■ランキングトップチームの意地か? STANLEYの牧野選手が連続アタックでコースレコード!
11月27日(土)-28日(日)に静岡県・富士スピードウェイで開催の2021 AUTOBACS SUPER GT第8戦『FUJIMAKI GROUP FUJI GT 300km RACE』。2021年のチャンピオンが決まる最終戦の予選は、単にスターティンググリッドのポジションが決まるというだけではなく、ポールポジションポイントの1点が大きな意味を持ちます。
GT500クラスのQ1は、午後3時03分から10分間で開始されます。天気は晴れで日差しもあるものの気温は10度、路面温度は13度。
走行時間が10分間でも、GT500の予選は総じてほとんどのマシンが残り8分台に入らないとコースインしませんが、この低い路面温度のためか、今回はピット出口のオープンと共に続々とコースインしていきます。
最初にタイムアタックを始めたのは3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rで1分26秒513とコースレコードに迫る勢いでしたが、その直後に1号車 STANLEY NSX-GTの牧野任祐選手が、いきなりコースレコードを破る1分26秒011をマーク!
38号車 ZENT CERUMO GR Supraと、39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supraもレコードタイムを出しますが、STANLEY NSX-GTには及びませんでした。
そんな中でも、STANLEY NSX-GTの牧野選手はアタックをゆるめません。そして次の周でなんと1分26秒フラット! 前の周に自らが出したコースレコードを更新する連続アタックを魅せてきます。牧野選手自身は、開幕戦欠場のためにポイントが足りず、ドライバーズチャンピオンにはなれませんが、チームメイトの山本尚貴選手のチャンピオンへの礎となるような素晴らしいQ1を見せてくれたのです。
また、逆転タイトルを狙う8号車 ARTA NSX-GTは4番手でQ2進出しています。
●富士に強いGR Supraの本領発揮か?
ポールポジションが決するQ2は、午後3時41分から10分間で行われます。
最初にDENSO KOBELCO SARD GR Supraが1分26秒127でトップに立ちますが、STANLEY NSX-GTの山本尚貴選手がQ1より速い1分25秒867でトップを奪います。37号車 KeePer TOM’S GR Supraも25秒台を出しますが、STANLEY NSX-GTにわずかに及ばず。このままSTANLEY NSX-GTのポールポジションが確実かと思われました。
しかし、最後の最後でSTANLEY NSX-GTを上回る1分25秒764を叩き出したのは、14号車 ENEOS X PRIME GR Supraの山下健太選手。
これまでのコースレコードである1分26秒386は、昨年の最終戦で山下選手が出したもの。それを自ら書き換えて、最後の最後に逆転のポールポジション獲得となりました。
そして ENEOS X PRIME GR Supraは、ぎりぎりチャンピオン獲得の権利を持っているチームですが、そこに貴重な1ポイントを加算して明日28日の決勝レースでは一番前からレースを始めることとなります。
予選2番手には、シリーズランキングトップのSTANLEY NSX-GT。しかし、3番手から5番手は再びGR Supra勢となり、富士でのGR Supraの強さが如実に表れているようです。
シリーズランキング2位のARTA NSX-GTは、6番手からのスタートとなりました。
STANLEY NSX-GTとARTA NSX-GTがポールを逃したことで、渾沌となってきたチャンピオン争い。速さだけではなくピット作業なども大きくかかわってくるだけに、緊迫したレースが予想されます。
そんな最終戦の決勝レースは11月28日(日)午後1時にスタートです。
(写真:吉見 幸夫、松永 和浩/文・松永 和浩)