■ボディタイプは、SUVとSportback(スポーツバック)を設定
アウディは、EVの「e-tron」を順次日本に上陸させています。2022年1月17日(月)には第3弾の「Audi Q4 e-tron」シリーズが発表され、今年秋以降の発売が予定されています。
「Audi Q4 e-tron」は、アウディによる初のコンパクトSUVのEV。ラージサイズSUVのEVである「Audi e-tron」「Audi e-tron Sportback(スポーツバック)」、スポーティな4ドアグランツーリスモ「Audi e-tron GT」に続くモデルです。
ニーズが高くなっているコンパクトSUVに待望のバッテリーEV(BEV)が加わることになります。
ボディタイプは、存在感のあるフォルムのSUV、スタイリッシュなクーペSUVのSportbackの2タイプが設定されています。
マトリクスLEDヘッドライトには、量産車として世界初となるMMIを通じ、4つのデザインから選択可能なデジタルデイタイムランニングライトが用意されています。
Audi Q4 e-tronは、EV専用プラットフォームの「MEB」で仕立てられ、全長4.59m、全幅1.87m(欧州値)というサイズ。
Q3とQ5の間に収まるコンパクトなボディサイズで、インテリアの長さは、Q5を上回り、キャビンやラゲッジスペースは、上位モデルに超えるスペースを実現。
荷室容量は、520L(Sportback)は535Lに達し、カップホルダーやドリンクホルダーなど合計24.8Lの収納スペースも確保されています。
空力性能にも注力されています。電動開閉式の冷却エアインレットやフロントスポイラーに対し、垂直に配置されたディフレクター、立体的なホイールディフレクター、空力性能を最適化したデザインのエクステリアミラーハウジング、テールゲートのサイド部分(SUV)やリヤスポイラー(Sportback)などにより、Cd値はQ4 e-tron が0.28、Q4 Sportback e-tronが0.26で、SUVとして優秀な数値になっています。
グレード構成は、Q4 e-tronは、「Base」「advanced」「S line」の3タイプ、Q4 Sportback e-tronは、「advanced」 、「S line」の2タイプ。
両モデルともに「advanced」は、フロントグリルのカラーが「ヘクラグレー」になり、マトリクスLEDヘッドライトや19インチアルミホイールが用意されています。「S line」は、グリルが「プラチナムグレー」とクロームパーツのコーディネイトになり、フロントバンパーやサイドシル上部に「セレナイトシルバー」のカラーリングが施されています。20インチアルミホイールが装着され、よりスポーティさを強調。
インテリアは、センタークラスターがドライバーに向けられたドライバーオリエンテッドなコクピットデザインが採用されています。特徴的なセンターコンソールと専用デザインのシフターを装備。
メーターには、10.25インチの「アウディバーチャルコックピットを、センターには11.6インチの MMIタッチディスプレイを配置することによって、フルデジタルのコックピット」を形成。
アウディ初となる上下ともにフラットな形状の新世代のステアリングホイールは、ハードボタンがないシームレスなタッチ式です。
また、フロントスクリーンには、上下2つに分けて情報を表示するARヘッドアップディスプレイをコンパクトセグメントとして日本に初導入。上部には、ナビゲーションや車線逸脱警告などを、フロントガラス越しの視界に映像を重ねて約10m前方に表示し、下部には速度などの主要な情報を約3m前方に表示されます。
●リヤアクスルのモーターが後輪を駆動し、一充電走行距離は516km(欧州値)
パワートレインは、システム電圧400Vのテクノロジーが使われた総容量82kWh(実容量77kWh)の駆動用バッテリーが前後アクスル間の床下に搭載されています。リヤアクスルに1基のモーターが搭載され、後輪を駆動します。駆動用モーターは最高出力150kW、最大トルク310Nmを発揮。0-100km/h加速は、8.5秒でクリアします。
一充電走行距離は、516km(欧州値)と日常使いに十分に対応します。充電関連では、200Vの普通充電は標準は3kWで、オプションとして最大8kWまで対応。急速充電は「CHAdeMO(チャデモ)」規格の125kWに対応していて、たとえば125kWで5%から80%までが38分で充電可能(理論値)になるそうです。
また、通常とは異なるモーター始動、停止方法が採用されているのもトピックスです。着席してスタートボタンを押す従来の方法か、もしくはブレーキペダルを踏むだけでイグニッションがオンになるそう。
停車時はサイドブレーキボタンを押し、ブレーキを離すとイグニッションがオフになり、パーキングブレーキのボタンもないそうです。
走行中の回生ブレーキの強さはパドルシフトで3段階に調整できます。また、アウディ初の「Bモード(パドルシフトで最大のレベル3に相当)」を備えていて、アクセルペダルだけで速度調整ができるワンペダルでのドライブ感覚も享受できそうです。
最先端の先進安全装備、ドライバー支援システムも搭載されています。フロントカメラをはじめ車体前後に中距離レーダーと超音波センサーが、また車体前後と左右ミラーに計4つの360度周辺環境カメラが内蔵されています。
従来のアダプティブクルーズコントロール(ACC)とアクティブレーンアシストが統合された「アダプティブクルーズアシスト」をはじめ、死角を並走する車両を検出する「アウディサイドアシスト」、後方から近づく自転車や車両をセンサーで監視する「エグジットワーニング」など多数の機能が装備されています。
気になる価格は、エントリー仕様は600万円を切っています。ボディサイズの制約からこうした高級EVを断念していた方も視野に入るクラスのEV(SUV)となっています。
●価格
「Q4 40 e-tron」:599万円
「Q4 40 e-tron advanced」:662万円
「Q4 40 e-tron S line」:689万円
「Q4 Sportback 40 e-tron advanced 」:688万円
「Q4 Sportback 40e-tron S line」:716万円
(塚田 勝弘)