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■3連戦は幸せ! だけど追いつかない…
●F1女子は、子育ての合間にF1で息抜き♪&大興奮!
2021年F1第18戦メキシコGP(11月5日〜7日)から怒濤の3連戦が終わりましたね。
毎週F1を観られるのは幸せなのですが、ただ今絶賛育児中! 1歳になった娘はお昼寝もあまりしなくなり、夜はひどい時は30分おきに泣き、1時間かけて寝かしつけ…なんてこともしょっ中です。
おかげで自分の時間はほぼゼロ。大好きなF1を、娘が寝ているすきに見ようと思ってもなかなか進まず、それに加え3連戦となると全く追いつきません(汗)。
ようやく3レース分、全て見終わったので、“超のんびり”になってしまいましたが一緒に振り返ってもらえたら幸いです。
●メキシコGPで一番目立っていたのはドライバーじゃない!?
毎年お祭り騒ぎのメキシコGP。特に今年は、メキシコ出身のセルジオ・ペレスがトップチームのレッドブルに移籍し優勝のチャンスもあるということで、いつも以上の熱気でしたよね。
“チェコ”の愛称で親しまれているペレスは、予選Q3のラストアタックでまさかのコースオフ。タイムを更新できませんでした。予選が始まる前からチェココールが鳴り止まなかったし、家族も見に来ていたしで相当なプレッシャーだったはず。それでも4番手を獲得し、メキシコ人ドライバーとして初表彰台、いや優勝を目指します。
決勝日。スタート直後からセーフティカーが導入される波乱の幕開けとなりましたが、ペレスは混乱を避け3位に浮上! これにはお客さんも大興奮です。
「ドロップオフ(ある時点からグリップが急激に低下すること)が凄い」と訴える2番手ルイス・ハミルトン(メルセデス)に対し、「タイヤが良くなってきている」と絶好調のペレスはハミルトンより速いペースで追いかけます。「これは抜けるかもしれない…」、そんな事を思っているのか、真剣にモニターを見つめるペレスパパの姿が印象的でした。
タイヤに優しい男ペレスは、ハミルトンより11周多くスタートタイヤで走り、ハードタイヤに交換して約9秒後方で復帰。ファステストラップを刻みながら近づき、50周目にはチームから「あと6周でつかまえることができるよ」と無線が! チェコ、頑張れー!!
ラスト10周、その差は1秒台へ。お客さんは総立ちで応援します。そしてラスト1周でついにDRS圏内に!! 残念ながら最後まで抜くことはできませんでしたが、メキシコ人初の3位表彰台を獲得しました。
マシンから降りると、家族とチームクルーが祝福。会場はチェココールが鳴り止みません。優勝したチームメイトのマックス・フェルスタッペンも祝福にかけつけ、2人でメキシコ国旗を広げて記念撮影!
「なんて良いチームなんだろう〜」と思ったら、2人の間に入ってきたペレスパパ(笑)。チームやフェルスタッペンのところへもグイグイ行っていたし、メキシコ国旗をひろげて大騒ぎしている姿は息子より目立っていましたよね。
メキシコGPの全てがペレスパパにもっていかれたので、MVPに決まりっ!
●ドラマティックな週末になったブラジルGP
第19戦ブラジルGP(11月12日〜14日)は、まるで映画でも見ているかのような、ドラマティックな展開になりましたよね。
主人公はハミルトン。今シーズン3回目のスプリントレース予選のスターティンググリッドを決めるための予選では、ポールポジションを獲得。予選終了後の無線で「さあ、行こう!」とやる気に満ちあふれていたのですが、DRS技術規則違反で予選失格になってしまったのです…。
これにより、スプリントレース予選のポールポジションはフェルスタッペンに。チャンピオンシップ争いを思うと、一番譲りたくない人にその座を渡してしまうことになりました。
さらにハミルトンは決勝でパワーユニットのICE(内熱機関/エンジン)投入のため5グリッド降格が決まっています。いつも強運の持ち主だなと思っていましたが、今回ばかりは踏んだり蹴ったりでしたね。
スプリントレース予選ではスタートから気持ち良いくらい抜いて抜いて、抜きまくる! 最終的には5位フィニッシュです。いや~、凄かった。ある意味スプリントレース予選があって良かったのかな、なんて思ったり。
決勝日。さすがのハミルトンでも10番手スタートから優勝は無理だろう、表彰台に上がれたら良いね、なんて思いながら見ていたのですが、見事にやってくれましたよ。
なんと4周目で4番手へ! は、は、は、は、速いっ!!
さらに、その翌周にはスタートの加速が鈍く、3番手まで順位を落としたチームメイトのバルテリ・ボッタスとポジションを入れ替え、3番手に浮上しました。順位を入れ替えた直後、ハミルトンが無線で「ありがとう、バルテリ」と言っている姿に少しジーンとしちゃいました。
次のターゲットはぺレス。2台の抜き、抜かれの争いは大興奮でした。19周目に再びオーバーテイクすると、しかける隙をあたえないくらい差をつけ2番手へ!
残るは最大のライバル、フェルスタッペン。両者2回のタイヤ交換を終え、あとはコース上での勝負となりました。ファステストラップを更新しながら近づき、48周目のターン4で並びかけたその矢先、熱くなっているのか2台揃ってコースオフ。バトルはコース外でも続きます。
その後もラインを大幅に変えてポジションを守ろうとするフェルスタッペン(懐かしい、この走り方!)と、少々ハチャメチャなバトルに思わずクスっと笑ってしまったのは私だけでしょうか?
そして59周目。ついにフェルスタッペンをパス。トップに踊りでました! 予選失格にグリッド降格ペナルティ。誰がこの展開を予想できたでしょう。会場からは地鳴りのような歓声が鳴り響きます。
メルセデスF1チーム代表のトト・ウォルフの「見たかー!」と言わんばかりのカメラ目線&指さしは最高でしたよね(笑)。
ハミルトンが言っていた「諦めずプッシュし続けることが大切」という言葉が心に響く、素晴らしいレースでした。
●7年ぶりのアロンソ表彰台! 初開催のカタールGPで名言生まれる!?
怒涛の3連戦ラストは、F1初開催となった第20戦カタールGP(11月19日~21日)。コース図がどうしても指で3を作っている形に見える独特なサーキットでしたが、個人的に今シーズン一番好きなレースになったと言っても過言ではありません。
なぜかって? フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)がF1復帰後、初表彰台を獲得したからです! 最後の表彰台は2014年中国GP、フェラーリ時代で実に105戦ぶりとなりました。
今シーズンからF1に戻ってきてくれたことだけでも嬉しいのに、まさか表彰台にも帰ってきてくれるとは…。嬉しくて嬉しくて、胸がいっぱいになりました。2006年からアロンソ一筋の父は大興奮で、家族LINEは大盛り上がり。いまだに余韻にひたっています(笑)。
フェルスタッペンとボッタスのグリッド降格ペナルティにより、3番手スタートとなったアロンソ。もちろんスタート位置に助けられたところもあるとは思いますが、彼らしい素晴らしい走りを見せてくれましたよね。
スタートの蹴り出しが良く、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)をターン4で抜き2番手に! 「え? もしかして2位表彰台!?」なんてついつい期待しちゃいましたが、現実はあまくなかった…。
5周目にフェルスタッペン、そして29周目にペレスに抜かれ4番手まで順位を落としてしまいます。くぅ。これがマシンの差の現実なのか。表彰台は夢物語なの…?
この夢物語が大きく動いた41周目。なんと同じ戦略で行くであろうと思っていたペレスが、安全策のため2回目のタイヤ交換をしたのです。
3番手から7番手まで順位を落としたペレスは不満気でしたが、チームは「1ストップ勢はタイヤがたれてくるから大丈夫。表彰台にのれるよ」と。
これによりアロンソは再び3位に。このままレース終わってー! 誰か、時を早送りしてーー!!
と、ここでアロンソからチームに「エステバンにライオンのように守れと伝えてくれ」と無線が。え?ライオンのよう(笑)? 次の日、主人に「昨日の夜、1人でF1観ながら笑ってたでしょ」と言われるくらい、大爆笑でした。これは後々語り継がれるであろうF1名言になったのでは?
そして待ちに待ったゴールの瞬間。先にチェッカーを受けたのはアロンソ! やったー! おめでとう!!
1ストップ作戦でタイヤをキープしたままペースも緩めず3番手の座を掴み取れたのは、アロンソだからこそ。本当に素晴らしい走りでした。
レース終了後のインタビューや表彰式で、何度も何度もガッツポーズする姿を見てウルウル。トロフィーにキスする姿も懐かしかったですよね。最高の走りと名言でレースをいつも以上に面白くしてくれたアロンソ。これは文句なしのMVPでしょう!
(yuri)