世界初の心臓移植/ホンダジェット空を飛ぶ/日産の電気自動車リーフ発表!【今日は何の日?12月3日】

■南アで世界初の心臓移植が行われる、ホンダジェットがテスト飛行に成功!

手術のイメージ
手術のイメージ

1967(昭和42)年12月3日、南アフリカのケープタウンの外科医クリスチャン・N・バーナードによって、世界初の心臓移植手術が行われました。元気を取り戻した患者でしたが、18日後に肺炎を起こして亡くなりました。日本では、翌年1968年に札幌医科大学病院の和田寿郎医師によって、日本初の心臓移植手術が行われ、患者は一時は歩けるまで回復するも、残念ながら手術から83日後に亡くなってしまいました。当時は、移植手術の是非や脳死判定などが多くの議論を呼びましたが、1997年に脳死判定された人からの臓器移植が法的に認められ、その後は多くの移植手術が行われています。

ホンダジェット
ホンダジェット

また2003(平成15)年のこの日、ホンダの小型ジェット機「ホンダジェット」が、米国ノースカロライナ州の空を初めてテスト飛行しました。機体もエンジンもホンダ製で、開発には実に20年以上の歳月を要しました。その後テスト飛行を繰り返した後、2006年に航空機市場への参入を表明して受注を開始。市場では高い評価を受け、2017年~2019年の小型ジェット機カテゴリートップのデリバリーを記録しました。ちなみに最大巡航速度は782km/h、価格は約6億円です。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●日産が量産電気自動車リーフを発表!

2010(平成22)年のこの日、日産自動車は新型電気自動車リーフ」を発表、発売は12月20日から始まりました。リーフの車名は、植物の葉を意味する“Leaf”にちなんでおり、ゼロエミッション、無公害であることの象徴を意味します。

2010年にデビューしたリーフ
2010年にデビューしたリーフ
リーフの後ろ外観。全体的に丸みを帯びたハッチバック
リーフの後ろ外観。全体的に丸みを帯びたハッチバック

5人乗りハッチバックスタイルのリーフは、丸みを帯びたフォルムによって、親しみやすさや温かみを強調。フロント部に電気モーターを搭載した前輪駆動で、永久磁石型同期モーターは最大出力80kW(108.8PS)、最大トルク280Nm(28.55kgm)を発揮。バッテリーは、日産とNECの共同出資会社オートモーティブ・エナジー・サプライ社の容量24kWhのラミネート型リチウムイオンバッテリーで、バッテリーセルを192個並列に接続して床下に搭載されました。

リーフの車両構造。フロントにモーター、床下にバッテリー
リーフの車両構造。フロントにモーター、床下にバッテリー

満充電時の航続距離は、JC08モードで200kmを達成。充電時間は、急速充電で容量80%まで30分、一般家庭の200V電源(3相200V)では8時間、100Vの家庭用電源(単相100V)では28時間を要しました。

車両価格は376万円ですが、当時政府のEV購入補助金制度最大78万円の補助があったため、実質的には298万円の購入価格になりました。もちろん、一般のガソリン車と比べれば高価ですが、6年乗れば燃料費(EVの場合は電気代)を考慮したランニングコストは同等になるという説明がありました。

24kWhのバッテリーパック。ラミネート型リチウムイオンセルを192個並列に接続
24kWhのバッテリーパック。ラミネート型リチウムイオンセルを192個並列に接続

航続距離が200kmでは短いという声が聞かれましたが、その後改良を重ねて現在はWLTCモードで322km、大容量バッテリーを積むリーフe+は458kmまで向上しています。航続距離は飛躍的に伸びたものの、販売価格という点ではそれほど下がっていません。電気自動車が手ごろな価格となるには、もう少し時間がかかりそうですね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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