ヤマハが2021年のタイトルを独占! 市販2輪レース最高峰「WSBK」でラズガットリオグル年間チャンプほか3冠達成

■ヤマハ2009年以来のチャンピオン獲得

ヤマハが、市販車ベースの世界最高峰レース「WSBK(スーパーバイク世界選手権)」2021年シーズンで、なんと3冠を達成しました!

ヤマハがWSBKラズガットリオグル年間チャンプほか3冠達成
WSBK2021年シーズンで3冠に輝いたヤマハのスタッフたち

11月21日開催の最終戦インドネシア大会で、ワークスライダーのトプラック・ラズガットリオグル選手が年間チャンピオンに輝いたほか、コンストラクターズ・タイトルやチーム・タイトルも獲得するという偉業を達成しました。

しかも、年間のライダータイトルはヤマハにとって2009年以来12年ぶり、ラズガットリオグル選手はトルコ人として初の栄冠に輝いています。

●最終レースを前にチャンプ獲得

ラズガットリオグル選手(24歳)は、2020年からヤマハのWSBKワークスチーム、「パタ・ヤマハwith BRIXXワールドSBK(Pata Yamaha with Brixx WorldSBK)」に加入したトルコ出身のライダーです。

市販車ベースのレースマシン「YZF-R1」に乗っての初レース、オーストラリア大会ではいきなり優勝。その後も好成績を残し、2020年シーズンはランキング4位を獲得します。

2021年シーズンも好調のラズガットリオグル選手は、2位に30ポイントのアドバンテージを持ってランキングトップで最終戦を迎えます。

ヤマハがWSBKラズガットリオグル年間チャンプほか3冠達成
ラズガットリオグル選手(#54)とレイ選手(#1)のバトル

WSBKは、1大会2ヒート制で争いますが、土曜日(11月20日)のヒート1(第1レース)が雨で翌日曜日に延期。そして迎えた11月21日には、午前中のヒート1でチャンピオンを争うジョナサン・レイ選手(カワサキ)と壮絶なバトルを展開。優勝には届かなかったものの見事2位を獲得します。

ヤマハがWSBKラズガットリオグル年間チャンプほか3冠達成
トプラック・ラズガットリオグル選手

その結果、ヒート2(第2レース)を前に、ラズガットリオグル選手は優勝13回、表彰台29回、ポールポジション3回という成績で年間チャンピオンを手中に。

前述の通りトルコ人としては初、ヤマハにとっても2009年のベン・スピース選手以来となる年間王者に輝きました。

●チームメイトやサテライトチームも活躍

このレースでは、ほかにも、ラズガットリオグル選手のチームメイト、アンドレア・ロカテッリ選手も活躍します。

2021シーズンからWSBKに参戦するロカテッリ選手は、すでにルーキー・オブ・ザ・イヤーを決定している注目株です。最終戦でも、レース1では4番グリッドから4位を獲得、レース2も8位と奮闘。この結果、ヤマハのWSBKルーキーとして2011年以来、最高となる年間ランキング4位を獲得します。

ヤマハがWSBKラズガットリオグル年間チャンプほか3冠達成
アンドレア・ロカテッリ選手

そして、こうしたラズガットリオグル選手とロカテッリ選手の活躍により、パタ・ヤマハwith BRIXXワールドSBKは年間のチーム・タイトルにも輝きます。

ほかにも、最終戦ではヤマハのサテライトチーム「GRTヤマハ・ワールドSBKチーム(GRT Yamaha WorldSBK Team)」のギャレット・ガーロフ選手がインディペンデント・ライダー・チャンピオンを手中に。チームメイトでWSBK唯一の日本人ライダー、野左根航汰選手はレース2で自己ベストとなる7位を獲得しました。

ヤマハがWSBKラズガットリオグル年間チャンプほか3冠達成
野左根航汰選手

これらライダーたちの活躍で、ヤマハはメーカー・タイトルにも輝き、3冠を達成。2021年シーズンを有終の美で飾っています。

ヤマハは、2輪最高峰レースMotoGPでも、ワークスライダーのファビオ・クアルタラロ選手が年間チャンピオンに輝いていますから、これで世界的に有名なロードレースで4冠を手にしたことになりますね。

2022年シーズンは、MotoGPの下位クラス、Moto2にも参戦するヤマハ。しかも、投入するVR46マスターキャンプ・チームは、伝説的ライダーで、2021年限りで引退したバレンティーノ・ロッシさん率いるVR46がマネジメントします。

ヤマハがWSBKラズガットリオグル年間チャンプほか3冠達成
世界最高峰レースで9度の世界王者に輝き、2021年で引退した英雄バレンティーノ・ロッシさん

MotoGPやWSBKなど世界のロードレースで、ヤマハが2022年にどんな活躍をみせてくれるのか、今から楽しみですね。

(文:平塚 直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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