660の100ps/1万500rpmに対し80ps/9250rpmに抑えていますが、その分トルクを増大。RS660の67.0Nm(6.83kgf-m)/8500rpmに対し、6500rpmというより低い回転数で70Nm(7.13kgf-m)を発揮します。
これにより、単気筒のエンデューロバイクと中排気量のアドベンチャーバイクがそれぞれ持つ長所を両立することに成功。
低速域から扱いやすく、中〜高速域での心地よい加速感も実現し、車両重量204kgという軽い車体と相まって、オンロードからオフロードまで幅広いシーンで走りを楽しめます。
車体には、高張力のスチールチューブと鋳造アルミニウムプレートを使用した新しい構造のフレームを採用。
サブフレームは、210kgまでの荷重に耐えられる強固な構造を実現するために、フレームに溶接されています。これにより、パニアケース搭載時やパッセンジャーを乗せて走る際も、十分な強度を実現します。
また、シート高は860mmと比較的低く抑えることで、様々な身長のライダーが地面に足が届きやすいように配慮。
その上で、サブフレームエリアを可能な限り低くすることで、オフロードライディングに欠かせない豊富なリヤホイールトラベル量を確保し、悪路走行での高い走破性に貢献します。
●最新の電子制御システムを搭載
トゥアレグ660は、最新の電子制御システムを搭載することも注目点です。
世界最高峰の2輪レース「MotoGP」参戦で培われた独自の電子制御パッケージ「APRC(アプリリアパフォーマンスライドコントロール)」を搭載することで、安全かつスリリングな走りを実現します。
トゥアレグ660のAPRCパッケージには、主に以下のような機能が盛り込まれています。
ATC(アプリリア トラクションコントロール):
4段階に調整可能で、無効にすることも可能なトラクションコントロール。細かくチューニングされた高性能なロジックと操作が特徴
ACC(アプリリア クルーズコントロール):
スロットルに触れずに設定速度を維持。ハイウェイ走行時に非常に便利
AEB(アプリリア エンジンブレーキ):
スロットルを閉じた際のエンジンブレーキを制御するシステム。3段階の調整が可能
AEM(アプリリア エンジンマップ):
エンジン出力の特性やパワーデリバリーを変更するための3種類のマッピングを搭載。最大出力を変えずに、好みの出力特性を選べる
ほかにも、ライダーのニーズに応じてトラクションコントロール、エンジンブレーキ、ABSなどの設定を変えられる4タイプのライディングモードも用意。
日常的なライディングに最適な「Urban(アーバン)」、オンロード向きの「Explore(エクスプロアー)」、オフロード向きの「Offroad(オフロード)」、好み応じ設定をカスタマイズできる「Individual(インディビジュアル)」から選べます。
さらに、スロットルを閉じたりクラッチレバーを操作することなく、素早いシフトチェンジが可能な「AQS(アプリリアクイックシフト)」もオプション設定。長距離ツーリングなどでライダーの疲労軽減などに貢献します。
車体カラーは、マーシャンレッド、アシッドゴールドの標準色に加え、プレミアムグラフィックとしてインディゴタゲルマストも設定。
価格(税込)は154万円〜156万2000円です。
(文:平塚 直樹)