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■AT限定免許でも乗れる本格ツアラー
ホンダは、海外で先行販売していた1100cc・2気筒エンジン搭載のスポーツツアラー「NT1100」を、2022年3月17日(木)に国内でも発売することを発表しました。
アドベンチャーモデルの「アフリカツイン」をベースに、可変式の大型ウインドスクリーンやスマートフォン対応の6.5インチメーターなどを採用。
加えて、一連の変速操作を自動化する「デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)」を標準装備し、街乗りから長距離ツーリングまで、幅広いレンジでの扱いやすさや快適性を実現する注目のモデルです。
●低速トルクと高回転パワーを両立
NT1100は、オン/オフ両方で高い走破性を実現するアドベンチャーモデル、アフリカツインのエンジンやシャシーを採用し、長距離ツーリングなどでの快適性を追求したツアラーモデルです。
外観デザインには、シンプルながらキャラクターラインを強調させるデザインを施して、引き締まった印象と軽快さを演出。グラフィックは使用せず、ロゴも控えめに配置することで、スポーティかつ落ち着いた上質感を表現しています。
エンジンには、動弁系にユニカム形式を採用した排気量1082cc・2気筒を搭載。トルクフルなアフリカツインの大排気量エンジンをベースに、吸排気系を専用設計することで、低速から豊かで幅広く使えるトルクと高回転までスムーズに回る特性を実現します。
動力系で注目なのは、デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)を標準装備すること。これは、クラッチレバーとチェンジペダルによる変速操作をなくし自動化する機構で、いわばクルマのATのようなシステムです。
これにより、スロットル操作などほかの車体操作に集中でき、より確実で安心感をもったライディングを楽しむことができます。また、運転はAT限定大型免許でも可能ですから、より幅広いライダーが楽しむことを可能としています。
●5段階に調整できる大型ウインドスクリーン
車体関係では、ライダーの好みにあわせて高さと角度を5段階に手動で調整可能な大型のウインドスクリーンを採用。ハンドルグリップとステップの前部に配置したディフレクターとあわせ、高い防風性能を持たせることで、高速クルージング時の快適性に寄与します。
足まわりでは、倒立式フロントフォークにショーワ(日立Astemo株式会社)製「SFF-BP(セパレート・ファンクション・フロントフォーク・ビッグピストン)」を装備。これは、右側フォークに減衰機構とスプリング、左側フォークにスプリングのみを装備したもので、摺動抵抗の低減と車体の軽量化に貢献します。
また、リヤクッションにはシングルチューブ分離加圧式を採用し、優れた路面追従性による上質な乗り心地も提供しています。
さらに、メーターには、6.5インチタッチパネル式TFTフルカラー液晶のマルチインフォメーションディスプレイを採用。アップルカープレイやアンドロイドオートにも対応するため、スマートフォンをUSBケーブルで接続すれば、メーター内でスマホのアプリを使うこともできるほか、ブルートゥース接続も可能です。
●走行状況に応じ4つのモードを選択可能
先進の安全支援装備も万全で、前輪の浮き上がりと後輪スリップを緩和する「Hondaセレクタブル・トルク・コントロール(HSTC)」を搭載します。
また、走行状況に応じた出力特性を選択できるライディングモードも用意。タンデム走行などでの快適な加速感を重視した「ツアー」、オールラウンドな特性の「アーバン」、雨天時などの走行に適した「レイン」、自分好みのモード設定が可能な「ユーザー」の4タイプから選べます。
車体色は、「マットイリジウムグレーメタリック」と「パールグレアホワイト」の2色。価格(税込)は168万3000円です。
(文:平塚 直樹)