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■山本選手は引退イヤーで有終の美を飾る
アウトドアに作られた未舗装の周回コースを、バイクで豪快に走破する競技がモトクロス。自然の地形を活かした激しい勾配を土煙を上げて走る姿や、巨大なジャンプ台を空高く飛ぶシーンなどが圧巻の競技です。
その国内最高峰、全日本モトクロス選手権IA1クラスの2021年シリーズで、ホンダの「CRF450R」を駆る山本鯨選手(ホンダ・ドリーム・レーシング・ベルズ所属)が3年連続、4回目の年間チャンピオンを獲得。
ほかにも、2021年シーズンは、下位クラスのIA2やレディースクラスでもホンダのライダーがチャンピオンに輝いていることから、ホンダは今季3クラス制覇を達成したことになります。
●コロナ禍の影響で全6戦に
山本選手は、埼玉県出身の29歳。2014年から2016年にはモトクロスの世界最高峰「FIMモトクロス世界選手権」にも参戦経験を持つ実力派です。
4ストローク450ccマシンなどで競う国内最高峰のIA1クラスには、2017年に初挑戦していきなりチャンピオンを獲得。翌2018年シーズンこそランキング2位に終わりましたが、2019年から今回の2021年まで3年連続でチャンピオンとなっています。
2021年シーズンのIA1クラスは、当初は全7戦の予定でしたが、コロナ禍の影響で第5戦近畿大会が中止となり、全6戦に。
そんな中、ホンダのCRF450Rを駆る山本選手は、開幕戦「HSR九州大会」でアクシデントにより表彰台を逃してしまい、厳しいスタートとなりました。
ところが、それぞれ2レース制で行われた第3戦「関東大会」と第6戦「HSR九州大会」では、いずれもヒート1、ヒート2で優勝を決めて完全優勝を達成するなど、ディフェンディングチャンピオンらしい本来の走りを取り戻してきました。
●2位と1ポイント差で最終戦へ
そして、11月28日(日)に広島県 世羅グリーンパーク弘楽園にて開催された最終戦の中国大会。
2位と1ポイント差でランキング首位のまま迎えたこの大会で山本選手は、ヒート1で優勝、続くヒート2で4位となり、見事に自身4度目の年間王者を奪取。
なお、山本選手は、同会場において、今シーズン限りで全日本モトクロス選手権から引退することを発表。最後のレースを有終の美で飾りました。
ちなみに、2021年シーズンのホンダは、IA1の下位クラスで、4ストローク250ccマシンなどで争うIA2でも大城魁之輔選手が、レディースクラスでは川井麻央選手がそれぞれチャンピオンとなっています。
これにより、前述の通り、全日本モトクロスで3冠を達成しています。
(文:平塚直樹)