ヤマハ発動機の新型スポーツ電動アシスト自転車「WABASH RT」「CROSSCORE RC」は、自転車文化を広げる伝道師の役割も担う

■グラベルロード(未舗装)も楽しめる「WABASH RT」、シティユースから週末レジャーまで対応する「CROSSCORE RC」

以前お伝えしたように、ヤマハ発動機から「e-Bike」と呼ばれるスポーツ電動アシスト自転車の新モデルが発表されました。

発表会で「グラベル(gravel)」という言葉について、ヤマハ発動機のSPV事業部で商品企画を担当した黒沢大介さんから説明があったそうです。WRCに代表されるラリーや「パリダカ」などラリーの世界でよく使われる言葉で、砂利道などの舗装されていない路面(未舗装路)のことです。

ヤマハ発動機 WABASH RT
ヤマハ発動機のグラベルバイク「WABASH RT」。2022年3月10日発売

自転車の世界でもグラベルというキーワードが使われています。

黒沢大介さんによると、「砂利を意味する英語で、グラベルロード(未舗装)を楽しむスタイルが欧米の自転車ファンの間で急速に人気を高めています。クルマでいえばSUVに近いかもしれません。カジュアルなマインドとファッションで、グラベルを楽しむ愛好者が広がっています」と「新型電動アシスト自転車(e-Bike)」の発表会で説明。

ヤマハ発動機 CROSSCORE RT
3月10日発売のクロスバイク「CROSSCORE RT

2022年3月10日に発売を控えた新製品「WABASH RT(ワバッシュ アールティ)」は、日本ではまだなじみの薄い「グラベル」の楽しみ方を広く提案するe-Bike。

先述したように、グラベルライド愛好者の多い欧米では、自転車にキャンプ道具を積んで冒険ライドを楽しんだり、仲間たちとともに素敵な景色を求めて林道を走る楽しみ方が広がっています。

欧州では自転車が日常になくてはならない存在で、電車に自転車を乗せて週末ライドを楽しむ人も多くいます。

「WABASH RT」は、日本でもこうしたスタイルをより快適に楽しめるように、オンロードの快適性とオフロードの走破性、さらにはバイクバッグやボトルゲージといったアクセサリー類を装着するための機能を満載したモデル。究極のユーティリティプレイヤーといえるかもしれません。

では、具体的にどういった使われ方が提案されているのでしょうか。商品企画を担当した黒沢大介さんは、「たとえば、東京周辺のフィールドだったら(どう遊ぶ)?」という質問に、「そうですね、都心に近い自宅から出発したとして、多摩川の河川敷をずっと上って、道草したり、途中で仲間と合流したりしながら、奥多摩の秘境のキャンプ地をみんなで目指すなんてどうでしょう?」とモデルプランの一例を提案。

「カジュアルだけど非日常的。きっと、アドベンチャー要素も含んだ楽しい時間を過ごせると思います」と続けます。なお、発表会では、セレクトショップ「FREAK’S STORE」とコラボされたフル装備のコンセプトモデルも紹介されました。

ヤマハ発動機
商品企画を担当した黒沢さん(左)。発表会でゲストMCを務めた山下晃和さん(モデル、トラベルライター)

もう1台のニューモデル「CROSSCORE RC(クロスコア アールシー)」は、「WABASH RT」と共通構造のフレームとドライブユニットを搭載したクロスバイク。シティユースから週末のレジャーまで、幅広くオールマイティにこなせるe-Bike。

「グラベルをe-Bikeで楽しむスタイルは、すでに欧米では顕在化しています。健康、脱炭素、人とのつながり、そしてファッション性といったさまざまな視点でいまの時代にフィットしているとも感じていますので、日本でもきっと支持をいただけると思います」と期待を寄せています。

「近い将来、グラベルと聞いただけで使い方までイメージしていただけるよう、シーンを大切に育てていきたいと思います」と、自転車文化の広がりにも寄与する想いを語っています。

塚田 勝弘

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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