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■フィットe:HEVのホームとクロスターに設定
ホンダ車の純正用品を扱うホンダアクセスは、両上肢の不自由な人が両足だけで運転操作できる運転補助装置「Honda・フランツシステム」を、「フィットe:HEV」に新たに架装可能とし、2021年11月4日に発売を開始したことを発表しました。
対応車種は、フィットのハイブリッド仕様で、ベーシックな「フィットe:HEVホーム」と、アウトドアテイストの「フィットe:HEVクロスター」の2機種。専用のタイプカラーの車両へ架装が可能となりました。
●左足でステアリング操作が可能な装置
フランツシステムとは、両上肢が不自由な人のために、左足の前後回転運動によるステアリング操作を可能にした運転補助装置のことです。
1965年にドイツで開発されて以来、ヨーロッパで高い評価を得てきたこの装置、ホンダは1981年に開発者フランツ氏から技術指導を直接受け、さらに独自の技術を加え1982年に国内で初めて発売。現在、国内で唯一のフランツシステム適用(ホンダアクセス調べ)を行っています。
今回のシステムでは、「足用ステアリングペダルユニット」「足用コンビネーションスイッチ」を基本の標準装備として設定しています。
足用ステアリングペダルユニットとは、左足でのステアリング操作と右足でのブレーキロックが可能になるシステムのこと。ステアリング下部にギアボックスとステアリングペダル、ブレーキペダル上部にブレーキロックレバーが装備されています。
基本的な操作は、ステアリングペダルに固定された靴を履き、自転車のペダルをこぐように回せばハンドルは左に、その逆に回せばハンドルは右に回るようになっています。また、シフト操作などを安心して行うためのブレーキロックは、ブレーキロックレバーとブレーキペダルを同時に踏むことで操作が可能です。
足用コンビネーションスイッチは、右足でウインカーやライト、ホンダセンシングなど、運転時に使用する各種スイッチ類の操作が可能になるシステム。
右足元に集中配置したスイッチ類のレイアウトは、好みの9パターンから選ぶことが可能です。
●足用シフトペダルなどオプションも用意
フィットe:HEV用フランツシステムでは、「足用シフトペダル」「パッシブシートベルト(自動装着式シートベルト)」および「フロアカーペットマット(フランツシステム用)」を専用オプションとしてラインアップしています。
足用シフトペダルは、右足で車両標準のセレクトレバーと連動したシフト操作が可能になるシステム。右に回す、上下に動かすといった2つの動作を組み合わせることで操作が可能です。
パッシブシートベルト(自動装着式シートベルト)は、乗車時に運転席ドアを閉めることでシートベルトの自動装着を可能とするもの。
加えて、フロアカーペットマット(フランツシステム用)は、フランツの各装置を装着した状態に合わせた専用設計のマット。足元に上質感と快適性もプラスします。
●システム装着車の価格は?
対応車種は、前述の通り、まずフィットe:HEVホームで、FFと4WDの両方に設定。フランツシステム装着車(車両+標準装備)の価格(消費税非課税)は354万2000円〜372万2000円。
ボディカラーは、以下の計9色から選べます。
・プレミアムサンライトホワイト・パール(5万円高)
・プレミアムクリスタルレッド・メタリック(5万円高)
・プラチナホワイト・パール(3万円高)
・ルナシルバー・メタリック
・メテオロイドグレー・メタリック(3万円高)
・エアーライトブルー・メタリック
・ミッドナイトブルービーム・メタリック(3万円高)
・クリスタルブラック・パール
・ローズゴールド・メタリック(3万円高)
また、フィットe:HEVクロスターも、FFと4WDの両方に設定。フランツシステム装着車(車両+標準装備)の価格(消費税非課税)は379万2000円〜397万2000円。
ボディカラーは、以下の計6色を用意します。
・プレミアムサンライトホワイト・パール&ブラック(4万円高)
・プレミアムクリスタルレッド・メタリック&ブラック(4万円高)
・プラチナホワイト・パール&ブラック(2万円高)
・ルナシルバー・メタリック&ブラック
・メテオロイドグレー・メタリック&ブラック(2万円高)
・サーフブルー&ブラック
また、オプションでは、足用シフトペダルが25万円、パッシブシートベルト(自動装着式シートベルト)32万8000円、フロアカ―ペットマット(フランツシステム用)が1万6000円です(いずれも消費税非課税)。
(文:平塚 直樹)