新型エンジン搭載。トライアンフが大型冒険バイク「タイガー1200」の2022年モデルを日本発売

■より軽くパワフルになった新型4モデル

英国製バイクのトライアンフを扱うトライアンフモーターサイクルズジャパンは、フルモデルチェンジを受けた大型アドベンチャーツアラー「タイガー1200」シリーズを国内販売することを発表。

トライアンフ新型タイガー1200の4モデルが日本発売
トライアンフの新型タイガー1200シリーズ

新型3気筒エンジンの採用や、大幅な軽量化が施された注目の2022年モデル。国内導入されるのは、オンロード指向の「GTプロ」と「GTエクスプローラー」、オフロードの走破性も高いオールラウンドな「ラリープロ」と「ラリーエクスプローラー」の4モデルになります。

●オンロード系とオフロード系の2ライン

タイガー1200シリーズは、舗装路での快適な走りと未舗装路での高い走破性を両立し、ロングツーリングからオフロードでの冒険走行まで幅広く対応するアドベンチャーモデルと呼ばれるジャンルのバイクです。

120年の歴史を誇るイギリスのトライアンフモーターサイクルズが技術力を結集して開発したのが、その新型モデル。外観デザインはもちろん、先代モデルより25kg以上軽量化された車体、最高出力を9psアップした150psを発揮する1160cc・3気筒エンジンなど、すべてが刷新されています。

トライアンフ新型タイガー1200の4モデルが日本発売
タイガー1200GTプロ

国内販売されるラインアップには、先代と同様に、オンロード指向とオフロード指向といった2つのラインを設定。

フロント19インチ、リア18インチのアルミ製キャストホイールを装備したオンロード系には、20Lの燃料タンクを装備するGTプロ、30L燃料タンク仕様のGTエクスプローラーを設定。

フロント21インチ、リア18インチのチューブレス・スポークホイールを装備したオフロード系では、ラリープロに20Lの燃料タンク、ラリーエクスプローラーは30L燃料タンク仕様となっています。

●エンジンに独自のTプレーン・クランク採用

新型タイガー1200シリーズの大きな特徴は、まず、先述した新型の1160cc・3気筒エンジンです。

トライアンフ新型タイガー1200の4モデルが日本発売
タイガー1200ラリープロ

独自のTプレーン・クランクにより、180度、270度、270度の不均等サイクルパルスを発生させ、その結果、1サイクルの間に1つの短いギャップと2つの長いギャップが生じることで、低回転での特性とトルクを改善させています。

それにより、低速域では2気筒エンジンのような太いトルク特性を生み、オフロードなどで優れた走破性能を発揮。一方、高速域では、3気筒エンジンならではの伸びやかなパワー特性も合わせ持ち、高速道路などでの長距離クルーズで余裕の走りを実現します。

また、新エンジンは、ボア・ストローク、クランク、シリンダーヘッド、ギアボックス、クラッチ、そしてシャフトドライブとベベルボックスなどを一新。多くのパーツを大幅に軽量・コンパクトにすることで、全体的に引き締まったエンジンとなり、ライディングダイナミクスに大きな変化をもたらしています。

●車体も各部の見直しで軽量化

車体各部の大幅軽量化も新型のトピックスです。新型フレームは、ボルトオンのアルミニウム製リヤサブフレームとボルトオンのリヤハンガーを採用するなどで、従来のデザインよりも5.4kgの軽量化を実現します。

トライアンフ新型タイガー1200の4モデルが日本発売
タイガー1200ラリーエクスプローラー(右はオプション装着車)

また、従来型の片持ち式スイングアームから1.5kgの軽量化と強度の向上を実現した新開発のトライリンク式スイングアームや、小型軽量化されたシャフトドライブとベベルボックスなども装備。

これらが、前述の通り、先代モデル比で25kg以上軽くなった車体や、ハンドリング特性の向上などに貢献します。

ちなみに、シート高は、GTプロ&GTエクスプローラーでは850mmと870mmの2種類、ラリープロ&ラリーエクスプローラーでは875mmと895mmの2種類を設定。

これらは、付属のローシートオプションにより、シートポジションをさらに20mm下げることも可能です。

●先進機能で死角のクルマも検知

新型モデルは、電子制御や先進の安全運転支援システムなどがアップデートされていることも注目点。まず、GTエクスプローラーとラリーエクスプローラーには、コンチネンタル社と共同開発した「トライアンフ・ブラインドスポットレーダーシステム」を新採用しています。

トライアンフ新型タイガー1200の4モデルが日本発売
タイガー1200ラリーエクスプローラー(写真はオプションのアルミ製パニアケース装着)

これは、2つの先進安全機能を備えたシステム。車体後方に設置したレーダーによって、死角に他の車両が入ってきたことをライダーに知らせる「ブラインドスポットアシスト」、ライダーが車線変更を指示した際に他車両が接近してきた場合、より目立つように警告を発する「レーンチェンジアシスト」を備えます。

ほかにも、コーナリング時に最適化されたトラクションコントロールを全車に標準装備。さらに、モデルにより最大6タイプのライディングモードも用意し、スロットルレスポンスやABS、サスペンションやトラクションコントロールを走行状況などに応じて設定することが可能です。

ちなみに、各車のライディングモードは、GTプロとGTエクスプローラーに「ロード」「レイン」「スポーツ」「ライダーの任意設定」「オフロード」の5タイプを設定。

トライアンフ新型タイガー1200の4モデルが日本発売
タイガー1200GTエクスプローラー

ラリープロとラリーエクスプローラーには、それらに加え、よりハードなオフロード走行に対応した「オフロード・プロ」も用意します。これは、ABSとトラクションコントロールをオフにし、オフロード用のスロットルマップを採用したモード。ラリー競技並みの過酷な冒険走行にも適した設定といえる内容です。

なお、国内の販売価格(税込)は、コチラです。

タイガー1200GTプロ:236万4000円〜239万4000円
タイガー1200GTエクスプローラー:254万9000円〜259万4000円
タイガー1200ラリープロ:251万9000円〜256万4000円
タイガー1200ラリーエクスプローラー:269万9000円〜274万4000円

(文:平塚 直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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