■エスクァイアが廃止された理由とは?
2022年1月13日、トヨタの人気ミニバンである新型ノア/ヴォクシーが発売されました。なお、ハイブリッドは、2022年1月下旬からの生産になります。
開発本部長兼チーフエンジニアは、同社の「ミスター・ミニバン」こと水澗英紀氏で、3代続けて同じ車種でチーフエンジニアを務めるのは、トヨタでも初かもしれないとのこと。
新型ノア/ヴォクシーが登場はまさに待望といえる反面、高級路線のエスクァイアは姿を消しています。その点について水澗氏は、エスクァイアは元々チャネル対策で追加された車種であり、全車種が併売されている今、ノアの1車種展開も(理屈としては)あり得たそうです。
思いのほか、ヴォクシーが売れたことで、エスクァイアの高級路線を受け継ぐ意味も含めて、人気のヴォクシーも新型として設定されています。
ノアはエアロモデルに加えて、シンプルでありながら上質感が追求された基準(ノーマル)仕様を用意。
ヴォクシーは、独創的なフロントマスクが目を惹くエアロ系のみとなっています。
パワートレーンでの注目は、最新世代のハイブリッドシステム。1.8Lの直列4気筒エンジンを搭載し、すべての電動モジュールが刷新されています。モーターとバッテリーの高出力化だけでなく、システムの高効率化を実現。
ハイブリッドの従来型は、荷室床下に補機バッテリーが鎮座していましたが、補機バッテリーもエンジンルームに収まるようになるなど、積載性の向上にも寄与している最新世代のハイブリッドシステムです。なお、WLTCモード燃費は、クラストップの23.4km/Lに達します。
ガソリンエンジン仕様は、2.0Lの「ダイナミックフォースエンジン」とCVTの組み合わせで、ガソリンエンジン車トップクラスのWLTCモード燃費15.1km/Lを実現し、力強い加速も享受できるそう。
また、4WDの性能向上もトピックス。ハイブリッドのE-Fourは、モーター出力の向上により、後輪へのトルク配分を拡大。コーナリング中の前後輪トルク配分も含めてハンドリングの性能向上が図られているほか、滑りやすい路面での発進性も向上しているそうです。
ガソリンエンジン車の4WDは、ダイナミックトルクコントロール4WDで、滑りやすい路面で後輪にトルクが配分されます。
■世界初の安全装備やレクサスNX譲りの先進装備を満載
そのほか、レクサスNXと同等レベルの最新の「トヨタ・セーフティ・センス」も採用されています。
トヨタ・ブランド初搭載となる「プロアクティブドライビングアシスト」は、歩行者や自転車などの飛び出しを検知範囲内で予測し、状況に応じてステアリングやブレーキ操作のサポートも行います。
さらに、パワースライドドア装着車に、後方から近づく自転車、オートバイ、車両を検知し、ドアミラーのインジケーターとメーターディスプレイで警告する機能を搭載。続けてパワースライドドアを開けて降車しようとすると、スライドドアを途中で停止させたり、オープン操作をキャンセルしたりする機能も初搭載されています。
ほかにも、レクサスNXなどに続き、「アドバンストパーク」が備わり、自動駐車機能(自動出庫も可能)だけでなく、スマホ・アプリで車外から車両の駐車操作が可能になっています。狭い場所からクルマを前後させて、広い場所で乗降することができます。
ナビはトヨタ・ブランド初の「コネクティッドナビ」に対応し、センターから通信で取得した最新地図や渋滞情報、施設情報の取得などがはじめ、車内Wi-Fiもトヨタ車初採用するなど、コネクティビティの強化も図られています。新型レクサスNXは、次世代レクサスの第1弾として登場しました。
新型ノア/ヴォクシーは、普及価格帯のミニバンでありながら、最新世代のトヨタ車ともいえる先進装備が数多く設定されています。
●「ノア・ガソリンエンジン車」価格帯:267万〜351万8000円
●「ノア・ハイブリッド」価格帯:305万〜389万円
●「ヴォクシー・ガソリンエンジン車」価格帯:309万〜358万8000円
●「ヴォクシー・ハイブリッド」価格帯:344万〜396万円
(文/塚田勝弘 写真/井上 誠)