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■2021年の王者クアルタラロとモリビデリで2連覇へ
世界最高峰の2輪レース「MotoGP」に参戦するヤマハのワークスチーム「モンスターエナジーヤマハMotoGP(Monster Energy Yamaha MotoGP)」が、2022年シーズンの体制を発表しました!
2021年の年間チャンピオンに輝き、ヤマハに6年ぶりの快挙をもたらした「ファビオ・クアルタラロ」選手と、昨シーズン途中からワークス入りした「フランコ・モルビデリ」選手を継続起用することを明らかにしたほか、ワークスマシン「YZR-M1」の2022年モデルも公開されました。
●英雄「ロッシ」の代わりを見事に完遂
まず、2022年シーズンのエースライダーとなるクアルタラロ選手。
伝説のライダー「バレンティーノ・ロッシ選手」の代わりとして、2021年シーズンにヤマハワークスに加入し、初年度でいきなり世界最高峰MotoGPの王者に輝いた実力者です。
しかも、最高峰クラスでフランス人がチャンピオンになるのは初。ヤマハにとっても2015年のホルヘ・ロレンソ選手以来、6年ぶり18回目の快挙となりました。
1999年にフランスで生まれた22歳のクアルタラロ選手は、2019年にヤマハのサテライトチーム「ペトロナス・ヤマハSRT(PETRONAS Yamaha SRT)」に加入し、最高峰クラスのMotoGPに昇格。
7回の表彰台などで非凡なる才能を発揮し、翌2020年にも3勝をマークするなどで大活躍します。
そして、2021年シーズン。前述の通り、ワークスチーム入りを果たしたクアルタラロ選手は、5勝を含む10度の表彰台に上って見事タイトルを獲得します。
同シーズンのクアルタラロ選手は、前シーズンまでヤマハワークスを牽引してきた英雄「バレンティーノ・ロッシ」選手が、ヤマハのサテライトチームであるペトロナス・ヤマハSRTに移籍したこともあり、エースライダーとしての重責がいきなり課せられた年。
そのプレッシャーを見事にはねのけ、年間を通して速さを維持し、見事にチャンピオンを奪取したのです。
もうひとりのヤマハワークスライダー、フランコ・モルビデリ選手も、元々はサテライトチームであるペトロナス・ヤマハSRTに所属していましたが、2021年シーズンの途中からワークスチームのモンスターエナジーヤマハMotoGPへ加入。
ケガの影響もあり、ランキングは17位でしたが、2020年シーズンにはMotoGPクラスでランキング2位を獲得するなど、その速さは折り紙付き。
しかも、サテライトチーム時代の2019年からの2年間はクアルタラロ選手と同チームで、当時のヤマハワークスよりも好成績を残すレースもあったほどです。
これら2人の実力派ライダーが、どんな走りを披露してくれるのか? 今からとっても楽しみですね。
●YZR-M1の2022年モデルに変更は?
一方、MotoGPマシン「YZR-M1」の2022年モデル。カラーリングなどには大きな変更はなく、メインスポンサーである清涼飲料メーカー「モンスターエナジー」のロゴがマシンのサイドカウルなどへ施されます。
また、車体やライダーのレザースーツなどには、モンスターエナジー・ブラックとヤマハファクトリーレーシング・ブルーへのグラデーションが採用されます。
なお、サテライトチームでは、スポンサーの変更により、チーム名が「WithUヤマハRNFMotoGPチーム」に。
ライダーには、2021年シーズン途中から加入したイタリア人ライダー「アンドレア・ドビツィオーゾ」選手が継続参戦。加えて、ロッシ選手が昨シーズン限りで現役を引退したため、代わりに入ったのは23歳の南アフリカ人ライダー「ダリン・ビンダー」選手です。
最高峰クラスに2001年から参戦する大ベテランのドビツィオーゾ選手と、MotoGPの下位クラスで250ccマシンで競うMoto3から昇格した若手ビンダー選手。このコンビが、どんな活躍をみせてくれるのかも注目です。
現在、MotoGPの2022年シーズンは21戦を予定。ヤマハの連覇や、サテライトチームの躍進に期待です。
(文:平塚直樹)