手塚治虫が逝去/超高級車で知られるマイバッハ生まれる/前代未聞の二重空冷ホンダ1300にクーペ登場!【今日は何の日?2月9日】

■手塚治虫の命日にちなむ「漫画の日」

1989(平成元)年2月9日、漫画の神様と称された手塚治虫が亡くなったことから、この日が「漫画の日」に制定されました。「鉄腕アトム」、「ブラックジャック」、「ジャングル大帝」、「火の鳥」、「リボンの騎士」、懐かしいですね。

さて、2月9日に生まれたのは、野球選手のT-岡田(岡田貴弘)、サッカー選手の遠藤航とラモス瑠偉、作家の伊集院静、米国シンガーのキャロル・キング、自動車技術者のヴィルヘルム・マイバッハなどです。本日紹介するのは、ヴィルヘルム・マイバッハです。

●超高級車ブランドのマイバッハの創業者、ヴィルヘルム・マイバッハが誕生

ヴィルヘルム・マイバッハ(C)Creative Commons
ヴィルヘルム・マイバッハ(C)Creative Commons
2021年に発売された新型メルセデス・マイバッハSクラス
2021年に発売された新型メルセデス・マイバッハSクラス

マイバッハは、現在メルセデス・ベンツの最高級モデルに冠されるサブ・ブランドとなっています。その名前の由来となったヴィルヘルム・マイバッハは、1848年2月9日にドイツのハイルブロンで生まれました。1880年代後半にゴットリープ・ダイムラーとエンジンの開発を行い、1890年に共同で自動車を製造する「ダイムラー・モトレン・ゲゼルシャフト(DMG)」を設立しますが、ダイムラーが亡くなるとDMGを離れ、1909年に息子と「マイバッハ・モトレンバウ」を組織して、最初は飛行船用のエンジンを製造しました。

その後、1922年から1939年にかけて高級自動車を製造して、「マイバッハ」という高級車ブランドを確立。しかし経営的には厳しく、1966年にダイムラー傘下に収まりますが、長くマイバッハブランドは沈黙を続けます。そして、2002年にメルセデス・ベンツから「マイバッハ57/62」が登場して復活。現在は独自モデルこそなくなりましたが、Sクラスのさらに上級の超高級仕様として君臨しています。どのような基準か分かりませんが、買う人を選ぶそうですよ。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●水冷と空冷を融合させたホンダ1300にクーペがデビュー!

1970(昭和45)年2月9日、ホンダから「ホンダ1300」のクーペモデルである「1300クーペ」がデビューしました。前年にデビューしたホンダ1300は、二重空冷という複雑な冷却機構を持つ1300ccDOHCエンジンを積んだ本格的な4ドアセダンです。

1970年にデビューした1300クーペ、個性的なフロントマスク(C)Creative Commons
1970年にデビューした1300クーペ。個性的なフロントマスク(C)Creative Commons
1300クーペの流れるようなセミファストバック(C)Creative Commons
1300クーペの流れるようなセミファストバック(C)Creative Commons

追加で設定された1300クーペは、シングルキャブの「クーペ7」と4キャブの「クーペ9」という2つのモデルを用意。丸型4灯のヘッドライトを備えた2分割式のフロントグリルや流れるようなセミファストバックのスタイリングは、個性的なアメ車風でした。いっぽうエンジンは、低中速域でのトルク確保を狙って最高出力をデチューン。とはいえ、クーペ7で95PS、クーペ9で110PSという最高出力は、当時としてはトップクラスの性能を発揮しました。

1969年にデビューした1300セダン
1969年にデビューした1300セダン

二重空冷というシステムは、空冷にこだわる本田宗一郎と、水冷化を果たしたい技術陣のせめぎ合いから生まれた前代未聞の冷却方式です。とはいえ、排ガス規制が厳しさを増すとさすがの本田宗一郎も空冷エンジンの限界を感じ、1973年に1300シリーズの生産を中止、後を引き継いだのは145/145クーペという水冷モデルでしたが、本田宗一郎はその後も1300に乗り続けたといいますから、さすが「頑固オヤジ」ですね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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